AMDA国際医療情報センター
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プロフィール

小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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20180417のエントリ

ネパール人男性37歳、頭痛が一か月半ぐらい続いていると来院、頭痛の性状は血管拍動性で、頭痛があっても仕事はできるとのこと、これらから片頭痛ではなさそうと判断した。血圧を測定すると140/100、以前に計測した時には120/ だったとのことから高血圧のための頭痛ではないかと推測し、アムロジビンの5ミリを1週間処方して様子をみることにした。よく見ると日本の公的保険に加入していない。処方箋のほうには公的保険らしき番号が印刷されていて、どうしたのか?と思ったが・・・以前は国保に加入していたそうだ。掛け金を支払うことがなく、無効になってしまったのだそうだ。日本の公的保険制度、国民皆保険制度は世界に冠たる保険制度であり、外国人でも加入資格のある人たちは加入する義務がある。ところが、この加入義務は罰則のない義務であるため、こういう人たちが生まれることになる。一般的に日本の公的保険に加入していない人たちと言えば、つい不法滞在と思いがちだが、そうではない。まず駐留米軍の軍属や外交官は外交特権があるかわりに加入できない。つぎに3か月未満の短期滞在者も加入できない。日本の公的保険に加入するには住民基本台帳に掲載さけなければならないわけで、両者ともに掲載されないので、したがって加入できないわけだ。つぎに自分の判断で加入しない人たちだが、このネパール人などのように掛け金を支払うのがいやで加入しない人たちがいる。南米やアジアからの出稼ぎの人たちの中に多い。病気でないときにも掛け金を払って、お互いに助け合うという趣旨が理解できておらず、支払う掛け金があるならば、それを母国の家族に送ってしまう。こういう人たちは重い疾患に罹患した時には支払っていなかった公的保険を使おうとするのだが、役所で支払っていなかった近々の数年分の掛け金を一括払いするように求められ、それが支払えずにけっきょくは医療を受けることをあきらめて重症化して運び込まれるか、医療機関に医療費の未納を積みあげることになる。いつも思うのだが、日本に入国したときにまちがいなく加入してもらう方法はないものだろうか? もうひとつ、公的保険に加入資格がありながら加入していない人たちがいる。欧米からやってきた人たちだ。彼らは母国で高い民間会社の保険に加入しており、日本の公的保険に加入する意義が見いだせない。「二重に」保険金を支払うことがばかばかしく思えるようだが、この判断も実はまちがっている。彼らが加入している民間保険には支払いの上限があるし、出産には使えないものもある。ところが日本の公的保険制度の中では高額医療費助成制度というものがあり、どんなに高い医療を受けようと、それが保険診療であるならば、一か月の支払いが収入により異なるが、6万円程度で済んでしまう。また出産については出産一時金があって、ほとんどの出産はこれで賄えてしまう。こんなことがおこるのも公的保険への加入が罰則なき義務であるからだと思うのだが、いかがだろうか? 逆にいえば「必ず加入する」ことが担保されるならば、医療機関での外国人患者の医療費未納は相当に減るものと考える。
  • 2018/4/17 9:10
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