AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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201901のエントリ

イタリア人男性45歳、いつもの診察の後、腰が痛くてたまらないと訴える。触っているのは腰から臀部、足先まで痛みが走ることはないかと訊ねると「それはない」とのこと。整形外科を受診するように話そうと思っていると、「原因はわかっている。仕事で腰をかがめたり、重いものを持つから」と言う。どうして?と再度、訊ねると「仕事が休みになると痛くなくなるから」と答える。で、今は?との質問には「今はだいじょうぶ」と・・・・どうやら整形外科に行きたいようでもないのだなと判断したところで、次の一言。「湿布してもあまり変わらない、痛み止めの薬もいらない。休めばよくなるのだから休めばいい、有給がたくさんあるのだから・・・」。ここで気がついた。要するに有給休暇がたくさん余っているのに、日本の会社では誰も積極的に取ろうとしない、ここに違和感を感じているのだろう。そういえば以前から「有給」の話、していたっけと思い出した。こういうのを文化の違いと言うのだろうか? バカンスで一カ月休みがあったり、昼休みが長いというそんな国の人からみたら、確かにおかしなことかもしれない。でもそういう社会の中で、彼の抵抗がどこまで受け入れられるかと考えると、疑問符がたくさんつく。きっと彼にとって、日本は住みにくいところなのだろう。
  • 2019/1/31 14:49
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ベトナム人男性26歳、HIVの検査に来院。あまり住所など聞いてもいけないかと思い、訊ねなかったが、1時間ぐらいかけて来たと話してくれた。帰り際に「ここってベトナム人の通訳がいるんですねえ」とうれしそうに言う。難民出身者のベトナム人はたくさん来てくれるが、難民という言葉を使うことはもしかしたら彼に政治的判断を求めることになりかねないので、「お年寄りが多いよ」と返しておいた。来日して1年、働いているそうだが、どういう資格で日本にいるのかとかそんなことも訊ねなかった。昨晩は大和市医師会の新年会および創立60周年記念の会が開催された。僕は会長としてホストを務めた。外国人医療の問題に真剣に取り組んでくださっている自見はな子参議院議員、そしてこの7月に改選を迎える羽生田たかし参議院議員のお二人にも来賓として来ていただいた。お二人とも日本医師会の組織内議員だ。多くの人におふたりの人柄を知っていただきたかったから。
  • 2019/1/29 9:15
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HIV検査希望のイギリス人男性39歳、県のもっとも西部からやってきた。フィリピン人男性32歳、会社の健診で指摘された太りすぎと軽度の高血圧について受診、県の北西部からやってきた。ふたりとも初診。クリニックまでゆうに1時間以上かかるはず。英語での受診だが、ここまでやってこなくても英語の上手な医師は少なからずいるはず。そう話したら、外国人の診察に慣れているだろうと思い、やってきたとイギリス人の男性に言われた。やはり日本の医療機関を受診することについては、僕ら日本の医療機関側が理解できないような壁を彼らは感じているのだろう。厚労省が考えているような外国人が受診するできる拠点病院づくりや一次医療機関づくりで乗り切れるのか、それは外国人にとって便利といえるのか、まだ検証すべきと思う。とくに一次医療機関については最初の一歩は手上げ方式になるのだろう。自分で手上げをするのだから、医療通訳等、対応は自分で考えなさいという厚労省の理論なのだろうか? 僕は外国人患者は原則としてすべての医療機関で受け入れ可能にしてほしいと思う。書いていて思ったが、患者が自分で医療機関を選んでいく、これって人権などという大げさな言葉を使わなくても当たり前のことだろう。そのためにはすべての医療機関からアクセス可能な電話通訳等が必要となる。これを整備することは外国人が著増するであろう近未来の我が国にとっては国の責務であると考える。幸い、この1月から出国税を徴収し始めたのだから、その税金のぜひ財源として利用できるようにしてほしいものだ。
