AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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昨日、早朝にフィリピン人から受付に電話があったらしい。話の内容は友達のフィリピン人女性がご主人に殴られて家を出てきて行き場がないとのことだった。たまたま午前中、フィリピン人のスタッフが休みで、それを伝えると「午後から連れていく」と言って電話は切れたということだった。午後になり、内視鏡を行ったり、臀部の膿瘍を切開したり、外傷を診ていてすっかりこの件は忘れていたが、4時をすぎるころ、それらしき二人連れが現れたと受付から連絡があった。診察室に入ってきたのは見たことがあるフィリピン人女性ともうひとり、初めて見るフィリピン人女性49歳だった。カルテを見ると、初めてやってきた彼女は住所が都内になっていた。夜中に日本人のご主人にあごのあたりを殴られて、明るくなるのを待って飛び出してきたので、お金も持ってきていない、いわば着の身着のままに近い状態だった。あごのあたりに熱感があるというのだが、触ってもよくわからない。とりあえず、診断書を書いたが、外観からは殴られたということはよくわからず、彼女の申告ではと断り書きを入れて注意深くしたためた。シェルターに入るための手続きは役所を通さなければならない。役所の当該課に連絡すると、すでにクリニックに来る前に一度訪ねたらしく、「そのときに応対に出た人がすでに帰ってしまい、わからない」と言う。なんで4時50分でもう帰ってしまったのか、気にはなったが、いろいろあるのだろう、文句は言うまいと心に決めた。いずれにしても今晩から行くところがないのでなんとかしてほしいと頼んだところ、すぐに来てほしいということだったのでまかせた。診断書を書くのは僕の仕事だが、その後のシェルター等の手配はもちろん僕の仕事ではない。ところが、この手の類の相談、ごくまれだが、クリニックに持ち込まれる。
  • 2018/10/16 9:05
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13日の土曜日、なぜかに日本人患者も外国人患者も少なく、「まったり」とすごした。クリニック全体で外国人患者は11人、フィリピン人4人、ベル―人3人、カンボジア、ベトナム、ブラジル、韓国人各々1人ずつ。管理栄養士が来てくれる日で、12日に検査結果で糖尿病と判明したパキスタン人男性と同じくパキスタン人のその奥様に栄養指導をしてもらった。午後1時に終わって、そのまま母校の看護医療学部の大学院の講義へ。大学院の学生のうち、二人が中国人と聞いたのでわかりやすい日本語で話すよう、心がけた。二人の日本語能力も高く、講義の内容についてもきちんと理解してもらったようだ。最後に医療界の一部や産業界の一部、そして官庁の一部にも期待感のあるメディカル・ツーリズムについて彼女たちに質問してみた。ある医療法人では県内にメディカル・ツーリズムに特化した自費診療だけの100床の病院を開設する計画があると最近知った。メディカル・ツーリズムといえば真っ先に思い浮かぶのは中国の富裕層なのだが・・彼女たちが言うには、美容整形なら韓国に行く、歯の美容と治療ならタイへ行く、体全体に関してはシンガポールへ行く、そして日本に来るのはいわゆる「有名」「高名」で名医と紹介されている教授などに手術をしてもらえるとわかったときだけ・・・これが中国人社会で今、ひろまっていることと教えてくれた。するとさきほどのメディカル・ツーリズム専門の病院など経営がやっていけるのかどうか、疑問符がついてしまうのだが、どうなんだろう。
  • 2018/10/15 9:00
