AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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昨日、僕が診察した外国人患者は8人、うち生活保護を受けている患者が4人、多すぎる。多すぎるということに文句を言っているわけではない。個人個人生活保護を受けている理由は異なるのだろうが・・・言葉が十分に理解できなければ、職探しも難しいし、たとえ職が見つかったとしても、なにかあったときに真っ先に首にされやすい。今の日本は学歴社会と言えるだろうが、ちょうど勉強をする時期に国を渡ってやってきた人たちは大学等への進学もむずかしい。おまけに日本の習慣、日本人の考え方など理解できなければ、職場でも学校でも孤立しかねない。昨日も書いたが、こういう人たちを日ごろ、現場で診ていると、メディカルツーリズムに浮かれる人たちに違和感を感じざるをえないときがある。そもそも保険外診療30割をさっと支払いできる人たちと同じ土俵で論じるべきではないのかもしれないなんて。外国人労働者も外国人観光客も今後、目に見えて増えてくるだろう。受け入れるからにはこの日本のどこかに外国人のスラム街ができるなどということがないように政治家には政策を考えてもらいたい。それはまた日本という国自体の危機管理にも永くつながることだから。
  • 2018/11/6 9:00
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このところ、安倍政権の外国人労働者、外国人観光客のさらなる増加計画で、医療界にも外国人患者をどう診るのか、どう受け入れるのか?という議論が急激に盛り上がりつつある。日本医師会は外国人医療対策委員会をこの7月から立ち上げ、厚労省は訪日外国人の医療の提供に関する検討委員会をこの11月に立ち上げる。この両委員会の委員を仰せつかることになり、自分の意見を聴いていただける場所ができた分、僕自身の責任も軽くはないと思っている。外国人医療に対する取り組みというものはその医師自身が置かれた状況により、大きく異なるというのが僕の実感だ。観光地や大都会で外国人観光客を診る機会の多い先生方は通訳や自費診療や民間保険のことにまずは頭が行くようであるが、地域住民として住んでいる外国人を診ている先生方は通訳や保険診療の範囲内での医療のことに頭が行くようである。その中でも都内の高級住宅地に住む外国人を診ている先生方と僕のようにどちらかというと低所得者層に属する外国人を診ている医師ではまた考え方が少しちがう気がする。先日の会で驚いたのは訪日外国人の医療費としては保険診療の何割がふさわしいかという話だった。自費診療、いわゆる保険外診療なのだから、それを委員会で決めることや指針を出すことはいかがかと思うのだが・・・保険30割を請求しているという公的病院もあったからだ。そういう有名病院にはいくらお金を支払ってでも診てほしいという外国人患者が来るそうだが、それを全国的にあてはめることは難しいと思う。基本的には訪日外国人の医療も在留外国人の医療も同じだと思う。ちがいは保険外診療か保険診療かということだが、在留外国人でも諸理由で公的保険に加入していない人も少なからずいるからだ。要するに象さんのお尻を触った人は象さんは丸いといい、象さんの鼻を触った人は象さんは長いという、こういうことではなかなか話が前に進まないということだ。日本医師会では各都道府県医師会に日医同様、外国人医療対策委員会を設置するように働きかけている。各都道府県レベルまで行くと、さらに象さんを知らない人たちだけで議論をせざるをえないのではないかと心配になってしまう。きっと僕が心配性なのだろう。
  • 2018/11/5 9:00
