AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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なにしろ団体旅行したことなど記憶にないぐらい昔の事、おみやげもの屋に連れて行かれるのもあまり記憶がない。ガイドの話では香港も景気が悪く、ここ数年前年の経済を下回って最悪を更新しつづけているそうだ。泊まった高層ホテルから見ていると理解不能に近い話なのだが、きのう日本人相手のおみやげもの屋に連れて行かれた時、シヤッターが下りっぱなしの商店をいやというほど見た。場所は昔の空港の付かく、九龍城の近くだ。富は一部の産業を率いる一部の人たちにだけ還流されているということなのだろう。失業率も4%を超えるそうだ。ちり一つ落ちていない道路を通ってホテルに戻るとホテルの入り口、ロビーに置いてあるオブジェをいやでも見なくてはならない。軍服に似た服装の兵士かなあ、手に赤旗を掲げた大きなものだ。香港は変わったと思わせる瞬間だ。きょう、団体旅行の皆さんの乗る飛行機とは別便に乗るため、観光に行く彼らを送り出してから一人でチェックアウトしてタクシーで九龍駅に向かった。途中ネイザンロードを横切ってさらに小さな路地を横切った瞬間、この路地に沿って無数の現地の生活用の屋台が出ているのが見えた。喧騒と活気、懐かしいアジアの姿だ。人間は突然変わることなどできない。最後にいいものを見た。
  • 2011/10/11 10:21
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久しぶりに香港で目覚めた。昨日、午後4時半発のキャセイパシフックに乗った。羽田での搭乗の時のことだ。僕は今回、エコノミーに乗ったが、この便がJALとの共同運航便だったのでワンワールドエメラルド会員の僕もファースト・ビジネスの優先搭乗に並ぶことができた。15時45分から優先搭乗が始まるとアナウンスがある。優先搭乗はまずは身体に障害を抱える方や妊婦、小さなお子さんを連れた方から始まる。車イスに乗った方や視力の落ちている方が支援の人たちと出かける団体旅行があったようだ。たぶん10組に近いそういう方たちが乗り始めた。このグループにはツアーコンダクターらしき女性がいたのだが、彼女の仕切りが悪くて一組乗ったと思ったらキャセイの地上係員がまた一組を探してきて乗ってもらうというようなことが続いた。旅慣れていない彼らを非難することはむずかしいかもしれない。そうこうしているうちに時間は4時をすぎ、僕の並んでいるファースト・ビジネスの優先搭乗の列も長蛇の人だかりになってしまった。ところが地上係員は3人も4人もいるのにあちらこちらと飛び回り、誰一人として並んでいる搭乗客に「なぜ優先搭乗開始が遅れているかについて」の説明しようとしない。とうとう先頭の欧米人男性が怒り始めた。やっと始まったと思ったら僕のような当日ビジネスやファーストには乗らないワンワールドの上級会員やキャセイ・パシィフックのマルコポーロ会員が「あなた方は搭乗を待ってくれ」と列からはじき出された。これには別の欧米人男性が怒り始める。混乱をしないためにと係員は説明したが、これはこれらの会員に提供するサービスプログラムに違反する。要するに地上係員の彼女たちは誰一人として目の前に並んでいる搭乗客には目が行かず、頭がまわらず、目の前のパソコンの画面ばかり見てり、あっこっちは走り回っている。そのために今の事態を声に出して客に説明するといういろはのいの字が抜けているのだ。愉快ではもちろんなかったが、一つの会社のミスを言いたいために書いたわけじゃない。これって電子カルテを導入した医療機関での出来事に似ている。医師は目の前の電子カルテの作成に追われ、目の前に座っている患者との会話、診察がおろそかになることがある。結果的に説明責任がなされない。患者から苦情が出る。苦情の内容についてはもちろん頭ではわかっていても、「ああこういうことなのか」と思い知らされた一件だった。
  • 2011/10/11 9:10
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きょうは診察を終えてから羽田へ、そして香港へ。医師会旅行に参加のため。僕以外の参加者は朝からバスで出かけて行った。顔ぶれをみると勤務医会員やその家族、リタイアしたりもう「代りのいる」先生方が多く、そうでもなければ、風邪のはやり始めのこの時期、休診にして出かける勇気はあるまい。本当は僕も行くたくなかったのだが、というよりどうせ行くなら別に行かなければならないところがあったのだが、執行部で誰も参加しないというのはないよねという先輩方の脅しに屈して僕だけが人質のように香港に行くことになってしまった。朝、彼らのバスを中央林間駅で見送ってから自分のクリニックにやってきたわけだが、やはり外国人の患者、とくに小児科が多い。風邪や喘息だ。とくに土曜日は4時間という診療時間の割に外国人の患者が多い曜日なのだが、きょうは特に多い。平日休めないという人たちが多く、初診の患者も多いからだ。きょうのこの混雑を見ていて、今日の診察を休診にして朝から出かけなくて本当によかったと思った。きょう不思議だったのはベトナム人の患者が多かったこと。通訳がやってくるのは来週の土曜日なのだが、来週の土曜を待てなかったということだろう。
