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ケース紹介

 

ケース21-1 外国人のお母さんが抱く不安と不満

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 外国人のお母さんから、保育園に通う子どものことで相談がありました。保育園での 喧嘩で指をかまれ、やがて腕がはれ熱がでて、結局入院したとのこと。

 最初は、子どもの症状を心配しての相談だと思っていましたが、話はこの件に関する 周りの人たちの対応への不満へとうつり、30分近く続きました。近所の小児科医は熱 の原因は風邪ではないと言っていたのに、入院先の医師は指をかまれたのとは関係なく 風邪のせいだと言ったそうです。また喧嘩相手に一言あやまってほしいのに、保育園の 先生はとりなしてくれないし、日本人の夫やかかりつけの小児科医も事を荒立てないよ うにしようとするのだそうです。外国人の子どもだからといって、ばかにしたり、無視 しないでほしいと訴えていました。

 結局、このお母さんは何らかの医療情報がほしいというよりは、子どものことで不安 な思いをしたことや悔しかったことを聞いて欲しかったようでした。お母さんも喧嘩相 手は近所の子どもなので、問題を大きくしたくないと思っていたようでした。それで、 その子の家に行って直接謝ってほしいと言いづらかったため、保育園の先生に仲介を頼 んだらしいのですが、お母さんの思うようにはしてもらえなかったのでした。

 私たちには、喧嘩と入院の因果関係はわかりようもありません。もう一度保育園の先 生や夫に相談して事にあたることをすすめてみても納得しませんでした。しかし、「い ろいろ大変なことが多いだろうけれど、子どものためお母さんも頑張ってください。」 と言うと、お母さんはそれを聞いてはじめて落ちついたようで「話を聞いてくれてあり がとう。頑張ります。」と答えて電話をきりました。

 他人には大したことはないとうつるかもしれない出来事でも、孤立感を強めることが あるのだと、国際結婚をして異国の地にとけこんで生きることの難しさを感じました。 そして日本人の側も、外国人だから無視したというわけではないのでしょうが、理解を 示して話を聞こうとする態度をみせることが大事だと思いました。(センター関西発)

(AMDA国際医療情報センター NEWSLETTER NO.21より)

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