AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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スリランカ人男性42歳、特定健診の結果説明に来院。中程度の高脂血症以外、問題はなかった。食事療法について説明し、効果をみるためには2か月後程度してから再度空腹で検査をしたほうがいいと話した。フィリピン人男性51歳、同じく特定健診の結果説明に来院。こちらも同じく中程度の高脂血症、食事療法について説明したが、薬がほしいという。日本人ならこういう場合、薬は飲みたくないから食事療法でがんばりますという人がほとんどなのだが・・・過去の経験からはフィリピン人で「薬がほしい」という人がきわめて多い。こういうときには困ってしまう。薬を処方すると食事療法は全くしなくなってしまうことが多いからだ。要するに今までの食生活を続けたいから薬がほしいというわけだ。どんな薬にも副作用があるし、医療機関にやってきてお金も支払わねばならない。だからまず食事療法を行って、その後に時間をおいて空腹時採血を行ってその上で効果がなければ薬も考えると話す。今、書いていて気がついたが、もしかしたら、「適切な時期」まで食事療法など行わず、次の採血の結果で薬をもらおうという考えの人もいるかもしれない。いや、いるにちがいない。過去に二回目の採血結果から処方をした人の中にきっといたにちがいない。
  • 2018/9/27 9:06
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南隣のF市からやってきたベル―人の41歳と33歳の姉妹、父親が胃がんだったとのことでピロリ菌の検査をし、陽性なら除菌しいほしいと来院。ピロリ菌の検査を公的保険を使って行うには内視鏡検査を行わねばならず、そのことを話すと姉は胃が痛い、妹は胃酸があがってくるので内視鏡検査を行ってほしいとのこと。ここまでわかってくれてほっとした。あとは予定を決めるだけなので、受付に任せた。終了間際に同じく隣のF市からやってきたスリランカ人のご夫婦、48歳の奥様が妊娠しているかどうかを診てほしいと言っていると受付から連絡があった。風邪もひいているらしく、とりあえず診ることにした。最終生理の終了から1カ月半が経過しているということで尿でゴナビス検査を行ってみたが、陰性だった。咳とのどの痛み、それに嘔気があり、どうやら嘔気のあることが妊娠を考えさせたようだった。いろいろと問題があるらしく、診療が終わってからすぐに出かけなければならないのだが、次々と話が出てくる。スリランカで行った血液検査の結果を見せてくれたのだが、それがスマホに写真として入っていて、見にくいばかりではなく、肝心な部分が映っていないものもある。ひとつ目を引いたのが、TSHが正常の下限より一桁少なかったことで、どこをどう探してもT3,T4のデーターがない。ほかの血液検査もあるので一週間後に空腹で来てもらって採血することにした。
  • 2018/9/25 9:00
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イギリス人男性48歳、朝いちばん9時からの特定健診の予約だったというスタッフの話だが・・なかなかやってこない。6人目が終わろうかという10時になって現れた。本人からは遅れたことに対する何の言及もなかったので、もしかしたら、勘違い?していたのかもしれない。フィリピン人女性48歳、職場であるお弁当屋さんで同じフィリピン人女性に相当な剣幕で怒鳴られたとのことで、手が震える、動悸がする、寝られないと訴えて一週間ほど前にやってきた。たしかに彼女、言い返すようなタイプではなくおとなしい。アルブラゾラムを一日3回食後に一つずつ内服するように処方した。このところ、よく寝られ、症状も消失したというので処方をやめて終わりにすることにした。韓国人女性56歳、このところ、悩みがあるらしく、いろいろな訴えが多い。まずはいつもの高血圧の診察を行い、その後に話を聞いたが・・・話がつきない。そのうちに「今まで診てもらっていたのだから、先生にやめられては困る。だから私が死ぬまでずっと続けてください」と言われた。昨日は同じことを近くの薬剤師、日本人の女性の患者82歳にも言われた。どういう気持ちから言ってくれるのかはわからないが、うれしく思う反面、そんなことをしていたら、いずれ老いた医者となり、いろいろなまちがいをしでかし、結局は患者に迷惑をかけることになるだろうと思う。体の自由が利き、まだ自分の余生を少しでも楽しめるときに引退したいものだ。
