AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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日系ブラジル人のご夫婦、会社での健診の結果を持って来院。こういうケース、日本人でもよくあるのだが、外国人に関して言えば、非常に多い。会社で健診を受けるということは不法滞在者ではないということに限りなく近く、労働衛生上も「よいこと」ではあるので、それは彼らにとっては喜ばしいとして・・ただ、忙しい診察中に健診の結果を出されて、解説してほしいと言われるのもちょっと困るときもある。そうは言っても、適当に答えることはいけないことであるし、彼らが理解できるように彼らの言語で話したり、やさしい日本語になおしたり・・・軽度の高脂血症などあると栄養指導もしなくてはなりない。ときどき、健診を行っている会社などがうらやましく思ったりする。結果を記載して本人に送るか、渡せばそれでおわりなのだから。中には数ページにわたって項目別数値が書かれていて、最後に「異常なし」と判定結果が印刷された健診結果を持ってきて、解説してほしいと言われることもある。解説して異常がないことを話すと一様に喜んではくれるが、解説だけでお金をいただくのがかわいそうに思えてしまうこともある。ペルー人男性、フィリピン人女性とふたりがいわゆる花粉症。ペルー人男性は目が真っ赤っでくしゃくしゃになっていた。痒くてがまんできずにごしごしこすったとのこと、こんな時期もある日本なのに、みんなが愛しくれるのがうれしい。
  • 2017/3/13 9:00
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アメリカ人男性47歳、クラミジア感染症の治療歴があって同じ症状だと来院。検査の結果を待つと時間がかかってしまうので、とりあえず感受性があるだろうと思われる抗生物質を処方した。フィリピン人女性40歳、市内の杉林の多い地域に引っ越してから、こうなったのとマスクを取ると、赤鼻のトナカイさんのようになっていて鼻水も垂れている。目も痒いと。花粉症だろう、ロラタジンの内服とパタノール点眼液を処方。ペルー人男性43歳、高血圧で受診中、診察を終えて処方箋を書いていたら、寝られないので眠剤が欲しいと言い出した。全く寝られなくなる時があるそうで、以前には鬱の薬も内服していたとのこと、初めて聞いた。外見からはまったく想像ができなかった。ラオス人女性45歳、CTスキャンの結果を聞きにやってきた。この4年ぐらい、右上腹部痛を訴え、半年に一回ぐらい、県内の中でも遠方からやってくる。放射線診断医の診断通りにとくに大きな病気はないと説明した。単なるがんの心配性と思ってはいたが、それだけではないらしい。ストレスでもこんな症状になりますか?と尋ねるので、働くときの姿勢によってもこういう症状になるときもあるし・・・と話しているうちに目に涙がたまりはじめた。家族のこと、仕事のこと、不安があると話していた。タイ語と日本語のちゃんぽんで話していたが、突然、「せんせい、通訳呼んでいい?」と尋ねるので、いいよと答えると、待合室に行って同じラオス人の同年代の女性を連れてきた。とくにこの女性が通訳をするわけでもなく、話に加わって話しているうちに、この女性が「せんせい、タイ語できるからうれしいよ、定住センターにいたんだよね」と話しかけてきた。当時の話をいろいろとしているうちに共通のラオス人の知り合いが多数いることがわかった。Wさんも知ってるよね?と彼女、 はい、知ってますと僕が答えると、「じゃ、私は?」と言うので、「うーん、わからない」と答えると、「ははは、前は鼻がこんなじゃなくって低かったからね」と笑い出した。うん?鼻の美容手術を受けたということか? 彼女たちが帰って行ったあとで気がついた。Wと呼ばれる女性とこの彼女、たぶん・・・いやまちがいなく・・僕が開業する前、大和市立病院外科に勤務していてインドシナ難民の治療を担当していたころ、診ていた女性だ。名前が出てこないが・・開業後もひっこした遠方の団地からやってきてくれたが、いつしか来なくなってしまってもう25年ぐらいだと思う。ところで、患者としてやってきた女性のほうが、どうしてふたりが友達になったのかを教えてくれた。「変と思うでしょう、きっと。でもね、私の今のだんなさんの前の奥さんがこの人なの」。・・・・驚いたけど・・・別居していた父親の愛人が父親のこどもを産むとき、母親が上の子をひきとって面倒見ていたことや父親が亡くなった時、すでに離婚していた母親が僕を連れ、この愛人と待ち合わせて墓参りに遠くまで行ったのを思い出した。
  • 2017/3/11 9:00
