AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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 土曜日、診察を終えてから近くのフィリピンレストランへ行った。金曜土曜の昼から夜中までの食べ放題を久しぶりに味わいつつ、9月11日日曜日に大和市医師会が行う外国籍市民向けの医療啓蒙活動についてのポスターをレストランの中に貼ってもらうためだ。このところ忙しくてなかなか行く機会がなかったが、1時半頃行ったのに料理もできていないし、客がひとりもいない。別の駅の近くにできたフィリピンレストランに人が殺到していると聞いたので、その影響なのか。近日中にはそちらにもポスターを貼りに行く。味など確かめてきたい。ときどき外国人医療がらみの原稿を頼まれるのだが、ないときは全くなく、ある時はなぜかいくつか重なってしまう。昨年11月、母の病状がいよいよ怪しくなり始め、入院している病院に毎日通いはじめたころ、原稿を4つ依頼され、もっとも長いものは8千字ぐらいだったと記憶している。一度は断ったが、編集者におだてられ結局引き受けてしまった。今回も数か月ないと思ったら数日間に3つ依頼された。一つはおととい片付け、一つはいま日曜の早朝、書き上げた。もうひとつは本を読んでの批評を書いてほしいということなのでまずは送ってもらった本を読まねばならない。だから残る2つの原稿を早く書き上げたのだが。ところで医療に関してはいつもインフォームド・コンセントが足りないとか批判を受ける。僕もこれは正当な批判と思うのだが、ほかの業界はどうなのだろう? 原稿を依頼されたり、講演や講義を依頼されても「謝礼はこうなっています」と最初に説明を受けた記憶はあまりない。人の批判はしても自分のことは気づかないのだろう。もちろん謝礼の多少で引き受けたり拒否したりするわけではないが、シンフォームド・コンセントが社会に必要であるというなら、まずは自らが実践すべきであろう。
  • 2011/8/28 9:00
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そろそろ学校が始まるようだ。どこかに遊びに行っていた子供たちも帰ってきたのか、外国籍のこどもたちや母親の受診が多い。国籍もペルー、フィリピン、パキスタン、インド、ブラジルとさまざまだ。こういうこどもたちやその親に適切な医療情報が届くように役所は配慮してほしい。おとなのほうは珍しく静かな日だ。朝、診察開始する前に注腸検査を施行した。特定健診、肺がん検診期間中なので、長時間レントゲン室を使う注腸検査は診察が始まってからはやりにくいので苦肉の策、その後、診察しながら内視鏡検査をふたり。おとなの外国人患者はフィリピン人の高血圧とペルー人のがん検診のみ。きのう、近くのこども英語教室で働いているアリゾナ出身という24歳のアメリカ人がやってきた。日本にやってきて1年程度なのに日本語がすごく上手。若いからといえばそれまでだが、たぶん適応があるのだろう。僕なんかもアジアに関しては適応があるほうだと思う。過去を振り返るとインドシナ難民はじめ、日系南米人など家族としてやってきた人たちというか、やむをえずについてきたという人たちの間に精神的に参ってしまう人が多かった。これって田舎に住んでいて、高齢になってきたからと都会に住む子供たちに引き取られるという今の日本にどこにでもころがっているようなケースとよく似ている。自分が今まですごしてきた友人やコミュニティなどから自分の意に反して切り離されてしまうと人間、弱いものらしい。こうして見ると外国人の医療も日本人の医療も要は人間を診る医療なわけで同じということなのだろう。診察していても、このあたりになにか原因があるのだろうかと推測すると、その次は家族関係にも切り込まねばならない、面倒といえば面倒だが。面倒では終わらすことができないのが医療だ。
  • 2011/8/27 12:30