  • 2019/1/28 9:16
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フィリピン人女性54歳、頭が痛いと来院。高血圧で昨年7月まで受診している。その後はどこの医療機関にも受診していないとのこと。血圧を測定すると160/100、あれほど継続治療が必要と話しているのに・・・そういえば、昨日の厚労省の会議でどこかの団体だったか、省庁が発表していた内容に「慢性疾患なのに継続治療しない人が少なくないが、民間保険の加入を促進することで、解消できる」と書いてあったが、これはちがうと思う。たぶん慢性疾患で継続治療をしない理由を医療費が続かないからと考えたのだろうが、お金にそれほど困っていなくてもこのように来なくなってしまう。それは健康に対する考え方がちがうからだろうと僕は考えている。亡くなったタイの親友に尋ねたときもそう言われた。「タイでも薬を処方してよくなると来なくなってしまう」と。そのタイには健康保険があって受診時の患者の負担はなしだ。昨日、厚労省の第二回の訪日外国人の医療に係る会議に出席しておおよそ、厚労省がどういう方向に持っていきたいのかということが把握できた気がする。日医からは次の外国人医療対策委員会で提出される中間答申の案が送られてきた。中を読むと僕の提言が大幅に取り入れられていてうれしかった。とくに同じ種類の予防接種の問診票について、現在は地方自治体ごとに少しずつちがっていてそのために多言語での翻訳版が作りにくく、それを全国統一の問診票にしてほしいということが盛り込まれていたのには感動すら覚えた。全国統一版ができたらそれを多言語に翻訳するのはさほどむずかしいことではないからだ。するとこどもを持つ外国人の親にとっても安心であろうし、医師も安心して予防接種を行うことができると思う。
  • 2019/1/28 9:12
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ここのところ、外国人医療関係の日本医師会の委員会や県医師会の会長会出席などで午後4時に診療を切り上げて出かけなければならない。インフルエンザの多いこの時期に出かけるのは後ろ髪をひかれる思いだ。きょうクリニックに来てみたら、僕の患者では最高齢の97歳の日本人女性が昨日の午後4時過ぎに来てくださったようで、本当に申し訳なく思った。クリニックのホームページには僕の予定がアップされているのだが、彼女のような高齢者にインターネットに書いてあったでしょと言うのも酷な話だ。これと同じようなことを外国人患者に言うことも難しい。ホームページを外国語対応するように作ることは容易ではない。だからといって日本語がわからない人たちだけ、情報から取り残されるような状況を作ってはいけないと考え、僕のクリニックのホームページでは医師の予定を含めた「お知らせ」の部分だけ、英語併記にしている。予約をとる上でもインターネットやスマホは便利なツールではあるが、このように患者全員が公平にアクセスできるわけではない。ここを忘れてはいけないと思う。きょうも厚労省の会で診療は午前中で切り上げなければならず、2月4日月曜は日本医師会の委員会で、8日金曜は厚労省の会で同じく午前中で診療を切り上げなくてはならない。いろいろな会議で意見を言わせていただけるのもありがたいし、貴重なことではあるが、患者ひとりひとりに満足していただくのも負けず劣らず大事だ。地域の医療機関が地域から浮いたら、何の意味もなくなってしまう。
  • 2019/1/25 11:01
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カンボジア人女性48歳、日本語とタイ語が上手、昔、タイ国境のポイペトで商いをしていたと聞いたことがある。体が痛いので鎮痛剤だけ欲しいという。C型肝炎のキャリアでもあり、高血圧もあってしばらく内服治療していたことがある。血圧を測ると160/100。降圧剤もこの半年ぐらい内服していない。小学生のお嬢さんも日本人のご主人も僕のクリニックで拝見していて、ほかの医療機関を受診して降圧剤をもらっているということはないと思う。にもかかわらず、「もう治ったから薬はいらない」と頑なに言う。