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4日前にやってきたアメリカ人女性、当日は咳があり、痰があり、前日は声が出なくて、熱は37度少しであったのを覚えている。昨日の昼近くにやってきた。薬はまだあるはずなので、尋ねたところ、熱が37度の後半、そしてのどが非常に痛くなってきたとのことだった。のどを見ると少し赤い。前回は咳も痰もあり、のどは痛いというより声が出ないという感じで高熱でもなかった。症状から溶連菌感染症の可能性は低いと考え、いわゆる風邪を想定して抗生物質は投与せず、症状に合わせた薬を処方した。今回も自覚症状からはどうかな?と思ったが、のどを覗いたときに少し赤い気がして、溶連菌の検査を行った。すると、はっきりと陽性だった。症状からだまされてしまった。彼女には前回の診察の時から溶連菌感染症の可能性も捨てきれないこと、だから高熱が出たら教えてほしいことなど話しておいたので、検査などについても納得してくれた。11月になって最初の日というのに急にインフルエンザの予防接種希望者が多くなり、いよいよ冬に向かって駆け足が始まった。
  • 2018/11/2 15:24
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タイ人女性58歳、頭が重い、めまいがするとやってきたのだが、案の定、血圧が相当に高かった。糖尿病があって近くの公立病院を受診しているのだが、自分では病状がよくわかっていない。この半年は病院に行ってないというかと思うと、今日の朝は注射をしてきたと言う。たぶんインシュリン注射のことだろう。そして注射より飲み薬がいいと・・・そうだろう、しかしこれでは採血を行っても糖尿病の治療の評価というか、血糖値をどう解釈していいかわからない。正直、こんなにいいかげんに受診していてよくも病状がおかしくならなかったものだと思う。目の症状も訴えていて、それは糖尿病の合併症の可能性があるから眼科を受診したほうがいいと話したのだが、いまいち、ピンときた感じではなかった。一週間後に採血をしてみるつもりだ。インドネシア人男性24歳、夏に一時帰国して8キロ太ったとのこと、日本に戻ってきて留学先の国立大学の健康診断で、高脂血症、肝機能障害、高尿酸血症を指摘され、来院し、採血をした。その結果を聞きにやってきた。帰国後、すでに数カ月が経過しているせいか、高脂血症はすでに認められず、肝機能も正常範囲だった。尿酸だけが8.1とまだ高値であるので、食事指導を行った。昨日は夜6時から都内の某ホテルで日本医師会雑誌の来年3月号の外国人医療特集号に掲載される座談会があった。司会のほかに出席者は4人、いろいろな立場のトップの先生のお話が聞けて有益だった。
  • 2018/11/1 9:00
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数日前に来院したフィリピン人男性の血液検査の結果が検査会社から送られてきた。働いている会社の健診で白血球数が高いと言われて初めてやってきた。末梢血と血液像を検査会社にお願いしたところ、白血球数は13000台であったが、好塩基球が多く、それも幼若なものが多く、骨髄像のチェックなどが必要だろうと書いてあった。これはもう開業医レベルでは手におえる範囲を超えている。血液内科専門医の診察を受ける必要があるだろうと近くの公立病院の血液内科を受診するよう、そして急を要するので、先方にこちらから予約を入れてあげようと思ったら・・・・クリニックのフィリピン人スタッフが「ほかの病院に行きたいと本人が言っている」と教えてくれた。その理由は・・・と訊ねると、以前にこの公立病院で医療費の未納を積み上げているからだとこと。絶句してしまった。彼は不法滞在ではなく、日本の公的保険にも加入している。もう少し訊ねてみたら・・・この公的保険も掛け金を支払わずにしばらく止められていたらしい。たぶんその間に病気になってこの公立病院を受診したのだろう。近くにはほかに血液内科の専門医が勤務する病院はない。もう一度、受診を勧めてみたが、今までの未納分も請求されるだろうから行きたくないらしいというフィリピン人スタッフの返事。社会のルールは守らないとその社会で暮らしていくことはむずかしい。けっきょく、返事はもらえないまま。放置するのだろうか? アメリカ人女性27歳、声がほとんど出ない状態で来院。大和市に比較的近い横浜のA区からやってきた。咳も痰もある。風邪ぐらいでこんなところまでやってくるのでは不便だろうとつくづく思ってしまった。外国人も日医のいう「かかりつけ医制度」に基づいて地域の中で診るということが今後、ますます大切になるだろう。
  • 2018/10/30 9:00
