AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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いつもクリニックに見学に来る人がいると、外国人患者がその日に限って少ないというジンクスがあるのだが・・・ジンクスは生きていた。2日の土曜日、その昔、母校の看護医療学部で僕の講義を聴いてくれて以来、おつきあいのある看護師が一学年下で某大学の看護教員を務めている後輩を連れて、見学に来てくれた。すると・・・まず日本人の患者がとても少なく、外国人患者はというと・・13人でフィリピン人7人、ベトナム人4人、ペルー人、タンザニア人、ドイツ人1人ずつであった。参考になったかどうか、心苦しかったが、患者が少なかった分、いろいろと話をしてさしあげることができたと思う。日本医師会から郵便物が到着、開封してみたら7月4日水曜に行われる第一回外国人医療対策会議の式次第と僕に与えられた短い時間でのプレゼンテーションに対する問い合わせだった。この会議で資料があれば配布してくださるとのことであったし、会議の内容は日本医師会雑誌にも掲載されるとのことだったので、全国の医師会員にAMDA国際医療情報センターの事業を知っていただく極めて貴重で重要な機会であろうと思う。誠意を込めてお話ししてこなくては・・
  • 2018/6/4 9:00
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タイ人女性71歳、高血圧の治療で来院。いつも来院時に手作りのタイ料理を持ってきてくれるのだが・・・診察室に入って来るなり、満面の笑みでかばんの中から新聞紙でくるまれた大きな丸いものを取り出して「クンモウ、どうぞ」とくださった。手に受け取ると暖かい。診察を忘れて新聞紙を開くと、タイで定番の野菜や豚肉が入ったスープが・・・スタッフ全員が飲める分ぐらい入っていた。実は前回も同じスープをいただいてうまさがよくわかっていたので、僕も満面の笑みで「トック クラン、コップンカップ ナ」と返した。前回の来院時にスープをいただいたとき、バンコクの古い切手やコインを売る店で数枚購入してきた亡くなられた故ラマ9世国王の生前に発行されていた記念硬貨を1枚、お礼にとあげたので、そのお礼も兼ねてなのだろう。あの時、「これを私にくれるの、クン モウ?」と泣きそうに喜んでくれた。昼休みにいただいたスープを飲んでみたが、プロの味、おいしすぎた。タンザニア人男性44歳、数日前から胸部痛があると隣のZ市から来院。痛みは深呼吸で強くなったり、弱くなったりするそうで、これは心疾患ではなく、筋肉か肋骨の痛みではないかと言うと、「そういえば月曜にジムに行ってから痛くなった」とおしえてくれた。念のために血圧を計測すると140/80とやや高め、両親の血圧について尋ねたところ、父親が若くして心臓発作で亡くなっていると教えてくれた。で、心臓が悪いのか、心配になったのですか?と訊ねると「そうです」との返事。念のために心電図をチェックしてみたが、全く異状なし。だるさもあるとのことなので、念のために採血で肝機能検査を行った。
  • 2018/6/2 9:00
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早いもので今年も5月まで終わってしまった。5月はゴールデンウィークがあったりして診療を行ったのは19日、そしてやってきてくれた外国人患者は新患11人、延べ210人であった。一日平均10人の外国人患者が日本人に交じって受診していたことになる。このところ、外国人患者をいかに受け入れるかといった会議等に出席していて違和感を感じることがあったが・・・・振り返ってみると、僕が外国人の診療に手を染めることになったきっかけは大和市立病院外科に勤務していたころ、インドシナ難民大和定住促進センターという半官半民のような性格の組織の嘱託医を兼任し、インドシナ難民として日本にやってきたカンボジア人、ラオス人の人たちの診療を行ったのがきっかけだった。あのころはインドシナ難民に対する偏見や差別もあり、日本政府のインタビューをタイやフィリピンの難民キャンプで受けて日本政府に合法的に受け入れられ、定住目的でやってきた彼らに対して、「日本人にも外国人にも差別なき医療を」と考えたのが、開業するきっかけであった。