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昨日、県医師会の会長会の議題の中に神奈川県の医療のグランドデザイン策定プロジェクトチームの検討の報告があり、検討の視点が書き連ねてあった。新知事になっての目玉商品だと思うが、項目はありとあらゆる分野に及んでおり、神奈川県の医療がよくなることについて異論をはさむものはいないだろう。16番の国際医療交流という項目に「外国人患者の受け入れ促進」という文字があった。解説してくれた県医師会の担当者の話を聞いているとメディカルツーリズムという単語が出てきたので、これはどうやら外国人に「わざわざ」日本に来てもらって検査・治療を受けてもらおうという趣旨らしい。このグランドデザインが「日本一の医療県神奈川をつくる」というなら、まず考えるべきはこの神奈川県にいま住んでいる外国籍の人たちの医療ではないだろうか。それぐらい外国籍の人たちに適切な医療が提供されているとは思えない。医療機関や行政が彼らを差別するという意図を持って差別しているとは決して思わない。しかし彼らの存在に行政までもが無関心であるために結果的に差別されるという事態にずっとある。世の中、多数派に属する人たちが自分たちとはちがう少数派の人がいるということをことさら意識しなければ、少数派を切り捨てる社会になってしまう。神奈川県が「世界から外国人患者を受け入れよう」というのは結局は自費診療で高い医療費をもらうことにつながるわけで、それは経済的な面からは医療機関や外国人にかかわる分野の会社などに利益をもたらすことだろう。しかしそれが「日本一の医療県神奈川」ということになるのだろうか? 僕は地域の住民である外国籍住民の健康に目をやらない医療の国際化など「日本一の医療を享受できる県、神奈川」とは何の関係もないと思う。悲しいことだ。小さな声がやっぱり届かない。それともこれは「日本一の医療で患者とお金を呼び寄せる県、神奈川」ということなのだろうか? 新しい知事の門出に皮肉るわけじゃないが、医療の狭間に捨て置かれている人たちのことをまず考えてほしい。
  • 2011/8/26 8:59
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きのう、神奈川県下の看護教員の集まりで講演させてもらってきた。外国人医療、すなわち内なる国際医療もいよいよここまで裾野が広がってきたのかと思った。ぜひ教育現場に戻って学生に伝えていただきたいと思って講義したが、経験なく観念の中で学生に伝えるのは大変だろう。なにかお手伝いできることがあればさせていただきたい。思い返せば22年前に開業するとき、当時の大和市立病院の副院長に外国人も地域住民として日本人と いっしょに診察するクリニックをつくるから開業したいと言ったら、一家で路頭に迷うからやめろと言われた。大和市立病院で診ている患者はひとりたりとも連れて行ってはいけないと言われた。いやみだなと思ったが、あれはひょっとしたら僕を引きとめたかったからなのか。いずれにしても少子高齢化に伴って景気が悪かろうと外国人を労働者として受け入れざるをえないのが今の日本だ。留学生の数を増やそうというのも労働力の卵としてだろう。いずれにしても22年前の僕は将来を見る力があったということなのかもしれない。
昨日、首都圏以外のある県の病院協会からAMDA国際医療情報センターに通訳できる言語、時間の問い合わせがあった。こういう団体から問い合わせいただくのはありがたい。最近、医療通訳について雨後のタケノコほどではないが、株式会社で参入しているところがある。パンフレットも一部見たが今の医療機関は疲弊している。新しい機械のリース料金や職員給与、上がらぬ診療報酬、いまは東日本大震災に関連してもし消費税率上げなどということになったら、薬など買う時には消費税付きで買わされ、保険診療でその薬剤を使う時には患者に消費税を転嫁できない我々医療機関は倒産の危機である。こういう状況の中で株式会社が事業として進められるほど、医療通訳に医療機関がお金をかけるだろうか? というのが医療の現場にいる者としての感想だ。きょうは午後から県下の会長会、診察は午前で終り。
  • 2011/8/25 8:57