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フィリピン人男性55歳、HBs抗原陽性であることがわかり、今後の治療方針決定のために近くの公立病院の消化器内科を受診してもらった。昨日、診てくださった医師より情報提供書が届いたその直後に本人がやってきた。書類には日本語で話したが、本人があまりわかっていないようなので、僕のクリニックで再度説明してほしいと書いてあった。こういうときはやはり英語よりタガログ語のほうが理解しやすいので、僕がクリニックのフィリピン人スタッフに説明、フィリピン人スタッフがタガログ語で説明するという方法で説明した。情報提供書には「s-GPTも正常範囲であり、ほかの症状もなく、キャリアと思われる、HBsウイルスを完全に駆逐することはむずかしい、とはいっても肝臓がんの発生率は陰性の人より高いので、半年ごと程度に血液検査、エコー検査でフォローしてほしい」と書かれていた。この通りに説明して理解してもらった。フィリピン人といえば英語はわかるものと考えがちだが、僕の経験では相当数の人がタガログ語しかわからない、あるいはむずかしい英語の話は理解できない。注意を要する。インドネシア人の留学生24歳、某国立大学の健康相談室からの情報提供書を持ってきた。軽度の高血圧と高脂血症と高尿酸血症、採血しようとしたら朝食を食べてしまっており、来院の直前にもなにかを口にしたというので採血を中止、「明日の朝、食事をしないでくる」というので、そうしてもらうことにした。大学側から受診時の注意をしてもらえたら、二度手間になることはないのにと思ったが、本人が忘れてしまった可能性もあるので、結果を郵送するときにやんわりと書いておこうと思う。
  • 2018/10/29 9:00
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フランス人女性20歳、横浜市の比較的遠方から来院。フランス語はまったくわからないが英語で話してくれたので助かった。いわゆる性感染しやすい疾患の検査と血液型の検査、そして乳房のマンモグラフィー検査をしてほしいと言う。マンモグラフィーはないので触診でいいかと尋ねると、いいとのことだったので、診療を受け付けた。採血して検査したが、即日検査が可能な3つの感染症はいずれも陰性だった。乳房の触診をすると左の乳房にしこりと痛みがあると訴える。非常にわかりづらい乳腺だったが、たしかに2センチ程度の径の表面が平滑なしこりがあり、可動性がある。腺腫の疑いが強いと思ったが、やはり専門医の診察を受けておくべきと話した。どこに専門医がいるのかがわからないと彼女が言ったところで、すぐ近くに外科学教室の乳がん専門の1年先輩が勤務していることを思い出した。電話をして遠方からやってきているので申し訳ないが、今日診てほしいとお願いしたところ、いいよと返事をしてくださったので、そのまま行ってもらった。エコグラフィーで診た結果はやはり腺腫ではないかとのことだった。本人も安心して帰って行った。
  • 2018/10/26 9:00
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ガーナ人男性30歳、体がだるい、重いとの訴えで、はじめは肝機能障害も考えなければいけないかと思ったが、診察室の問診ではのどが痛くて、痰も出るとのことでどうやら「風邪」のようだとわかった。ベル―人男性65歳、ベル―人の奥様が薬を取りに来た。いつもは降圧剤、コレステロールを下げる薬、中性脂肪を下げる薬を処方しているのだが、ときどき「あれは残っているが、これはない」と薬に関しては僕の指示通り、内服してくれていないことが明らか。それでも降圧剤はきちんと内服してくれている。日本人の患者も例外ではないが、コレステロールを下げるとか中性脂肪を下げるとか、本人の自覚症状にはあまりあらわれない薬に関しては内服の仕方がいい加減になる。数日前に奥様が高血圧で受診、そのときにご主人の薬も処方してと頼まれたのだが・・この半年ぐらい降圧剤しかいらないというので、今回も降圧剤のみ処方したら・・・ご主人が「コレステロールの薬もほしかった」と言ったとのこと、薬屋さんじゃないのよと言いたくなる。診察を受けてほしいと。診察を受けてくれていたら、こういう「行き違い」もないはず。おまけに「コレステロールの薬」というのが本当にコレステロールを下げる薬だけのことなのか、中性脂肪を下げる薬も含めて「コレステロールの薬」と言っているのかがわからない。奥様がまた戻ってきて、「中性脂肪の薬もほしかった」と言わないことを祈りたい。
