AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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昼前になって医師会より本年度のかながわレッドリボン賞の受賞が決まったと連絡があった。この賞はエイズに関連した賞であり、正直なところ、どんな賞でもいただくことが決まってうれしくないものはない。僕とエイズの関連はやはり外国人医療にもとがある。最初に縁ができてからもう20年近く、いまだに一人一人のケースに悩むことが少なくない。中でも患者の人権に配慮するあまり、患者のパートナーに感染をおこしてしまったケースがその昔にあり、忘れられない。そういうのって、そのパートナーから見たらどうだろう? 人権無視とは言わないのだろうか? この答え、どこで聞いてもエイズ治療の専門家に尋ねてもあいまいな返事しか返ってこない。いま、日本は先進国と言われる国の中では唯一、新規の患者が増え続けている国である。この「人権」を考え直さなければ増加傾向に歯止めがかからないような気がしてならない。こういう世間に対するショック療法も考えられていいのではないだろうか? エイズという病気がカクテル療法の出現などで「死んでしまう」病気ではなくなりつつある現在、こういうことも考えられてしかるべきではないだろうか。ただし、社会の中に病気と患者に対する一層の偏見、差別がなくなることが大前提であろう。話がすこしそれてしまったが、とくに外国人のエイズに関連してがんばってくれているタイ語の通訳の人たちにこの賞を分けてあげたい。
  • 2012/2/24 17:21
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 AMDA国際医療情報センターに寄せられる相談の中には大きな病院のソーシャルワーカーからの相談も多い。内容のほとんどが医療費が支払えきれずに未納になっているか、なりかけており、ソーシャルワーカーとしてはどういう制度というか、何か医療費をひっぱってくる方法がないだろうかというものだ。都内のほぼ全部の大学病院のソーシャルワーカーからこういう相談を受けている。きのうのケースも都内の某大学病院から日本にいる娘を訪ねてやってきた78歳の中国人男性の件であった。こういうケース、日本に留学しているまたは日本人と結婚しているこどもを持つ親の年齢といえば、中には後期高齢者に該当する年齢の人も少なくないだろう。ぜひ故国を出るときに持病の薬を持ってくるとか万全の構えで来てほしい。こういうことは留学生の場合は受け入れ先の学校で、企業で働いている場合は企業のほうでこどもたちである学生や社員に注意をしておく仕組みをつくるべきだ。さらに日本人の伴侶として住んでいる人たちに対しては自治体の広報誌やその地域の国際関係団体などで親の来日時の注意点として情報を流しておかねばならないだろう。そうでないと日本にいるこどもたちにも巨額の医療費の請求書が来ることになる。
 さらに大切なことは外国人受け入れに関して医療機関全体の中でまずは受け入れに伴うリスクなどの諸問題について医師、看護師、事務職、ソーシャルワーカーなどで話し合って、病院内部で医療機関としてのコンセンサスを作り上げておくことである。そうでないとソーシャルワーカーだけが最後にケースを抱えて頭も抱えて、電話をしまくったりすることになる。こういうケースの場合、医師は自分が医学的に良いと思う医療を推し進めてしまうことが多い、その結果として支払えないという状況が生まれてしまう。病はそれを持っている人間がいるわけであって、病だけが一人歩きするわけはないので、病を持っている患者のバックグラウンドにまで配慮した柔軟な医療を行うことが必要だ。こういうことも院内で事前に話し合っておくべきである。個人の医師に任せておくだけでは個人ではだれであっても気がつかないこともある。それで医療費の問題の全てを解決できるとは思わない。しかし医師が医療を開始する時点でこういうバックグラウンドに配慮した医療を考えずに医療費の未納が発生してからソーシャルワーカーに持ち込んでも、もはや解決できる手段はほとんど残されてはいない。そして結局は医療費の未納となって医療機関の経営を圧迫してしまう。ソーシャルワーカーだけをややこしい事例の整理役として孤立させてはいけないのである。続けて言えば、僕なんか参考人として呼ばれたら時間がある時ならいつでも話をするために行ってしまう。