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そうそう、きのうの朝8時半ごろ、まだ診察を始める前だった。事務員が「先生、この間、避妊の棒を取りたいからどこか紹介してほしいという人からまた電話です、代わってもらえますか?」と言うので、いいよとまわしてもらった。数日前に書いたとおり、電話は長野県の松本からだった。僕にAMDA国際医療情報センターを紹介されて電話して医療機関を紹介してもらったのだが、いずれのところでもわけを話すと「そんな知らない物は取れない」と拒否されたとのことだった。あれは上腕の皮下に方に向かって扇が開いたように合成樹脂の棒が5本か6本程度埋め込まれているので、扇のかなめにあたる部分に局所麻酔をして切開を加えるとものの五分で終わってしまうような手術だ。僕も初めてのときには戸惑ったが、一度やればどうってことはない手技だ。いまはいかに小さな傷で取り出せないかということに関心がある。けっきょくこの方は9月16日の午後に長野県の松本から神奈川県の大和までやってきたいと言いだすので、申し訳ないと断ろうとしたら遠くてもいいからと言われて予約を入れてくれた。しかし・・・ちょっとひどいんじゃないだろうか。ものの5分のために長野県の松本から旅費と時間をかけてここまで来なければできないことじゃない。もうすこし積極的になってほしかった、先生方には。そもそもどうして僕のクリニックに電話をしてきたのかと尋ねたら、親戚の人が僕に同じものを取ってもらったからと言っていた。今まで摘出したのは10人程度かなあ、静岡、山梨、栃木の遠い人がいた。こういうことを新聞やテレビで紹介してもらいたいものだ。
  • 2011/8/24 12:00
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朝から大忙し。健診予約がたくさんのところに内視鏡検査、ラオス人、日本人、ここにひとりきのう割り込んだタイ人、内視鏡検査の結果は多発性の胃潰瘍、やっぱり早く検査してあげてよかった。そして検査を受けたラオス人に付いてきたお友達のラオス人が、私も検査したいと突然大和市からのチケットを取り出した。特定健診に乳がん健診、肺がん健診まではなんとか終えたところで、せっかく食べてこなかったので胃がん健診―胃の内視鏡検査も受けるつもりで来ているという。ここで絶句したが・・がんばった。午前の診察が終わったのが午後の1時近く。きょうは医師会事務で業者がやってきてテレビ会議システムを見る予定だったが、ごはんも食べずに駆けつけてようやく間に合った。つらくなかったから胃の内視鏡ここでやってなどと褒められるとつい情にほだされてやってしまう。午後になってタイ人中年女性、不整脈が出ると来院。心電図ではいま出ていないし、座った時や夜寝ようとすると出るらしい。なにか悩みがあるの?と尋ねると大粒の涙、知っている女性だがいつも外で見る彼女とは顔つきがちがう。鋭いというか怖い顔。心配事があるという。寝られないとも言うので、こういう安静時に出る不整脈はむしろ心配ないよと話し、眠剤と軽い安定剤を処方した。
 昼休みに薬の卸の会社に医師会に来てもらった。どうも今年度から小児に対するインフルエンザの予防接種の接種量が増えることになったらしい。医師会に話してくれたら医師会から各医師会員の医療機関に連絡を流すのに、卸の担当者が先に医療機関を訪れて、医師に話してしまったらしく、不安に思った医師会員から医師会に問い合わせが来てしまった。厚労省の指示なのだが、どういう理由で増量になったのかその医学的証拠はなになのか?では昨年までは何だったのか、まだ説明がない。患者に説明義務がある現場の医師はこれではたまらない。
  • 2011/8/23 15:50
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きのうは朝からクリニックのエアコンディションの入れ替えで業者が工事、鍵の開け閉めなどあり、ずっとクリニックにいた。日曜だというのに悲しい日曜だ。夕方、午後5時から田園調布のうなぎ屋で東京に来てからの小学校の同級生7人と会った。何年経っても、何十年経ってもすぐに小学生のころに戻れる。だれも先生と呼ばずに名前で呼んでくれる。この仲間は1年に2回程度、誰からともなく集まっているのだが、いつまでもみんな元気でいてほしい。可笑しいのはあのころ、手のつけられなかった悪ガキがみんなそれなりにがんばって働いているということだ。だからよく診察にやってくるお母さん方で「うちの子はちょっと・・・」とおっしゃる方には彼らの話をしている。心配しなくていいよ、みんな普通になるのと。彼らには申し訳ないが。朝から保険を持っていない外国人が続く。