その後も外国人にも人権の面で差別をしてはならないと考えての診療を続けてきた。ところが、近年、外国人観光客の激増と「曝買い」とやらに端を発して、医療界でもいかに旅行でやってくる外国人富裕層を取り込むか、すなわち保険外診療で儲けるかという観点から、民間のさまざまなサービスを行う会社を巻き込んで外国人診療が議論されているような気がする。僕自身が肌で違和感を感じた原因はこのあたりにあると思う。日本医師会ではこれとはまた別に沖縄等の観光地を中心に、外国人観光客が旅行中に病気となり、民間保険ももちろん日本の公的保険もなく、医療費を含めたトラブルをおこすことから、その対策がひきがねになって外国人の医療に取り組もうとしていて、このスタンスのほうが外国人患者を儲けの対象と考えての外国人医療への取り組みより健全と思われる。それでも外国人医療については日本を観光で訪れる「訪日外国人」の問題が大きいと考えている点では僕は異論がある。昨日も書いたように日本に3か月以上住んでいる外国人の総数は230万人を超え、昨年1年だけで35万人を超える外国人研修生を含む「労働者」が入ってきているという日本、移民政策をとらないまでも、実質が移民受け入れ大国となっているこの日本で、彼らの人権に配慮した適切な医療を提供できる体制をとることは労働力不足に悩む今後の日本にとって生命線になるのだと僕は思う。
  • 2018/6/1 9:00
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7月4日水曜日に日本医師会主催で各都道府県医師会担当理事出席のもとに外国人医療対策会議が開催されると同事務局より連絡があった。内容は盛りだくさんで厚労省から民間の会社、とくに損保会社が入っていたのが目だった。たぶん外国人の医療費未納に対する対策のためだろう。僕にはその中でAMDA国際医療情報センターの電話通訳について限られた時間で話してほしいということだった。極めて短時間ではあるが、自分たちの主義主張を聴いていただける時間をいただいたということは大変重要なことだと認識している。がんばらなくては。以前にも書いたが、日本医師会は同機関誌も兼ねている月刊日本医師会雑誌の来年3月号において訪日・在留外国人の医療の特集号を組むことになっている。風雲急を告げるかのようなこれらの動き、いよいよそういう時が来たかと思うとともに、ぜひいい方向に動いてほしい。昨日、インターネットの検索で見たが、この1年、日本に就労目的でやってきた外国人は35万人ほどで、この1年で増加した外国人労働者の数としては韓国を抜いて世界第4位だそうで、すでに日本は実質上移民大国になっているのだと結んでいた。少子高齢化による労働力不足を何によって補うかというと、メインは現政権がいう働き方改革による「定年となってもパートや再雇用によって働く人たち」ではなく、外国人労働者だろう。外国人観光客の急増による消費になんとかあやかろうという動きが医療界にも強いようだが、実は急増する外国人労働者の健康をどのように支えるかということは日本という国にとって、国の浮沈をかけた大切な問題であると思う。
  • 2018/5/31 9:00
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48歳ペルー人男性、風邪症状が続いていて来院。呼吸音は問題ない。手に薬袋が入った袋を持っていたので、わけを訪ねたところ、ついさきほど近くの糖尿病専門クリニックを受診したとのこと。糖尿病のことも考えて、念のために抗生剤も処方した。フィリピン人スタッフが隣の市の教育委員会に依頼されて、フィリピン人のこどもを受け入れている小学校に午前中だけだが、出かけたため、フィリピン人は少ないかと思っていたら・・・続けて3人来院。タガログ語しかできませんという人は一人もいなかったためにとくに問題なく診察は終わった。母親と別れてフィリピンの親族に育てられていたこどもが、母親に引き取られて来日、学校に通い始めるので、新学期になるとたびたびフィリピン人スタッフが依頼されて学校に出かけることになる。何をしているのか、聞いてみたら、先生方がフィリピンの習慣、考え方がよくわからないうえに、こどもは日本語が話せず、意思疎通がうまくできないため、先生、フィリピン人の母親、こどもの間を取り持つようなことをしているらしいとわかった。アメリカ人女性60歳、合法滞在なのだが、自分の意志で日本の公的保険に加入していない。