  • 2011/10/11 9:08
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風邪がはやり始めるこの時期になると思いだす。外国人患者に限らないが、診断書を書いてほしいという要望が多くなる。職場を病気で休んでしまい、さらに休もうとすると当然だが、会社からそれ以上休むなら病院を受診して休みが必要という診断書をもらってこいと言われる事態になるのだろう。この診断書が曲者で「○○日から具合が悪かったと書いてくれ」と言われても証拠がない。粘られても「本人がそう言っております」としか書きようがない。また実際に診察すると、「どうしてこれで休みが必要なの?」と思うことも少なくない。そういう時に「休みが医学的に必要です」とは書けない。だから「本人が働けないと言っている」と書くことになる。僕が心配するのはこんなに休んで会社を首にならないかということだ。6年ぐらい前だったか、公立学校の先生から同校の英会話の先生が休みすぎたが、医師の診断書があれば何とか処理できるので書いてほしいという依頼があった。これは違法なのでお断りした。はっきり言うと、こんなことまで医療機関や医師に責任を持たせないでほしい。いずれにしても「すぐに休みたがる」外国人が少なくなく、僕がいつも思うのは、彼らを雇っている中小企業の社長、職場の同僚は大変だろうということだ。。ところが昨日やってきたフィリピン人女性、風邪だがすでに病状はピークを超えている。診察を終えたところで「会社に・・・」と言いかけたので、会社に提出する診断書を書いてほしい、休みたいから・・と言うのかと思ったら・・わが耳を疑った。「会社に行ってもいいですか? 私の代りがいないの」。みんな苦労して日本人的感覚を学んでいるのだなと思った。
  • 2011/10/7 8:57
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昼休み直前になってエイズ拠点病院に紹介した患者が日本人とのハーフのこどもを連れてやってきた。逆算すると彼女が生まれた前後に感染した疑いが強いので、こどもさんの血液検査も必要だと話しておいたからだろう。こどもはまだ8歳だから、もちろんどうして採血するのかなどということはわからないにちがいない。けなげな子で採血してもじっとがまんして泣かなかった。即日検査法で調べた結果は陰性、よかった。その国の言葉で「心配ない結果だ」と話すと小さな手を合わせてワイをして「お医者さん、ありがとう」と言ってくれた。この子の幸せを祈らずにいられない。きょうは風邪気味、薬の副作用で眠い。
  • 2011/10/6 14:58
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めっきり寒くなってしまって僕も一昨日からのどが痛い。朝起きてみたら痛みはだいぶよくなってきた。まあこの程度で治るならよしとしなければならないだろう。最近、僕が親しくしてもらっているタイのバンコック病院が日本のいくつかの病院と提携したと聞いた。このバンコック病院は巨大病院グループであって、その心臓部はペッブリーというところにあり、一般病院、心臓センター、リハビリテーション病院、外国人病院、ほんの少し離れて歯科病院を抱えている。医療のレベルも医療費も一流である。さらにバンコック市内には同じグループに属するスミスベート病院、バンコックナーシングホスピタルがあり、プーケットやパタヤなどの世界的観光地だけでなく、いくつかの国内都市に、さらにはカンボジアのシェムリアップなどに病院を持っている。理事長先生は華僑系いわゆる潮州系タイ人であるが、とてもいい方である。この病院が日本の医療機関と提携した理由を推察してみた。理由の一つは同病院が同じ私立のバムンラード病院と並んで日本語を話す医師、看護師、通訳をそろえてバンコックにおける邦人診療の中心だからだろうと思う。観光客や海外勤務の日本人がタイと日本を行き来することに伴って診療情報の提供や診療の継続性が求められるケースも急増しているのだろう。