  • 2012/2/23 11:57
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ひさしぶりにかわいい子に会った。正確に表現すると「昔、かわいかった女の子」である。インドシナ難民となって日本にやってきた母親に連れられていっしょに日本に来たのが25年前、当時はまだ2歳だったわけだ。母親はタイの難民キャンプにいたころ、火事で上肢と下肢のおおやけどをしている。その後のケロイド症がひどく、僕が勤務医のころからよく僕の外来に通ってきた。開業したころは4歳、母親についてきては診察が終わると僕の膝に乗っかってきた。同じ難民としてやってきたカンボジア人の女性がひとりまたひとりと再婚していく中で、やはりやけどのことが影響したのか、この子を抱えての母子家庭ままで母親の生活もすこしすさんでいて、この子もおとなしいけど暗い印象だった。どういう大人に育っていくのか、心配ではあった。午後の診察が始まってからしばらくして彼女の名前のカルテが並んだ。番になって名前を呼ぶと健康そうな体格のいい女性が入って来た。思わず、ほんとに○○?と尋ねるとはいと答える。にこにこしていて物腰も柔らかく、話しているうちに本人と確信した。最後に見たのは小学生のころだろう。すくすく育ってくれていてよかった。なんだかうれしい日になった。さらに遅くなってフィリピン人の嵐、続けて6人、みなインフルエンザ。
  • 2012/2/21 15:43
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 とうとう看護師がひとり、インフルエンザA型で倒れてしまった。この時期、職員にはいつもタミフルと検査キットを持たせている。自分で検査したら陽性だったと昨晩電話があった。しかもきょうはものすごい患者の数、昼近くになり、本人から熱も下がったし、みんなに悪いからあすから出てもいいけどどうしましょう?とクリニックに電話があった。当然だが休んでいなさいと指示した。熱が下がってから二日間はまだ他人に感染させてしまうからだ。でもワクチンを接種しておくとこのようにあっというまに治ってしまう。
 とにかくあれやこれやで午前中、忙しかったが、12時近くになってフィリピン人の25歳の女性がやってきた。1週間前から胸が苦しい、胸が痛いのでレントゲン写真を撮ってくれと言う。呼吸音は異常なし、レントゲン写真は異常ないだろうと思ったが、念のため撮影。やはり異常なかった。話を聞くとフィリピン人のだんなさんとは問題はないが、いつもお金に困っているらしい。以前に引っ越し屋さんで働いていたが、いまはやめているということだった。これは自律神経系失調症かと思って話をすすめていくと、どうも彼女の話とかみ合わない。わかったことは引越し屋さんで働いていたころ、まわりの日本人がみなたばこを吸っていて、休憩時間のたびにたばこのにおいに閉口したと言う。彼女はたばこのための症状、もしかしたら肺がんかと思っていたらしい。レントゲンの結果に安心した様子で帰って行った。
  • 2012/2/20 15:35
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一昨日、アンドロイド搭載のタブレットを買った。例のオリンパスでもいよいよ内視鏡撮影用のフィルムの生産をやめるそうで、それに伴ってSDカードに落とす器械にシステムを変更しなければならない。そして診察室で患者に診てもらうためにはそのSDカードをじゅうらいならパソコンに挿入して・・・ということになるのだろうが、机の上で使っているパソコンは既に内容が多く、重くなっていて遅い。そして写真ならタブレットタイプが早くあけられてきれいでいいだろう、おまけに薄型で引き出しにいつもはしまっておけると思い、SDカードスロットのあるものを探した結果、台湾製のASUSの最新型がSONYよりよさそうなので買ってきたというわけだ。簡単にセットアップできるというので買ったのに解説書がペラペラで、あまりにも常識的だから略してあるのだろうか、わかりにくい。解説書に書いてあった無料のサービスセンターがまだあいている時間だったので電話をしてみたら、出てきた男性がなんともとっつきにくい声で、こちらもあせっているせいか、話がかみ合わない。結論から言うとサービスセンターの案内は全く役立たず、なんとか唸りながら30分ほどでできた。大学生のころは秋葉原に行ってステレオのパーツを買い集めながらセットしていたのに、時代にいよいよ振り落とされそうになっている自分が悲しい。そういえば、最近、台湾の入国書類を目にする機会があった。入国理由にチェックをするのだが、その中に「医療」というのがあった。メディカルツーリズムのことだろう。上海や北京、天津などとも市内の松山空港から直行便が飛んでいる台北、大陸のお金持ち集めにこちらも必死なのだろう。