  • 2018/9/22 9:00
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大和市特定健診もあと10日ほど、9月末で終わりになるので、連日予約の人だけで6~8人、午前中のそれも早い時間に行っている。昨日も予約の人が7人いたのだが、10時を過ぎてから受付から外国人が予約なしで二人来ていると連絡があった。友人どうしらしいというので「あと一人」というわけにもいかず、二人とも受けていいと話した。フィリピン人男性51歳と同じくフィリピン人女性40歳だった。この特定健診は年度末までに40歳になっていることが受けることのできる条件なので、女性のほうは今年から受診可能ということになる。尋ねてみると、それは知っていたので待っていたとのこと、意識の高さに感心させられた。パキスタン人女性40歳、同じパキスタンのご主人に付き添われて隣のA市から初めてやってきた。おなかの問題があるらしく、僕のほうにカルテが来たので診察室に呼びいれたところ、この女性のほうがなんだか不機嫌そうな顔をしている。後ろからご主人が入ってきて、女の先生がいると聞いたので来たけど・・・と言う。そこで気がついた。敬虔なイスラム教徒に違いない。胸の横にも赤い何かがあると話す。女性の医師はいますが、小児科ですよと言っても、そうそう、小児科なんだ、それでも女の先生のほうがいいですと続けるので、わけを話して小児科で診てもらった。診て、その上で僕が診る必要があるなら、それはそれでかまわないということだった。けっきょくは僕が診ることなく終わった。
  • 2018/9/21 9:15
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外国人医療とは関係がないが、15日の土曜の朝、仕事をしていてコーラが飲みたくなり、きっと蓋をあけるとあふれ出るだろうと思い、デスクのり後ろを向いてあけたところ、やはり想像以上にあふれ出た。しばらくして再度飲みたくなり、デスクの近くであけたところ、泡が最初より飛び散り、一部がパソコンの文字盤の上へ・・しばらくして異変に気がついた。ワードもメールも書こうとするが、書き込みができず、いったん電源を落として再度立ち上げようとしたら、ログインパスワードではねられ・・・あわててスタッフに近くのパソコンショップに持って行ってもらったが、基盤がやられていてもうだめですということで、頭がパニックに。たまたま自宅においてあるモバイルを持ってきていたので、離れ小島に流されたような気分は救われたが、自分のばかさかげんに腹がたった。どうして隣のお茶を買わなかったのかと・・・
土曜は21人の外国人患者、ベル―人5人、フィリピン人5人、インド人3人、ネパール人3人、ドミニカ人2人、カンボジア人、アメリカ人、韓国人各1人。土曜の夜から火曜日を休診にさせてもらってタイ国空軍病院の看護大学の学生と大学院学生の奨学金授与式に行ってきた。今回は3人の仲間といっしょに訪問、あんなにタイのしきたりには慣れているはずなのに、学生が足元にひざまずいて、ワイをしながら左手にジャスミンの花輪をかけてくれたとき、一瞬、どう対応していいのかわからずに戸惑ってしまった。国立のためか、比較的、地方の貧しい家庭出身の子弟が多い。懸命に学習しようとする姿勢に心打たれて帰ってきた。
  • 2018/9/20 9:00