米国の民間保険に加入しているからという理由で、加入していないのだが、民間保険には支払いの限度額があるはず、国民健康保険には高額医療費助成制度もあって支払いの限度額がないどころか、大きな手術を受けても患者負担額が一か月に5万6万程度で収まってしまう。何度、話しても加入する意志がないので、話さなかった。日本の公的保険は加入資格のある人は日本人も外国人も加入が義務なのだが、罰則がない義務なのでこういうことがおきてしまう。きょうは高血圧の診療ではなく、耳鳴りがひどいというので近くの耳鼻科に情報提供書を書いた。が・・・彼女の英語、僕にとってはわかりづらいほうなので一抹の心配が残った。
  • 2018/5/29 9:00
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ベトナム人スタッフが来てくれる土曜日、やはりベトナム人患者が多かった。ベトナム人男性51歳、ここ数年高血圧で拝見しているのだが、はじめてけっこうな量のビールを飲むということがわかった。どうやら意識的に僕には言わないでいたらしいのだが・・・うっかりベトナム人スタッフに話したことをそのままスタッフが僕に話してしまったようだ。どうしてγ-GTPが高いのかと不思議に思っていたのだが、これでつじつまがあった。ベトナム人男性84歳、いつもの診察とがん検診の申し込み。認知症の同じベトナム人の奥様の申し込みもなさっていったが、彼が言うには「当日の朝にならないと受ける気になってくれるかどうかがわからない」とのことだった。奥様の日本語力ではディサービスを受けるのもむずかしく、奥様自身もそれが原因なのか、行きたくないとの強い意思表示があるそうで・・・日中は彼がずっとおくさまを見守っている状態。「いつも疲れ切っている」そうで、彼の体と精神のほうが心配になった。ベトナム人女性72歳、いつもの高血圧の診察を終えると、僕にひとつ質問があると言う。どうぞと答えると・・「もっと太るには牛乳2本を毎日飲めばいいと知り合いに言われたが、それで太れるだろうか?」と尋ねられた。とくに彼女はやせているというわけではなく、ごく普通なのだが、「やせているのはみっともなくていや」なのだそうだ。「あなたの体質はいまの体型であって、これからすごく太ったとしたら、それは病気ということですよ」と話すと、納得してくれた。東南アジアで広く信奉されている「太っているほうが健康的」という考え方、というより「太っているほうが経済的に恵まれている家庭、そういう生活をしている」ということなのだろう。
  • 2018/5/28 9:00
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先週、額を打ち付けて切ってしまったドイツ人のお嬢ちゃん、創を閉じていたテープをはがしてみたところ・・傷はきれいに治っていた。お母さんも喜んでくれて一安心。ナイジェリア人男性49歳、やはり血圧が高い。2か月に一回しか来院しないため、コントロールしにくい。某アジア国の女性と結婚していたが離婚したそうで、食事もいいかげんらしい。再度、食事療法について話し、内服薬も変更した。中国人女性57歳、仕事のために出張していたシンガポールから3か月ぶりに帰国、こちらも降圧剤がすでに切れていて、血圧が再上昇している。おまけに前回、頼まれて2か月処方したのに、薬は前日まであったそうだ。不思議。さ来週から再び海外へ行くそうで、また2か月分処方した。今回の診療報酬改正で薬の使い方について無駄を省こうという趣旨のことが盛り込まれている。たとえば降圧剤を3か月処方したのに、処方して1か月で血圧が下がりすぎたり・・あるいは適切な値に下がらなければ、降圧剤の使い方を変更しなければならない。すると2か月分の薬が無駄になりかねず、財政的に保険診療を圧迫する事態にもなりかねない。患者の立場から見ると、診察料も3か月で一回ということは毎月受診するより支払いが少ないので、好ましいことなのかもしれないが・・・主治医として診る立場からいうと、長期にわたって診察できないということは「いま、何がおこっているのかわからない」ということから怖くも感じる。4月の診療報酬改定以後はどんなに長くても2か月処方までとすることにした。その際もすぐに連絡ができることと、この間、自分で体調を必ずチェックしておくことを条件としている。