理由もさまざまだが。ここのところ、AMDA国際医療情報センターへの相談の中に保険のない外国人が医療費を支払えなくて・・という医療機関や外国人の家族、支援者らしき人たちからの相談が目立つ。きょうのフィリピン人もそうだったが、大きな病で入院したり、手術ということになったらどうするつもりだろう。私が面倒みますと大見えを切っている妹が本当に全部面倒見られるのか? 他人の好意をあてにしての綱渡りはしてほしくない。あてにされる医療機関はたまったものではない。昼前にタイ人来院。胃が空腹時に痛いそうで、「あしたは休みとった」そうで明日は既に内視鏡検査がふたり入っていたけど強引に入られてしまった。僕が彼らを甘やかせているのだろうか? この日に・・・と彼が言う日にしてあげないと今度はいつになるかわからない。予約制であることを話しながら入れた。ああ、あしたもまた午前中、診察しながら内視鏡3人。
  • 2011/8/22 14:00
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20日、診察が終わってから9月11日の大和市医師会主催の外国籍市民のための医療活動について、僕と外国籍市民数人との話し合いを持った。僕らの気持ちだけでなく、彼らも何を知りたいのか聞いておきたい。そうじゃないと日本人サイドのひとりよがりの会になりかねない。話し合っておおよその進め方が見えてきた。午後5時から初めてまずは会場に入っていくと予防接種、特定健診、がん検診についての各国語翻訳版のちらしを置いておく。市役所の担当者から市内の放射線測定の場所と結果についての説明、さらに医師会側から現在の放射線での健康被害があるかないかの話、ここからメインの会場では一品持ち寄ってのパーテイをしながら各科の医師による健康相談と外国籍の人たちから日本の病院、クリニックについての質問、どうして日本の病院に行くとどうしてこうするのだろう?というような疑問がたくさんあるそうだ。これはけっこう医療従事者の我々にとっても役立つ。
 そしてサイドの会場では市内のおばちゃまたちによる和食の料理教室の開催を企てていた。ところが19日になってこのおばちゃまから「せんせい、やっぱりできないわ、私」という電話があった。ここでああそうですかと言ってはもとの黙阿弥なので「○○さん、待ってますよ、1時半だよ、1時半」と言って一方的に電話を切った。きょうの準備会、彼女が現れないまま開始したが、20分もしたころに「やっぱり先生の顔見て断らなくちゃ」とやってきてくれた。すると外国籍の女性たちが豆腐料理は・・とかおつけものは・・とか我先にあれが知りたい、これが知りたいと彼女に話しかけ、彼女もあれはね・・これはね・・・と答えてくれた。気がついたら料理教室の開催が決まっていた。よかった。彼女のゲートボール仲間も来てもらうつもりだ。大和に住んでいてよかったとみんなに言ってほしい。きっといい会になるにちがいない。
  • 2011/8/21 9:00
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皮下挿入型の避妊薬を摘出したいが紹介してほしいという電話が長野県からあった。摘出してほしい人はスペイン語を使う人のようだ。いつも不思議なのだが、どうして地域の医療機関の外科医が摘出に躊躇するのだろう? あれは合成樹脂の弾力ある細い棒が数本、上腕の内側の柔らかい部分の皮下に数本が扇形に埋め込まれていて、棒の中の白色の薬剤がゆっくりと溶けて体に吸収されて避妊の役割をなすものだ。欧米、アジアでもタイなどではよく使われている。日本では保険診療では許可されておらず、日本人の医者にとっては「未経験」ゾーンの代物だ。だから取ってくれと言われてもよくわからないものを取っていいのかどうか迷うのかもしれない。肩に向かって扇形に挿入されているので扇の部分に局所麻酔を行って切開を加えるとものの数分で摘出できる。たったこれだけで僕のクリニックに静岡や栃木、山梨からやってきた南米の人たちがいる。交通費と時間を考えたらほんとにかわいそうになってしまう。近くの産婦人科の先生からブラジル人の女性が卵巣のう腫なのだが内視鏡手術ができてブラジル語またはスペイン語で対応できる医療機関を教えてほしいという電話があり、こちらはAMDA国際医療情報センターに問い合わせてくれるよう、電話番号を伝えた。