  • 2012/2/20 9:09
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朝出るときに車を見たら屋根に氷、寒いはずだ。10時半ぐらいまでは外国人の姿はなかったが、徐々に増え始め、終わってみたら20人近く、国籍もバラエティに富んでいた。A型インフルエンザからB型インフルエンザに代わってきているみたい。やってきているこどもは軒並みインフルエンザ。欧米人の男性がこどもを連れて現れた。こどもの生みの母は日本人、育ての親はあるアジアの国の女性、そして今はまた別のアジアの国の女性、以前の女性もいまの女性も僕の目からはよく息子の面倒を見ていたように思えるのだが。こどもは日本の公立学校に通っていたが、父親も母親も日本語がよくわからないのでは学校のお知らせなどもうまく伝わらないなんてことがあったのではないだろうか。中学から高校への進学、神奈川でも公立は神奈川方式とかいう選抜方法になっている。神奈川に限らず、他の都道府県でも地域ごとのやり方があるはずだ。日本語のわからない両親が自らそういう情報を求めるほど教育に熱心でなければそういう情報が十分に届かない恐れがある。
けっきょくは高校に進学せずにぶらぶらしているらしい。このこどもが将来、どこでどう生きて行くのか、少なくても人生の出だしは彼の責任ではない。そういうことを強く考えさせられたケースだった。
  • 2012/2/20 9:00
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朝から外国人もインフルエンザでぐったり。タイ人女性、死んじゃうよう、体が痛いと泣いていた。検査したらやはりインフルエンザ、タイ語でいうペン・ワット(風邪)ではなく、カイ・ワット・ヤーイ(インフルエンザのこと、直訳すると「測ったら高熱」)になるのだろうか、死なないからだいじょうぶと話しておいた。昼から往診3人、日本人の高齢の人たち。つい先日、6年ぶりに駐車違反キップをきられた。大田区大森山王の小学校時代の同級生のお母様が具合が悪く、ちょっと診てほしいといわれ、彼の大きな家の門の中に車、2/5ぐらい入れておき、診察が終わってお茶をいだだいて外に出て来てみたら駐車禁止キップ、きられていた。ううっ、なんと言っていいのか。それで大慌てで一度は退会した医療用自動車協会に再加入した。今後、往診を頼まれそうな患者がそれなりの数いそうだから。そして再加入して駐車禁止除外車のマークを社内に置いてはじめての往診がきょうだった。やはり患者の家で診察していても、落ち着いていられる。実は外国人患者もインドシナ難民を中心に高齢者が増えつつある。これ以上、往診が増えませんように、みなさん元気でいてほしい。
  • 2012/2/17 14:39
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寒いと思ったら午前中の終りぐらいから雪、それも湿った雪ではなさそう。積もることはないと思うが寒い。小学校の1年生のころ、いなかの栗山町で冬は片道40分ぐらいかかってスキーで小学校に通っていたこともある。あんな寒いところでいったいどうやって通っていたのか、全く記憶にない。小児科からフィリピン人のこどもの肝臓の超音波検査を頼まれた。こどもというからそのつもりで待っていたら巨大なこども、13歳にしては大きすぎる。所見としてはもう誰が診ても明らかな脂肪肝。将来の肝機能が心配だ。クリニックのフィリピン人の通訳が言うには小さいころから食べるだけ与えてしまっていたらしい。