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カンボジア人女性62歳、動悸がすると来院、血圧を測ると160/100 、高血圧が原因だろうと話すと、先生の前だから血圧が上がっていると主張。たしかにそういうことはあるかもしれないが、それにしても高い。けっきょく説得に応じて降圧剤を使ってみると言うので、処方したが、キチンと内服してくれるかどうか、心配だ。57歳と60歳のフィリピン人のご夫婦、ふたりとも友人に薬をもらってきてほしいと頼んで顔を見せない。フィリピン人スタッフによると、前回の血液検査の結果を僕から聞くのが怖いから来ないのだそうだ。これって少し妙。僕はデーターを伝えて、医師としての考えは伝えるが、この患者に限らず、患者に怒ったことは一度もない。どうするかは患者が決めるべきことと思っているからだ。外国人に限らないが、中には僕がこうしたほうがいいですよと提示した案をやんわり拒否する人もいる。それはそれで患者の人権であるからして怒る理由がない。将来を心配することはあるが。奥さんのほうは中性脂肪が238、中性脂肪を下げる薬を内服しているのに。再び、フィリピン人スタッフによると「なんでもおいしい、食べるのがやめられない」のだそうだ。とくにコメがおいしくてやめられないとのこと、そういえばフィリピン人患者からはよく日本のコメがおいしくてたまらないと聞く。今まで、彼らの食事指導を僕だけじゃなくて、管理栄養士にもお願いしてきたのに・・・あれは何だったのだろう? 無駄な努力に終わったのかと思うと疲労感が増す。午後になってラオス人女性から近くの公立病院で行ったCT検査の結果の問い合わせの電話あり。常にがんのことを心配していて、この2年ぐらい、神奈川県内の遠方からときどきやってくる。大きな異状はないと話すととりあえず、ほっとした様子だった。
  • 2017/3/10 9:00
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7日の火曜は落ち着いた一日だった。ご主人の転勤で退職する職員と新たに雇用した職員がいて、昼休みはクリニック始まって以来、カギをかけ、電話にも出ないということにして歓送迎会を近くのレストランで行った。二人とも小さいお子さんがいて、なかなか夜に行うわけにもいかないので。午前中はフィリピン人男性ひとり、健診のために採血。午後からはフィリピン人男性がひとり、ペルー人女性がひとり。1か月ほど前に日経メディカル オンラインに依頼された外国人診療に関する月一回5千字の原稿、一回分書いてみて、なかなかむずかしいとわかった。あることについてだけ5千字の原稿というのはへたをすると間延びすぎる。写真や図が入るわけではないので、5千字はすべて文字で埋めなくてはならない。今、頭には2つ程度、題材がある。4月からの連載ということなので、がんばって今月中に書いてしまわなくては。それにしても別の雑誌社から依頼された外国人医療に関する1年分の原稿を書き上げてしまっておいてよかったとつくづく思った。
  • 2017/3/9 0:00
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発熱して先週の木曜から休んでもらっていたフィリピン人スタッフが月曜のきのう、元気に出勤してきた。彼女が休んでいる間、フィリピン人患者が異様に少なかったので、彼女が操作しているか、フィリピン人患者たちが日ごろからいつ受診したら彼女がいるのかなど彼女に問い合わせしているのではないか?と推察していたのだが・・・尋ねてみたら、「そんなことありませんよ、休み中に連絡してきたのはたった一人で、具合が悪そうだったので、私がいなくても早く行きなさいと言いました」という返事だったのだが・・・きのうは僕の診察を受けた外国人は13人、そのうちフィリピン人が8人もいた。彼女が発熱して休んでいるという事実がどこからかフィリピン人コミュニティに拡散していたにちがいないとますます確信するに至った。でもそうであれば、フィリピン人コミュニティに情報を流すことも比較的簡単にできるのではないかと考えた。フィリピン人8名のほかはペルー人が2名、アメリカ人、タイ人、韓国人が1名ずつ。フィリピン人女性35歳、会社で行う健診を受けることができず、かわりに健診を受けてきなさいという会社の指示で午前の終わりに来院。ごはんを食べてこなかったのはよかったのだが・・・どのような健診内容なのかという用紙を持ってくるのを忘れたために、値段を聞かれても項目がわからないので答えられず。採血があるかないかさえわからない。とりあえず、空腹時の採血と検尿だけしておいて、午後から会社から配られた健診の用紙を持ってきてもらうことにした。午後4時ごろ、来院。やはり採血はあった。
  • 2017/3/7 9:00