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スリランカ人女性41歳、昨日より39度の熱と体の痛み、そしてつばも飲み込めないほどののどが痛いと訴えて来院。のど覗くとやや赤みがあるという程度だったが、溶連菌検査で陽性、抗生剤を処方した。フィリピン人男児12歳、一週間ほど前から左足の母指を痛がるということで来院。前日、小学校の教員より連絡があった。診ると巻き爪に感染をおこし、感染性の肉芽が爪の上にはみ出している。こういう場合は伝達麻酔下で爪を楔上に切除してあげるしか感染を終わらせる方法がない。伝達麻酔を行うときの注射もおとなが顔をしかめるほど痛いのだが・・・よくがまんした。手術そのものは数分で終わり。フィリピン人男性50歳、身のこなしからバクラとすぐにわかったが・・学校に勤務するための健康診断を受けるために遠方からやってきた。無事に終わって帰って行ったが・・・こんなことで遠方までやってくるなんてなんだか気の毒になった。ベル―人男性56歳、前日、下痢と腹痛で感染性腸炎と診断してビフィズス菌の製剤を処方、そのときに「こういうときには一般的に下痢止めと呼ばれる薬は使わない、消化を助ける薬でゆっくりと治すのでしばらく下痢は続くかもしれない」と話し、わかったと帰ったのだが・・・「まだ下痢が続いている」とやってきた。昨日はわかってもらったと思ったのだが、僕の下手なスペイン語では理解ができなかったらしい。ゆっくりと顔を見ながら説明、「ああ、そうなんだ」と言って帰っていった。パキスタン人男性42歳、脂質代謝と父親が糖尿病ということで血液検査希望でやってきたのが昨日、空腹時の採血であることを確認したが、血糖値は300を超えていて中性脂肪も300近かった。すぐに携帯で連絡、奥様ともども来ていただいた。病状を説明、食事療法の話をし、専門医を紹介することにした。チョコレートが大好きなのだそうで、やめるように説得した。
  • 2018/10/13 9:00
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11日は木曜日だったというのに、朝からひっきりなしに外国人患者がやってきた。午前中に僕のほうだけで48人の患者を診てうち12人が外国人患者、午後にさらに3人の外国人患者、計15人だったが、これは僕のほうだけ。小児科を入れると20人は軽く超えているだろう。そういえば6日の土曜も4時間の診療時間内にクリニックとして拝見した外国人は23人だった。僕が昨日拝見した15人の国籍はベル―人6人、フィリピン人5人、ブラジル人2人、ベトナム人1人、パキスタン人1人だった。ブラジル人のご夫婦、奥様のほうは片言日本語を話すが、ご主人のほうは全く話せないし、英語も通じない。さいわい、スペイン語を理解してくれるので、薬の説明等僕のつたないスペイン語でなんとか乗り切っている。きのう、マスコミでは政府がある技能を持っている外国人を対象に新たな在留資格を作り、この新たな在留資格は実質的に永住を許可するものだと報じていた。夜になって明日の母校の看護医療学部の大学院で講義する資料の最終チェックを行ったが、この1年、在留カードを所持する、すなわち住民基本台帳に掲載された外国人の数は30万人も増えているということを知った。大和市の人口が23万数千人なので、その数の多さに驚く。外国人に対する適切な医療を提供するにはどうしたらよいのか、またそのために日本の医療機関に何を支援したらいいのか、もう待ったがないだろう。17日に日本医師会の外国人医療対策委員会が開催される。その席上、僕が訴えたいのはAMDA国際医療情報センターの活用と支援だ。外国人にも外国人患者を受け入れる医療機関にとっても3つの支援がきわめて重要である。言葉の支援としての通訳、通訳以外のさまざまな疑問、相談に答えてくれる支援、そして海外に特有な疾患に対する診療支援だ。最初の二つは開設以来、AMDA国際医療情報センターが行ってきたことだ。ワンストップの相談機関として唯一、名乗りをあげることができるのが私たちだと思う。
  • 2018/10/12 9:00
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ベルー人女性38歳、障害をもつ方、風邪をひいて来院。車いすを押してきたのがベル―人と思われる若い女性。診察の後、彼女に患者とどういう関係なのか、尋ねてみたところ、「だんなさんのお父さんの妹」と答えた。日本語で「義理のお父さんの妹、だから義理のおばさんていうのだよ」と教えてあげた。もうひとり、車いすに乗って診察にやってくる外国人はブラジル人女性、たしか80歳をとうに超えていた。彼女がやってくるときは必ず息子さんか、ベル―人の息子さんのお嫁さんが車椅子を押してくる。