結果がこれだ。こういうケースは全く珍しくない。南米のこどもたちでもフィリピン人でも・・・・大きいことはいいことだではないといつも口をすっぱくして言うのだが。大きいほうが健康と思うのか・・成人病をせっせとつくっているようなものである。毎年毎年、医師会で外国人向けに勉強会など開催してきたつもりだが、ちっとも理解してもらっていないということだろう、残念だが。今年の外国人の健康啓蒙のための会のテーマはこれで決まりかな。
  • 2012/2/16 14:45
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きょうの午前中は大失敗。混雑の中、タイ人の患者4人来院。3人は特定健診の結果のはず、ひとりは腰痛症。特定健診の結果を通訳付きで説明して部屋の外に送りだしたら・・ひとり、最近になって頭が痛くなると目が見えなくなると前回、訴えた女性が市立病院の脳外科への紹介状が欲しいと言いだした。もう40台の終り彼女が突然片頭痛になるというのも不自然である。片頭痛はだいたいは思春期前後から始まるから。時計を見たら10時半、市立病院の外来受付時間の終りは午前11時のはず。車で運転手つきでやってきたというのであわてて紹介状を書いた。やっとまた送りだしたとおもったら通訳があと2名、同じように頭痛で市立病院で診てほしいとしいと言っているとのこと。外来患者のカルテが並ぶ中、必死にあと2名の紹介状を書いた。書き終わったらもう11時15分前、さらにさらにひとりが風邪をひいているのを言い忘れたと言う。順番を無視して大慌てで診察をして薬を書いて時計を見たら10分前、車で5分だが間に合ったのだろうか? 通訳がいるときはいつもなら順番を待っている間に用件をひとりひとり全部聞いておくのだが、きょうは通訳がやってきたときにはすでに忙しさの真っ最中だった。やはりあわててはいけない。車で運転手つきでやってきたというのは、このタイ人のおばちゃんたちがお金持ちだというわけではない。一般的にタイ人は・・・というか、このあたりに住んでいるタイ人はいなかの出身者が多く、電車での移動が苦手なのだ。それでタイ人で運転免許を持っている人を雇って連れてきてもらう。運転手もおこずかい稼ぎということである。
  • 2012/2/14 13:38
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朝からインフルエンザの患者でごった返している。泣き叫ぶこども、ぐったりするあかちゃん、いらいらして待っている親たち、予防接種をしても罹るときは罹るが可能性は低くなるし、軽く終わる。ぜひ受けておいてほしい。小児科は昼休みの12時になっても10人以上、待っていた。ラオス人のこども、フィリピン人のこども、ペルー人の親子などすごい数、ラオス人のお母さんがこどもの問診で書き込むところが書き込めない、日本語が読めないのだ。事務員が内容を日本語で話しても書けないらしいのが僕の診察室からでもわかる。とうとう部屋から出て行って僕が通訳して書き込んでしまった。医師兼通訳である。最後にタイ語で「このお医者さん好き?」とこどもに尋ねたら、「うん、好き」とラオス語で答えてくれた。うれしいねえ。もっとうれしかったのはラオス人の母親の隣のいすに座っていた日本人の母親が、微笑みながら声をかけていてくれたことだ。いつも思うのだが、日本語が上手な外国人はたくさんいる。上手になってきたら、遠くの僕のクリニックまでやってくる必要は全くない。それでも来てくれるのは一つには昔から罹っているところに行ってしまうという患者心理、もう一つは僕のところは受付の事務員から看護師、そしてこのような日本人の患者まで外国人に慣れていて、外国人がやってきても隣に座っていても日本人患者が違和感を感じないからなのだろうと思う。自分に置き換えればすぐにわかるが、もしあなたが外国に行って具合が悪くなり、病院に行ったら受付でいやな顔をされたり、怪訝な顔をされたり・・・それでもその病院に行き続けるだろうか? きっとそのあたり、人間の尊厳の話だろう。だからうちのスタッフだけじゃなくて、来てくれる日本人の患者にも感謝しなくては。こういう話は外国人患者受け入れのハードの話ではなく、ソフトの話だ。そしてこのソフトの部分がむずかしい。どうか、日本中の病院で、日本中の医療関係者にこのことを考えてもらいたい。
  • 2012/2/13 13:33
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