きのうといい、なんだか僕自身がお助け機関のようになってしまっている。日本人の男性、真っ赤な血尿が出たと真っ青になってやってきた。いかつい大男だ。ついてきた奥さんはフィリピン人、だんなさんが病院嫌い、医者が怖いということでついてこないと受診しないで帰ってきてしまうのが心配でいっしょに来たと話してくれた。いろいろと話を聞いて、やはり泌尿器科を紹介すべきと開業医仲間に電話して話を始めたら、患者が突然、「あっ先生、すみません、血尿じゃなくて血便です」とのこと。あわてていたということだが、こちらもこんなこと初めてで驚いた。泌尿器科医にはわけを話して電話を切った。
  • 2011/8/20 9:00
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 けっきょくきのうは小児科も合わせて15人の外国人の患者来院。国籍はペルー、タイ、フィリピン、韓国、ブラジル、パラグァイ、パキスタンと7カ国、バラエティに富んでいる。午後になって関東地方のある大学病院のソーシャルワーカーを名乗る方から電話があった。外国人患者のことで聞きたいと言っているけどどうしましょうと受付が聞くので、つないでもらった。お子さんが日本にいる中国人の方が観光OR短期滞在でやってきて、ペースメーカーを入れる状況になってしまったが医療費はどうなるのでしょうという質問だった。本来、こういう質問は私のクリニックではあまり受けない。長電話になると診察中の患者をお待たせして申し訳ない事態になったり、クリニックに電話してくる患者のじゃまになってしまうからだ。AMDA国際医療情報センターの電話番号を紹介するのが通例なのだが、たまたまそのときは患者が一瞬途切れたのと声の調子から相当に困っているのだろうと思い、そのまま受けてしまった。お子さんは社会保険―今でいう協会健保に入っているそうなので長期滞在して企業で働いているのだろう。お子さんがまず自分の協会健保の家族として入れようとしたら断わられたそうだ。やむをえまい。日頃から皆で掛け金を支払い、病気の時にはそれで医療費の7割を負担しようというのが日本の皆保険制度の骨子だ。かわいそうとは思うが、ここに突然やってきて大きいお金を支出させ、元気になったらまた国に帰っていくというのでは困った時だけのおいしいどこ取りのつまみ食いと同じだ。こういうことをしていったら日本の皆保険制度などあすにでも崩壊してしまう。だからといって病気になったあとで加入する民間保険などないだろう。今からではもう遅いが、こういうことがあるから自分の国を出てくるときに旅行保険などの民間保険に加入してきてほしい。各地の国際交流協会など地域の外国人に常日頃、接している団体、個人はぜひ外国人の方々に伝えてほしい、外国人の伴侶を持っている日本人に伝えてほしい。自費で支払えということになったら困るのは肩代わりさせられるであろう親族や伴侶などの立場の人たちなのだから。
 この医療機関に残された手段は限られている。生活保護も行旅法も使えないから、もしペースメーカーを埋め込む前なら可能なら急いで帰国してもらうことー日本と中国の時間的距離を考えたら不可能な話ではないと思う。羽田―上海なら2時間ちょっと、北京でも3時間半ぐらいだろう。お金はないから支払えないし、でもその病気の家族を日本においてほしいというのはちょっとどうかなって思う。もしペースメーカーを埋め込んでしまったなら自費で分割で確実に支払ってもらうことだろう。僕がいつも心配するのはここで未納金が発生すると、「じゃ、もう外国人を診るのはやめようか」という医療機関が現れることだ。医は仁術といわれるが、それでも僕ら経営者は職員に給与を支払わねばならない。いま、医療機関の経営は厳しい。診療報酬はほとんど横ばい、合理化をしても職員給与にまで踏み込むと職員、とくに医療職が集まらず、医療の質が下がってしまう。それどころか入院施設を持ったところなら病棟閉鎖に追い込まれかねない。ぎりぎりの経営をしている。そういう状況で入ってくる物が入らなくて出て行くものは出て行くとしたら、それは経営危機につながる。これでは経営者としては失格であろう。
  • 2011/8/19 8:55
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