僕の目からみると、ファミリアの結束が極めて高いようにみえる。遠い異国にいて、固いファミリアの結束があるからこそ、いろいろと乗り越えてきたからなのだろうか? 6日に診察した外国人は小児科を合わせて22人、9日は僕のほうだけで5人だった。きのうの夜は厚木医師会に招いていただいて外国人患者を受け入れるにあたっての注意事項や解決法などお話しさせていただいた。医師や医療機関の事務系スタッフに聴いていただけるのはありがたい。開業して28年と10カ月、この間、外国人医療の講演や講義をさせていただいたのは108回、そのうち、医師会に呼んでいただいたのはわずかに4回しかない。こういう話、あまり学問的な話ではなく、興味も薄いのかと思っていた。個人的な話になるが、昨晩、司会をしてくださった公的病院の院長先生と講演の前に控室で話をしていたら・・・実は高校が僕と同じとおっしゃる。といっても学年もちがうし、1学年870人もいたマンモス校なので、ほんとになにげなく「僕はワンダーフォーゲル部に入っていたけど、先生は何をなさっていましたか、クラブは?」と訊ねたら、呆然とした顔で僕の顔を見つめて「えっ、私もワンダーフォーゲル部ですが」とおっしゃる。なんと部活の後輩だった。14年も下になるとこちらも気がつかないが、山に登ったりテントで寝泊まりした仲間は家族も同然、強いきずなでむすばれている。彼には失礼かもしれないが、突然、弟がひとり、できた気がした。
  • 2018/10/11 9:00
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6日の土曜日、僕のほうだけで12人の外国人患者、やはり土曜日は平日より多い。だからなかなか休診にしにくい。日本人患者にはさまざまな伝え方があるが、外国人患者には診療時に伝えるなど方法が限られているからだ。といって各国語でホームページを作成するほどのお金もかけられず・・・悩んだ挙句にホームページの「お知らせ」と最初のページの休診情報だけは簡単に英語を付け加えてみた。開業して28年も経過しているというのに、どうしてこんな簡単なことに気がつかなかったのか、不思議だ。ホームページの更新は自分で行っているので、これなら下手な英語でご勘弁をしていただけたら趣旨は伝わると思う。6日の僕が診察した12人の内訳はフィリピン人6人、ベトナム人2人、アメリカ人、スリランカ人、インドネシア人、ベル―人各々1人。小児科を加えるとたぶん20人を超えただろう。
  • 2018/10/9 9:00
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フィリピン人女性52歳、社保の特定健診で来院。大和市に居住している社保特定健診対象の人は国保の特定健診を行っている期間すなわち6月から9月の間であれば、大和市の追加検査も行えたのに・・・10月になってしまったので、「おかず」がなくなってしまった。実はこういうことは市の広報誌に「小さく」書いてある。受けるほうからみるともったいないことだ。ベル―人女性53歳、高血圧と高脂血症で採血も行った。韓国人女性52歳、大和市がん検診を受けるために来院。よく小さなお子さんを連れてきていたが、そのお子さんも大学生となり、就職が内定したそうだ。9月の外国人患者は新患21人、延べ207人、診療実日数は18日である。新患はいずれも日本の公的保険を所持しており、未加入者は一人もいなかった。
  • 2018/10/6 9:00
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パキスタン人男性53歳、悪い人じゃないことはよくわかっているのだが、話がとらえどころがなく、話が長く、どうしてよいのかわからなくなってしまうことがある。続けて通院したことはないが、数カ月に一回はなにかの症状でやってくる。昨日は目が熱い、日があたると頭の皮膚が熱いという。痛いんじゃないよねっと訊ねると「そう、痛いんじゃないの、熱いの」と言う。しばらく考え込んでしまったが、僕が悩んでいるとみたのか、ほかの医療機関でもらったという薬を見せてくれた。抗ヒスタミン剤にセレスタミン、アレルギーの治療だ。ポケットの中から血液検査の結果を取り出し、見せてくれた。