AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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20171215のエントリ

午後3時すぎごろ、待合室を通ったら見慣れた顔があった。高校生の制服を着たフィリピン人のYちゃん15歳だ。母親はフィリピン人で、父親もフィリピン人、母親が日本で再婚し、4歳か5歳のころに母親に引き取られて来日、以後ずっと僕のクリニックで診ている。
小学校の低学年のころに深夜に外を出歩いている彼女を見かけたことがあり、どうしてこんな時間にと心配したこともある。母親が夜の街で働く間、フィリピン人仲間のアパートなど転々としてあずけられていたらしいと聞いた。診察室でYちゃん、大きくなったねと話しかけても浮かない顔つき、どうしたの?と訊ねると、「私、家出してるの」と一言。いまは「保証人」の家にいるそうだ。幼いころから母親の気にいらないことがあると殴られることがあったそうで、今回はYちゃんがアルバイトを掛け持ちして疲れ果てたことから口論となり、母親が逆上してベルトで殴られたという。Yちゃんはそのまま警察に行き、これはこどもに対する虐待だと警察官に訴えたらしい。施設に入りたいと訴えたが、母親の話も聞かなければという警察官の勧めで、いっしょに母親のいるアパートに戻ったところ、母親からどこにでも行けと言われて「親に捨てられたんです」と淡々と話してくれた。その後、母親からお金を貸してほしいという連絡があり、「フィリピンに送るお金なんか必要ない、こっちでこんなに困っているのにどうして送るのかと思う。母親はフィリピンに貸している家が二つもあって、三つ目の家を建てている最中で、そんなためのお金を送る必要もないと思う」と続ける。この話、すべて彼女の言うことに嘘偽りがないのか、僕には知る由もないが、母親の行動については別のフィリピン人から聞いた通りなので、大きくまちがっていることはないと思う。救いはYちゃんの成績がそこそこいいことと、昨日も同じ制服を着た友達がずっと診察室の外で待っていてくれたことだろう。
  • 2017/12/15 14:00
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