きのうの相模医師会連合会の代議員会も無事終了。緊張したのか帰宅後、とてつもない眠気に襲われた。そして今夜は大和市医師会の総会、とくに問題なく終わるだろう。
  • 2018/5/25 9:10
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フィリピン人女性49歳、日本の公的保険に加入していないので理由を尋ねたところ、フィリピンから親族を訪ねてやってきての旅行中とのこと、下顎に大きな発赤と周囲に水泡があり、その部分の皮膚が固く腫脹している。もしや、単純性疱疹かとも思ったが、そうではなく、単純な細菌感染と考えた。数日前に小さな発赤があり、温めていたと話してくれた。細菌感染なのだから、温めたら悪くなるよと言うと、驚いたような反応があった。感染症を併発しやすい糖尿病があるのかどうか、家族を含めて尋ねたが、いないとのことだった。抗生剤を処方し、冷やすように指示をした。スリランカ人女性38歳、先週、二人のお子さんが二人ともインフルエンザA型で、本人も前日から風邪症状とのことで来院。ただインフルエンザにしては高熱はなく、体の痛みもなく・・・念のために行ったインフルエンザ検査は陰性だった。きょうは夕方の4時で診療を切り上げ、午後5時から県医師会で会長会、その後、県医師連盟理事会、ホテルに移動して相模医師会連合会の定例代議員会、さらにその懇親会、長い一日になりそうだ。
  • 2018/5/24 9:14
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ドイツ人のお嬢ちゃん、3日前に小児科の診察を終えて、クリニックの外に出たところではしゃぎすぎて道路際のコンクリートに額をぶつけて大泣き、クリニックに戻ることになってしまった。拝見したところ、少し切れており、ぶつけたところが少しへこんでいた。縫合しようかどうか悩んだ末に、ステリテープで留めて様子をみることにしたのだが・・・きのう見たところ、創はまだ部分的に開いてはいたが、へこみはどうやら下から組織があがってきて消失しているようであった。小さいお子さん、ましてや女の子の顔や額の傷は気をつかう。縫合すると縫合糸の穴が目立つこともあるし、ご家族の心配も強い。次は4日後に診察してほしい旨、告げて終わりとした。縫合はやろうと思えばいつでもできるし、痛くないほうがいいに決まっている。お嬢ちゃん、僕の心の中の小さな悩みなど知ろうはずもなく、診察室を出て行くときに「いぇい」とハイタッチ、笑顔でバイバイして行った。
  • 2018/5/22 9:00
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ペルー人男性59歳、先週痛風発作で来院。コルヒチンを処方、痛みはほぼ取れた。引き続き減量して1週間分だけ処方、尿酸値など採血した。ペルー人一家、隣のA市から来院。
診察室に入って来るなり、孫娘29歳に「せんせい、ひさしぶり」と満面の笑みでハグされた。もう10年近く前になるだろうか、この女性と母親の体やメンタルのことで随分相談にのったり、時間をとられたことを思い出した。今回、この女性からみて73歳の日系2世の祖父と母親48歳といっしょに来院。母親48歳女性はA市の大腸がん検診で2日間便潜血反応で1日だけ陽性となっていて、孫娘が質問するには「もう1回同じ検査をしたほうがいいと思うけど、どうでしょうか?」と。この検査は検診の約束事の中で一日でも陽性であれば精密検査である大腸内視鏡に進むことになっていると話した。小さな大腸がんであれば、1日だけ陽性ということも十分にありえるからと続けたら、納得してくれた。祖父にあたる73歳男性については高血圧があり、近くの医療機関を受診しているが、スペイン語が全く通じないので、僕のところで診てほしいとのこと、僕程度のスペイン語でいいのか?と訊ねると、OKとのことなので了解した。A市はあまり医療機関が多いところではなく、大和市の僕のクリニックでも市の枠を超えて、特定健診やがん検診、各種予防接種を助成付きで受けることができる。これを伝えたら、すごく安堵しているようだった。こういう情報は市民には市の広報などで情報提供されているはずなのだが、日本語が読めない人たちには伝わりにくいのだろう。役所の人たちはそういう事実をどのように考えているのだろう?
  • 2018/5/21 9:00
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