好酸球が6.3%とほんの少しだけ高い。抗ヒスタミン剤は一日一回なのだそうだが、内服するとすごく眠気が来て、仕事ができない、だからやめてもいいだろうか?と質問された。この抗ヒスタミン剤が本当に必要であったかどうかはアレル―ギ―があったかどうかによるだろうが、いずれにしても眠気が来て仕事ができないようではやめたほうが無難と思い、わけを話してやめてもいいのじゃないかと告げた。もう、この医療機関にはいかないそうだ。けっきょく、20分ぐらい話して、とくにすることなく帰って行った。中国人女子14歳、右の下腹痛で学校の職員と母親が付いてきた。母親はほとんど日本語がわからず、通訳できるのは本人だけ。僕はごくごく簡単な北京語と筆談で対応したが・・・所見、血液検査の結果からも急性虫垂炎ではなかった。問診では「昔から」腹痛と下痢があるそうで、たぶん根底には過敏性腸症候群があるようだが、今回の痛みはいつもとちがうとのことだった。アメリカ人女性57歳、外で飲酒して駅で転倒、救急車で運ばれたそうだが、右の頬のあたりに皮下出血あり、アルコールがやめられないそうで、すでに手が震えている。アルコールの禁断症状なのだろう。やめたいけど飲んでしまう、そういう繰り返しなのだそうだ。やめるための医療機関も紹介したが、本人が行かないとのこと、これではやめるのはむずかしそうだ。
  • 2018/10/5 9:00
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フィリピン人女性52歳、発熱で来院。日曜には38.5度まであがったという。末梢血を見ると白血球が2200と極めて低く、中でも顆粒球が実数で75しかない。これは基礎に血液疾患があるのではないかと考え、近くの公立病院の血液内科の医師に連絡、診ていただいた。こういうときに迅速に対応していただけると助かる。カンボジア人女性68歳、高血圧の継続治療と血液検査、なんでもなければいいが・・・ベル―人男性44歳、高血圧の治療と簡単な診断書がほしいと。生活保護が長く・・日本語もそれなりに話せて、体に働けないような疾患もないのに、なぜ生活保護のまま5年以上も経過しているのかと思ってきたが・・いよいよ働く気になったのだろうか? ブラジル人女性89歳、血圧を測ろうとしたら暴言を吐く。はっとして顔を見ると、目が笑っていない。ときどき認知がひどくなるのだが、そういうときの顔つきだ。患者が悪いわけではないのだが、つい早めに終わらせようと考えた。フィリピン人女性38歳、右のおっぱいが痛いと神奈川の遠くからやってきた。がんを心配しているのかと思ったが、そうではなかった。一歳のお子さんに授乳中に乳首を噛まれたのだそうだ。少し膿も出たそうだが・・・・触っても痛みがないので抗生剤だけ処方した。そろそろ授乳はやめたらと話したのだが、こどもが自然とやめるまでは続けたいと話していた。こういう考え、東南アジアでは広くあると思う。
  • 2018/10/2 9:02
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フィリピン人女性43歳、胃がん検診は受けたいが、内視鏡は怖いと言っていたが・・・サイレースを用いて行った。10分の1に薄めて静脈注射、直後に「せんせい、まだねむくならない」と言っていたが、後ろ向きになってカルテに記載して振り返ったら、もう寝ていた。無事に終了、何も異常はなかった。画像を説明して終わり、最後に「なんにも気がつかないうちに終わってた」と嬉しそうに話してくれた。フィリピン人男性53歳、右の前腕を痛がるが、仕事を尋ねると、その右の前腕を使ってしていることがわかった。こういうときがむずかしい。局所を安静にするようにと言うと、それは仕事をやめなさいということになってしまうし。けっきょく、湿布だけを処方した。
29日は6年ぶりに北海道の故郷に帰った。虫が食ったように空き地のある商店街、そして残った店や家にもシャッターが下りていて、人の気配がない。昔、お世話になってさんざん手こずらせたかかりつけの先生の医院も更地になっていた。
  • 2018/10/1 9:00
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