  • 2018/10/25 9:15
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ブラジル人の女性が生後5か月のお嬢さんを連れてやってきた。横浜市の神奈川区から日本人のご主人に運転してもらってきたらしい。この女性、ブラジルの日系人とのことだが、言葉も容姿も全くの日本人、しかし生活習慣には色濃くブラジルのものが残っているようだ。というのも生後5カ月のお嬢さんにピアスをあけたくて、いくつかの医療機関に連絡するもすべて断られ、当クリニックに数日前に電話で問い合わせが来たからだ。ピアスをあける技術はごく簡単なのだが、あかちゃんは暴れようとするし、外で泣き声を聞いてしまった母親が涙を漏らす場面にも何度も遭遇しているのであまり「やりたい」とは積極的に思わないのだが・・・・このケース、日本人のご主人はピアスをあけることに反対らしいとスタッフに聞いた。その直後に診察室に入ってきたご主人とお子さんとあかちゃん、ご主人は一番後ろに立っていて、僕と目が合うのだが、一言も発せず、顔が笑っていない。別に僕がピアスをあけると決めたわけではないのに・・・欧米人のように明らかに日本人と外見も言葉もちがえば、「いろいろ」がちがうとすぐに理解できるだろうが、外見も日本人、日本語も全く我々の日本語と同じという場合、生活習慣のちがいがあるとははじめはなかなか気がつかないのだろう。国際結婚はかのごとくむずかしいのだろうと思った。フィリピン人男性61歳、会社でけんかの末に突き飛ばされて臀部を打撲したと県内西部からやってきた。たしかに臀部が青紫になっており、受傷後3日とのことだった。けんかの原因は知る由もないが、おとなが酒も入らずにこういう怪我をするようなケンカを職場でするなんて・・・もし外国人技能実習生がもっと増えていくと・・いや外国人技能実習生に限らないが・・・こういうトラブルも増えるのだろうか? 警察への診断書を書いた。昼休みに医療通訳を研究テーマにしている国立大学の学生がインタビューに来院。実践の舞台にいるわけではないので、机上の空論的部分があるのはいたしかたないとして、質問の内容など聞いているとよく考えていると思った。
  • 2018/10/23 9:00
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20日分のブログにフィリピン人女性がフィリピンに残したこどもを日本に引き取った場合の問題の多さを書いたばかりなのに・・・フィリピン人男性18歳、隣のZ市から初めて来院。付いてきた母親40歳は診たことがある。この男性、3月に日本に来たばかりだそうで、もちろん日本語は理解できない。めまい、耳鳴り、頭痛、食欲不振など体調の悪さを訴えていてメニエール等、考えるのだが、どうも話していて気になるのは彼が積極的に話をしないことだ。今、何をしているの?と尋ねると、工場で働いていると母親が答えた。日本語をちゃんと勉強したほうがいい、ボランティアの日本語教室も地域にあるからと話したのだが、「通っていたけど、やめてしまった」そうだ。二つ年下の妹もいっしょに日本にやってきたそうで、これはもう移民と呼ぶべきだろう。フィリピン人女性が日本人と結婚して来日、少なくないのは永住許可をもらったころに離婚、もしかしたら永住許可をもらうまで離婚せずにがまんしていたのかもしれないが・・・そのがまんにもご主人の暴力などに耐えている場合と、はじめから永住許可がもらえるまでの「結婚」とわりきっている「なんちゃって結婚」とがあるようだ。いずれにしても日本語もわからず、学校にも行かず、底辺をさまよう生活が待っているのではないかと心配になる。彼の病もどうやらそういう背景があってのことではないかと思った。
  • 2018/10/22 9:00
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