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なぜか金曜日なのに僕のほうだけで外国人患者が12人もいた昨日。イギリス人男性47歳、はじめての胃の内視鏡検査、心配していたが、上手にできた。にこにこと帰って行った。アメリカ人女性、いわゆる難病の大腸疾患を抱えているというのに、「お酒を飲みすぎた、肛門から出血している」と訴える。お酒はどれぐらい飲んだか覚えていないし、何度もやめようとしたけどやめられないと話す。症状に合わせて内服薬を処方したが、なんだかやりきれない。その後もフィリピン人の姉妹、ベル―人の夫婦と次から次へと難問つづき。疲れすぎてしまった。12時直後にフィリピン人女性がやってきたと受付から連絡があった。どうしますか?午後に来てくれるように言いますか?と問われたが、やはりここで帰ってもらうのは親切ではないなと拝見した。昼休みに往診が一件あったが、しばし呆然としていた。
  • 2018/9/15 9:00
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朝から特定健診や具合のよくない人が多くて、超多忙だというのに・・・ペルー人男性39歳、胃が痛くてがまんができないと言う。たしかに心窩部に痛みがあり、「朝起きた時、寝る前にすごく痛い」とのこと、年齢や症状を考慮すると十二指腸潰瘍にちがいないと思ったのだが・・内視鏡はできるか?と訊ねられて、返答に窮した。すでに午前中に二人、予約が入っている。念のためと思い、朝ごはんは食べてきたの?と訊ねると、パンを食べたと答える。仕事をしていてきょうだけ休んできたとのことなので、午後3時半から検査を行うことにしてそれまでは飲み物を飲むのはいいが、食べないようにと注意をして帰ってもらった。午後もすでに3時から内視鏡検査が組まれていて、終了したころに彼がやってきた。内視鏡を挿入すると胃の中に溶けた米粒が多数見える。十二指腸だけチェックをして逃げてこようと決断、やはり球部の小彎に大きな潰瘍があった。見ることができる胃の中には病変はなかった。終了後、パンじゃなくてごはん食べたの?米粒があったよと話すと、笑いながら「食べると痛みが止まるので食べた」とのこと。先に聞いていたら検査はしなかったかもしれない、いや、しなかっただろう。内服薬を処方して帰ってもらおうとしたら、きょう休んだ分の診断書を会社あてに書いてほしいと言う。ずる休みでないことだけがわかればいいとのことなので、「簡単に」書いて安い金額を請求させてもらった。フィリピン人男性56歳、北隣のS市から初めてやってきた。首や体あちこちが痛いと言う。薬手帳を持っていたので見せてもらうと、住まいの近くの整形外科を長年受診していて、鎮痛剤やら神経を刺激する薬やらいろいろと処方がすでにされている。それでも症状が改善しないとのこと、いわゆる「ややこしい」患者なのだろう。いくら言葉の問題がないとはいえ、検査ができる施設で整形外科や神経内科、場合によってはペインクリニックが必要かもしれないと思い、そこのところをよく本人に話して近くの公立病院に情報提供書を書いた。
  • 2018/9/14 9:00
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ナイジェリア人男性48歳、下腹痛があると北隣のS市から来院、腹痛は疝痛で右にやや強いが典型的な急性虫垂炎になると痛くなる場所ではない。感染性腸炎とは思ったが、念のために白血球数とCRPを採血、結果はまったく正常範囲内だった。この旨を話すと、「きのう生の魚を食べた。生の肉も食べたのでホックウオームではないか」と言う。久しぶりに聞いた言葉、HOOK WORM だ。日本語で鉤虫、たしか戦前の日本には多かったと聞いてはいるが、現在の日本にはほぼいないのではないだろうか。ナイジェリアには多いの?と訊ねると「そう」と一言、返ってきた。なるほど、生の魚、生の肉を食べたから鉤虫に感染したのだと思い込んだのだろう、そうも訊ねると、「そうそう」と言う。でもよく聞くと「生の魚」って刺身のことで、「生の肉」って牛の寿司だから、これは「生」とはちょっとちがう。