ただし、たとえ日本のいくつかの医療機関と提携しても帰国した患者が遠距離を通院できるわけではないだろうし、入院してしまっても看病する家族も困ってしまうだろう。第一、ただ患者を日本の医療機関に紹介するだけなら患者本人や家族の方から居住地の近くの医療機関または日本で通院している医療機関を聞きだして、そこに紹介状を書けばいいだけだ。僕はもう一つの理由があると思う。たぶんバンコック病院の狙いは日本からのメディカルツーリズムだと思う。いま、円高だけではなく、タイでもドルに対してバーツが上がっている。ユーロも安くなっている。同病院では積極的に外国人の健康診断、いわゆる人間ドックなど受け入れているが、欧米からやってきて健診や治療を受ける人の数が減っているにちがいない。ドルやユーロがタイの通貨バーツに対して安くなっているのは先に書いたが、バーツに対して高くなっている通貨がある。それは日本の円である。数年前に一時1万円=2800バーツなどということもあったが、今年の春あたりからは1万円=3400バーツぐらいであった。9月に入って1万円=3800バーツを超えている。すなわち日本人にとってはタイで健診や治療を受けることが安くなったというわけだ。治療については日本人は国民皆保険制度なので、例外を除けばタイで治療を受けてそれを社会保険や国民健康保険でカバーすることはできないから日本国内のほうが安いはずだが、健診、人間ドックとなるとニーズがあるかもしれない。要するに日本人に対する「タイへのメディカルツーリズム」の勧めである。どこも生き残りで必死なので、この動きを笑うことはできないが、つい昨年まで日本への外国人のメディカルツーリズムについてシンポジゥムや研究会が官民一体で開かれていたことを考えると皮肉なことである。
  • 2011/10/5 9:03
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 朝9時に日和見感染で結核に罹患していることが判明したエイズ患者である某国の人に来てもらい、AMDA国際医療情報センターの通訳にもぴったり9時に来てくれるように頼んでおいた。いつもは来るという日に来なかったり、いい加減なこの患者もさすがに重大な疾患であることを自覚しているのか、驚いたことに9時ぴったりにやってきた。ほんの数分遅れで通訳もやってきた。通訳には前もって患者の状況を話しておいたので、病状は理解していた。分厚い情報提供書を手渡そうとしたら保健所の担当者が来ているという。外にいると目立つので診察室に入ってもらった。二人の女性が入ってきたが一人はまったく知らない人、今回の経緯もあり、口をきく気にならない。それから4人でエイズ拠点病院へと向かっていった。やはり患者の娘さんについてはHIV検査が必要だろう。当時はだんなさん以外にはセックスパートナーはいなかったという話が本当であるとしたらだんなさんも血液検査が必要だ。「個人のプライバシィーがあるから僕の口から娘さんやだんなさんに血液検査を受けてくれるよう話すことはできない、だからあなたの口から話してくれ」と頼んだが、どうだろう? 今までの経験ではきちんと家族に話した患者というのは記憶にない。ひとりの患者のプライバシイーと人権を守るために、ふたりの人の人権が犠牲になるかもしれない。今まで我々が行ってきたこういうことが、本当に人権に沿った医療なのか、ぜひ皆さんの意見を聞きたい。ああだこうだと評論家もどきの発言は簡単だが、僕らはいつも結論を迫られる立場にある。
 めっきり涼しく・・というより寒ささえ感じるようになったせいか、フィリピン人もタイ人もラオス人もペルー人も風邪ひきが多い。風邪が治ったらインフルエンザの予防接種を受けておいてほしい。午後は県医師会の経理常任委員会に出席するために横浜へ。だから午後休診。こういうことの大切さはわかっているつもりだが、患者に不便をかけるのは心苦しい。代診の先生をお願いするのも手だが僕は開業以来21年間したことがない。代診に来た先生が僕と同じ気持ちで僕の患者を診てくれるかどうか。とくに外国人の患者が少なくないのでそう思えないのである。
  • 2011/10/4 14:28
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朝早く来て金曜日にエイズと判明した患者の情報提供書いわゆる紹介状をエイズ拠点病院の医師あてに書いた。枚数にして7枚、今までの経過、結核の状況、本人の家庭環境、処方薬など。こういう患者に急に来られたら適切な情報提供がないととてもじゃないが診療はできない。書き残しがないように書いたつもりだが、まだ保健所と前医に対する気持ちがおさまらない。患者もずいぶんいいかげんな性格の人だが、それと今回の件は関係がない。やはり今回のことは許せない。保健所がまず最初に謝るべきは患者本人にであって僕じゃない。きっと某国立系病院の担当医に至っては自分の医師としての診療のまちがいさえ認めないだろう。腹立たしい。きのうの日曜、医師会主催の市民向け講演会が二つあった。眼科の先生方が目の日にちなんで開催している市民相談会の会場は近くのショッピングモールの3階のホールだった。挨拶を終えて一階に降りてアイスクリームを買おうとしたら店員がフィリピン人の患者さん、一生懸命働いている。日本もこういう光景が不思議じゃない世界になったのねと思わず感動した。