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おとといの土曜日は外国人患者はわずかに8人、それにいつもなら一番多いはずのフィリピン人がたったの2人、一人は花粉症がひどくなった女性、もうひとりはお子さんの風邪ひき。やはり土曜まで休んでいたフィリピン人スタッフが操作をしている・・・というか、フィリピン人患者が彼女を頼っていて、やってくる前には彼女に連絡をして彼女がいるかいないかを確認しているのだろうと確信するに至った。プライバシィの時間にまで電話をされてしまうのは面倒だろうし、仕事とオフの区別がつかなくなってしまうので、僕自身は好きではないが、そこまでするから信用度があがるのだろう。こういうスタッフを持ったことを幸せに思わなければいけないとつくづく思った。ペルー人のご夫婦はいつもの診察と奥さんの風邪ひき。花粉症は今まではないというが、発熱もなく、鼻水が多いという症状からはどちらなのかややこしい。ベトナム人男性61歳、高血圧の診療。きちんと内服してくれているようで安心した。
  • 2017/3/6 9:00
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クリニックのフィリピン人通訳が突然の発熱、元気になったが念のために今日まで休んでもらっている。彼女がいないとわかることは外国人が受付に来ていろいろとリクエストをすると、それが直接僕のところに来るということ、そしてフィリピン人患者が皆一様に彼女を探すということだ。とくに英語がうまく理解できない、話せないというフィリピン人では顕著だ。こんなに頼られているのだなとつくづく思い知らされる。彼女の性格によるのだろうが、いいスタッフがいてくれているうれしさを感じた。ペルー人女性48歳、高血圧で通院しはじめてすでに10年以上経過している。患者が少なく、すいていたのでよもやま話などした。男のお子さんを一人で育てていた記憶があるので、尋ねたらもう大学生だそうだ。東京の某私立大学に通っていて今度は2年生になるとのこと、ああ、がんばったのだなと思った。がんばったのだなと思ったのは息子さんのことではなく、彼女のことだ。大学の入学金、授業料は安くはないはずだ。それをひとりで働いて払っているのだから。そういえば先月来た時だったか、5種類処方していた薬のうち、血圧と中性脂肪の薬だけでいい、胃の薬などほかはいらないと言ったことを思い出した。どうして?と尋ねたら、少し笑いながら「お金がないから」と答えた。以前は自分のこどもが中学または高校を卒業するとすぐに働かせる南米出身の親が多かった。もしかしたらこどもの希望でもあったのかもしれないが・・・長い時間を経て、すでに南米ではなく、日本で生きていくことを決めた人たちは、こどもが日本でいい生活をするにはまずは大学を出なくては・・と気付いたのだと思う。彼女に限らず、こどもを大学まであげる南米出身の親が明らかに多くなってきた。幼い鳥をかばう親鳥のように、必死に働く姿にときに感動する。僕がしてさしあげられることは、その親鳥が病に倒れないように支えてあげることだけだろう。
  • 2017/3/4 9:00
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今はもう31歳を過ぎた息子と30歳まであと3週間を切った娘の子育てをしていたころ、
相談されたときにはすでに選択肢がなくなっていて・・・・もっと早く言ってくれたらほかの選択肢もあったのに、この忙しい身なのに・・、でもこどもにむかって「真剣に」怒るわけにもいかず、いらいらしたことがあったような記憶がある。そんな気持ちを思い出すような相談がAMDA国際医療情報センターに寄せられた。フィリピン人の女性が臨月なのだが、一度も妊婦健診を受けておらず、ビザも切れていて、公的保険にも加入しておらず、受け入れてくれる病院が見つからないというのだ。某役所からの相談なので内容にはまちがいがないと思う。自宅出産かどこかの医療機関に「飛び込み出産」をするかもしれないと相談者は続けたらしいが・・・なんでこんなことになっちゃったの?とまずは言いたい。AMDA国際医療情報センターの理事長としてではなく、一人の医師として状況を考えた場合、受け入れない産婦人科を非難することなど到底できない。産婦人科はそうでなくても訴訟がもっとも多い診療科であって、このように妊娠の経過もなんにもわからないお産を突然受け入れろということは危険に身をさらせと言っていることにほかならない。こうなってしまってはだれかが受け入れざるをえないのだろうが、その「だれか」にとっては降ってわいたような災難であるにちがいない。僕自身も突然、臨月に近いフィリピン人女性がやってきて、お産を受け入れてくれる医療機関を探してくれと言われたことがある。