こういう際には説得にもかかわらず、本人が内服治療に納得しないのだから、不本意ながら、治療のごり押しはしない。説明を十分に行ったうえで、患者が選択した意思はたとえ、医師からみて不適切と思っても、その意思を尊重しなければならないからだ。それにしても彼女のように日本社会に溶け込み、日本人のご主人と生活していても、それでも今回のような頑なさがあることに外国人医療のむずかしさを久しぶりに感じた。定期的にCTで肝臓のチェックをすることや採血してα-Fetoproteinをチェックすることの意義についても話しているのだが、なかなか採血に応じてくれない。これも同様。
  • 2019/1/24 16:28
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ナイジェリア人男性、たしか数カ月前に高血圧で一か月分処方してすでに薬がなくなっているはず。血圧を測定すると156/100と高い。「高いだろう?」「高いよ」という会話をした。この間、ほかの医療機関を受診してはいなかったそうだ。どうして放置していたのか?と訊ねると「忙しかったから」という返事。北隣のS市に住んでいて、「忙しくて数カ月も来れない」なんて考えづらい。治療の継続性の意義は常に話しているはずなのだが・・・これ以上は患者の責任としか言いようがない。フィリピン人女性56歳、同じく北隣のS市の米軍基地から来院。アメリカ系フィリピン人と結婚しているという娘さんが付き添って来た。風のうわさに僕のクリニックにフィリピン人スタッフがいると聞いてやってきたそうだ。上腹部の痛みがあり、S市の医療機関を受診したところ、超音波検査で胆石と言われ、鎮痛剤だけもらったとのことで、セカンド オピニオンというか、今後の相談に訪れたと話してくれた。超音波の写真を持っていて、大きな胆石がはっきりと映っていたので、無駄な医療費は省こうと超音波検査は行わなかった。治療法としては手術しかないことを話した。本人は米軍属の家族として基地内で暮らしているので、日本の住民基本台帳には掲載されておらず、したがって国民健康保険を含む我が国の公的保険には加入できない。すなわち保険外診療となってしまう。手術のおよその費用は?と言われても保険外診療では医療機関により費用が異なる。保険外診療を保険点数10割で計算している町田慶泉病院の院長を務めるAMDA国際医療情報センター副理事長の中西先生に電話、中西先生のところではおよそいくらになるかをお訊ねしたところ、たぶん50万から60万、それに術前検査費用等がかかるだろうという返事をいただいた。このお返事を患者に伝えながら、横須賀の米軍病院での治療はどうなのか、検討してみてはとも伝えた。帰り際にきょうの診察について、保険会社に請求するための書類作成を依頼された。ということは海外の民間保険に加入しているということだと思う。これについてはさきほど、教えてはくれなかった。大切なことだったのに。フィリピン人女性から午前中に電話あり。就職のための健診を受けたいがいくら費用がかかるか?と。検査の内容によって費用は異なることを話して、検査項目を教えてもらったが、これがけっこう多項目にわたっている。およその費用を聞かれたので、計算して伝えるとお金がないので後払いにしてほしいとリクエストされた。フィリピン人スタッフとも話し合ったが、見ず知らずの初診の人なので、断った。いつも来院していて知っている人ならば、家族構成なども知っていて、それなりの信用があって後払いでもOKすることがないわけではないが、初診となるとちょっと厳しいと言わざるをえない。
  • 2019/1/22 11:09
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1月19日の外国人患者の総数は18人、フィリピン人7人、ベル―人4人、ベトナム人2人、タイ人、韓国人、カンボジア人、ナイジェリア人、ネパール人各々1人。当日の外来患者総数が84人なので21.4%を外国人患者が占めていることになる。とすると、これは僕のクリニックのおよそ平均値、いつもの光景ということになる。29年も同じような診療を行ってきたので、とりたてて「大変」ということもなく、それでもときどきは考え方のちがいなどで少しばかりいらいらすることもあったり・・・で、すごしてきた29年だった。