  • 2011/10/3 16:56
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きのうは9月30日、大和市特定健診の最後の日、朝からペルー人、中国人、タイ人と駆け込み検査の人が続く。彼らの場合、言葉の問題もあり、予約がむずかしい場合も少なくない。まあいいかと思うのだが、来年以降のこともあり、できれば電話でいいから予約してほしいと釘をさしておく。それにしても住んでいる外国人の割に・・というか、やってくる外国人の割に特定健診やがん検診を受ける人の割合が伸びない。自分が受けたら同じ国の友達などに伝えてほしいとお願いするのだが、同じ国の出身と言っても仕事に追われて会う時間も場所もないのかもしれない。中には気が合わないなんてこともあるのだろう。同じ国の人たちだから情報がさっと流れて行くと思うのは僕の考えすぎなのだろうか。
  • 2011/10/1 10:00
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きょう、僕は怒っている、本当に怒っている。こんなことがあっていいのか・・10か月前に保健所からある国の人の結核の治療を依頼された。それまで某国立系の病院に入院していたが、退院可能となり、外国語での対応が可能なところを保健所経由で探していたが、僕のクリニックに行きついたというわけだ。そのとき確かに「HIVはありません」ということだった。外国人だけではないが、結核と聞けばHIVの日和見感染ではないかと疑って検査を勧めるのが常識だろうし、その結果陰性だというのだから結核の治療を専門医に指示された通りに行えばよいのだろうと思って引き受けた。きょう、患者がやってきた。一目で先月に比較してずいぶん痩せたという気がした。ごはんを食べているかと尋ねたら舌が痛くて食べられないと言う。あーんと口をあけてもらったら白いものが口腔内に付着している。おやっ、ガンジダ症かと思ったが、まさかとも思った。うがいをしてもらって再度口の中を覗いてもやっぱり白いものがたくさん付着している。まちがいなくカンジダだろう。結核がよくなってきているのにカンジダがあるわけは・・・僕は本人に軽く話してHIVの即日検査を行った。長い経験で擬陽性はすぐにわかるようになっているが、この患者の結果は擬陽性ではなくはっきりとした陽性だった。要するにエイズがあって日和見感染で結核があったということだ。でも10か月前に某国立系病院でHIVの検査をして陰性というなら今回、陽性はありえない、初期感染ではないから。某国立病院の担当医に電話して再確認してみると・・「HIV検査は当院ではしていません」という返事、この病院に紹介した大学病院でもしていないとのこと。結核や呼吸器の専門医ならエイズの日和見感染に結核があることぐらい知っているはず。それを尋ねたら「患者さんから要望がなければHIV検査はしていません、患者さんの同意が必要ですから」と答えた。はっきり言ってばかじゃないか。同じ医師として恥ずかしい。専門医としては勉強不足、あやしければこちらから検査を勧めなくては。自分からエイズ検査をはしてくださいと患者が言うわけはないだろう。それに保健所が問題だ。僕には保健所の担当者は「エイズ検査は陰性だから受け入れてくれ」とはっきり言った。すぐに連絡したら僕の記憶は正しかった。当時の記録を先方が調べたところ、某国立病院でから保健所への連絡には「エイズ検査は陰性」ではなく、エイズ検査に関する記載は「ない」ということだった。おかげで僕はエイズの患者を10カ月もエイズの治療をしないまま、放置状態で診さされていた。いまさら保健所に謝られても困る。1年前に治療を開始したら治癒したかもしれないが、ここまで来てしまったら治癒はむずかしいということもあるかもしれない。さきほどの結核の専門医には言う言葉がない。ばかやろう、もっと勉強しろ。専門医なんて恥ずかしくて言えないだろう。かわいそうなのは患者だ。来週にはエイズ拠点病院に紹介状を書かねばならない。
  • 2011/9/30 17:01
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