少々腹がたったが、それでは何も解決しない。このようなことがないよう、妊娠したら産婦人科を受診し、母子手帳をもらって・・・と日本での出産に至るシステムを外国人コミュニティの人たちに教えてあげることが手っ取り早いと思う。実際、大和市医師会では僕が経験したこのケースを機会に、医師会として外国人コミュニティに対して通訳付きで日本の医療制度とくに予防接種や妊娠出産について話をしたことがあった。しかし、この相談ケースのようにこれに在留期限切れという要素が加わると、これはもう一医療機関の努力ではいかんともしがたい。
  • 2017/3/3 9:00
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フィリピン人女性53歳、動悸がするし、具合が悪いと来院。11月までの半年間ぐらい、高血圧で降圧剤を処方していた。血圧を測定すると188/120 、つらいはずだ。カルテを見るとアイミクスHを処方して、なんとか130台に抑えていたのに・・もううんざりするぐらい、慢性疾患を抱える人にはいつも話しているのだが・・・高血圧の人なら、降圧剤を内服してよくなって・・・内服を中止したらまたもとの値にはねあがるよと・・・でも明らかに日本人に比較して多くの割合の人がわりと短期間で自己判断で内服をやめてしまう。結果がこうだ。外国人を診るということに関しては言葉の壁や医療費の問題、医療分野の風俗・習慣のちがいなどさまざまな問題がある。僕のクリニックには通訳もいるし、スタッフも5か国語程度の外国語には対応可能で、医療費の問題にしても医療分野の風俗・習慣の問題にしても開業以来27年、これらの問題を乗り越えてきた実績がある。ところが・・この慢性疾患のフォローアップについては、その対象となる外国人患者に対して口をすっぱく・・毎回毎回話をするのだが、結局、いつも同じ。あるとき来なくなってしまい、具合が悪くなるとまたやってくる。理由がわからない。お金の問題があるのか、はたまた基礎教育の欠落なのか? それこそ故国での医療分野の習慣なのか? このフィリピン人女性もまたいつか急に来なくなるような気がしてならない。不思議なのは・・・そういう「慢性疾患で来なくなっても風邪をひいたり・・そういう別の問題が発生するとやってくるということだ。はじめのころは嫌われたのかと思ったけど、そうじゃないらしいとすぐに気がついた。で・・別の問題が発生してやってきたときに・・血圧はどう?と尋ねるとたいてい「うん、今は薬がなくてもだいじょうぶ」とにこにこして答えてくれる。要するに僕の言葉をあまり深く考えていないということなのだろう。
  • 2017/3/2 9:00
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午後になってフィリピン人男性62歳、診察室の入り口から中を除いて、だれもいないとわかるとにこにこしながら入ってきた。後を追いかけるように職員がカルテを持ってきた。「今日、来る気はなかったけど、近くに来たので、この前の血液検査の結果を聞いていこうと思って」と言う。なるほど、結果を聞きにきたので受付を通さずに診察室の僕のところにやってきたのだなとわかった。カルテに貼ってある結果を話すと、ああよかったと出て行った。その後、職員がカルテに記載がないと再度持ってきたが、記録も必要ないし、お金も必要ないと話して、カルテをもとに戻した。フィリピン人女性32歳、5年も前から甲状腺機能亢進症で受診しているのだが・・甲状腺機能を抑える薬をはじめに大量投与し、漸減していき、維持量でフォローアップする、この簡単なことが何度話してもできない。動悸がすると訴える。前回の日付をみると2月10日となっている。しかし・・・よく見ると平成28年の2月10日だ。いつもお子さんの診察に小児科にやってきて待合室にいるのを見ているので、こんなに時間がたっているとは思わなかった。たぶん・・いやまちがいなく、甲状腺機能の亢進がまたおこっているのだろう。たしかに脈拍も早い。人にいやがられるのはこちらもごめんだけど、病気にならぬよう、病気が進まぬよう、言わなければならないことは言わなければならない。「あれほど、ちゃんと内服しないといけないと話したでしょ」「はい」と微笑む彼女、ため息をつきながら甲状腺機能の採血を行って、とりあえずまた、機能を抑える薬を一週間だけ処方した。結果をみてその後を考えるつもり。眼球の突出もさらに進んでいるように思える。怒ってはいけないと思いながら・・・でも笑顔がなかなかつくれない。よくよく考えてみたら、この5年間、こんなことの繰り返しだった。それでもなにかあったらやってくるということは信用はしてくれているのだろう。
  • 2017/2/28 9:00
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