人間、頼りにされるとそれなりに嬉しいもので・・医師から見ていい加減な受診状況だと判断できても、嘆くことはあっても怒ることはなく・・嘆きの理由をその時その時、説明して来たつもりだ。このクリニックの存在意義があるとすれば、だれにでも門戸を開いていることだろうか。カンボジア人の母親に付き添って、日本に帰化した娘がやってきた。僕が初めて彼女と会ったのはたぶん彼女が2歳のころ。日本人と結婚し、数カ月前に待望のあかちゃんが生まれた。つい一週間ほど前に用事があり、電話をしたところ、声が別人のように暗い。育児で考え込んでいるのだと言う。母親の診察の後、少し話をしたが、いわゆる育児ノイローゼの入り口にいるようだ。帰り際に心を込めて抱きしめた。
  • 2019/1/21 9:13
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立て続けに二人、フィリピン人男性46歳、フィリピン人女性59歳、高熱で来院、検査の結果はA型インフルエンザ。その後にやってきたベル―人一家、やはりA型インフルエンザ。いずれも予防接種を受けていない。どれぐらいの外国人患者がインフルエンザの予防接種を受けているのか、気になり、慢性疾患で通院している人を含めて訊ねてみると、やはり国籍にかかわらず、受けている人が圧倒的に少ない。インフルエンザに対する認識がどうも甘い気がする。フィリピン人女性63歳、日本で結婚している妹に会いに来た後、そのまま帰国していないのか? 前回、やってきてから時間が経過しているが不自然。もしそうだとしたら大きな病気になったらどうするつもりなのかと心配になる。付き添ってきた妹に、採血の結果がいつわかるかを話したところ、電話で姉に連絡をしてきてもらうと話していたので、これはいっしょに住んではいないということなのだろう。結婚相手を探しているとか、もう探したとか、へんてこりんな話になっていなければいいのだが・・・
  • 2019/1/21 9:11
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アメリカ人男性38歳、隣のE市からやってきた。フィリピン人スタッフが先に問診をしてくれていて「胸やけ」というメモがついていた。この若さで逆流性食道炎というのも考え難いので、詳細に話を聞いてみることにした。すでに内視鏡検査は市内の病院で受けていて、ヘルニアがあると言われたそうでH2receptor antagonistが処方されていた。内服して少しはよかったが、すぐに「もとの状態」に戻ってしまったとのこと。その時点で、担当医から僕のクリニックに行くように勧められたとのことだった。その病院の内視鏡検査のレベルはよく知っていて、大きな病変を見逃すこともないだろうと判断した。逆流性食道炎と鑑別診断が必要になるのは心疾患だろうと思い、心疾患に関する検査を受けたかどうかも訊ねてみた。すると日本ではないが、米国にいたころに何回か胸が苦しくなり、狭心症かと疑われて専門病院で検査を受けたが、そのような異常はなく、ただし、病的ではない不整脈があるとのことだったという。したがって内服薬も必要ないと言われたとのこと、これでとりあえず心疾患は否定してもいいと思った。さらに訊ねるとirritable diseaseと言われたことがあるとのことで、irritable diseaseの存在や病的ではない不整脈が現れるときがあることなどを考え合わせると、かなりメンタルに繊細なのだろう。とりあえず、H2receptor antagonistで治療効果が薄いということなので、Protonpump inhibitor に変更して酸を強く抑えてみようとオメブラゾール20ミリを就寝前に1錠処方してみた。効いてくれるといいのだが。気になったことがもうひとつある。不法滞在でもなく、短期滞在でもないのに日本の公的保険に加入していなかったことだ。たぶん加入資格があり、かつ加入が義務であるのに加入していないということなのだろう。罰則がない義務なのでこういうケースがありうる。つぎにやってきたときに詳しく訊ねてみようと思う。
  • 2019/1/18 10:18
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