今から30年前、大和市立病院外科に勤務しながら、病院の許可のもとに共産革命の故国を逃れたラオスやカンボジア難民の人たちをインドシナ難民定住促進センターで診ていたころ・・・来日するとまず寄生虫の治療のために便を検査するのだが・・・母校の寄生虫学教室に送って診てもらうと9割がたの人はなんらかの寄生虫を持っていて、その中にズビニ鉤虫とかアメリカ鉤虫との診断が書かれている人がけっこういた記憶がある。寄生虫学教室の専門家の指示のもとに寄生虫の種類によって異なる駆虫剤を処方した。この話をしたら、「だから国際クリニックに来た」と彼が笑いながら言った。たしかに「普通」の先生方にはHOOK WORMという言葉はなじみがないだろう。通常の感染性腸炎だろうと話し、ビオスリーを処方するにとどめた。念のためだが、あの頃、ラオス人、カンボジア人に寄生虫疾患が多かったのは故国の衛生状況も影響はしているのかもしれないが、故国から陸路の逃避行でタイの難民キャンプにたどり着いた、その難民キャンプでの衛生状況が極めて悪かったからと関係者に聞いたことがある。
  • 2018/9/13 9:00
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月曜日10日に僕自身が拝見したのはフィリピン人6人、中国人、ベトナム人、タイ人各々1人。中国人女性44歳、胃の調子が悪く、内視鏡検査をしてほしいと頼まれたのが数日前、禁飲食でやってくるのでついでに特定健診もやってほしいと言われ・・(特定健診とは彼女は言わず、黄色の紙が役所から来たと話した)・・・症状があるならあまり待たせずに内視鏡検査を行おうと、月曜日、すでに午前中2人の予約があるところに追加し、「午前中には行うが遅くなる」と伝えておいた。いつもまずは診察を開始しておいて、ある程度診察や健診を終えた10時半から内視鏡検査を開始、2番目の方は11時から、3番目になると11時半になるからだ。ただし、特定健診も行うのであれば、早く来てほしいと頼んでおいた。朝の9時半ごろ、彼女がやってきた。今日から働くことになっており、クリニックを11時半には出たい、そうでなければ間に合わないとの窓口で話していると受付スタッフがおしえてくれた。予約を取った数日前に話しておいたこととはちがう。なにしろ、特定健診をまずは終えてしまおうと話し、健診の検査に取り掛かった。昨日は特定健診の予約が7人も入っていててんてこまい。それでも10時過ぎには終了、10時10分から彼女の内視鏡検査を行うことができた。とくに大きな異状はなく、11時前にクリニックを出て行ったが、綱渡りの医療だ。こういう「特別に配慮」した医療ばかり続けると、配慮の陰で少しだけ診察が遅くなった人たちの不満がたまっていく。ごり押ししたもの勝ちにならないように考えなければならないのだが・・
  • 2018/9/11 9:08
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特定健診が外国人に浸透してきたのか、この数年、受ける人が多くなってきた。土曜日もペルー人女性2名、ベトナム人女性1名が受けたのだが・・・問題点がひとつ、このうち予約をしてくれたのはペルー人女性62歳のみ。彼女は高血圧で定期的にやってくるので、前回の受診のときに特定健診について受けたい日が決まったら、電話でクリニックに教えてほしいと頼んでおいた。もうひとりのペルー人女性42歳については定期的通院はなく、事前に情報を提供することができない。ベトナム人女性44歳も同じ。やはり予約を必要とする特定健診やがん検診を受けることは外国人にとってはハードルが高いのだろう。そう推察して混んでいても、予約なしで受けてあげてはいるが、こういう好意にも限界がある。ルールがあることも教えてあげないと来年、また同じことの繰り返しになるし・・悩ましい。日本医師会雑誌の来年の3月号、外国人医療特集号に依頼されていた5600字の原稿、10月末日が締切だったが、少しずつ書いて昨日の日曜は朝からクリニックにこもって最終チェック、ようやくできあがった。あと数日、何回か読み返し、変更すべき個所が見つからなければ提出してしまうつもり。
  • 2018/9/10 9:00
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