AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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201704のエントリ

昨日書いた83歳のアメリカ人男性の上部消化管内視鏡検査はなかなか大変だった。挿入がうまくいかず、ここで3分程度時間がかかってしまった。非常に我慢強い人だと思う。胃の中にはとくに所見がなかったが、明らかな食道裂孔ヘルニアがあり、さらに発赤した縦長の線が放射線状に3センチ程度口側に伸びていて、逆流性食道炎と診断した。ところが胸やけなどの症状は全くないと言う。症状が出現することがあれば、プロトンポンプ インヒビターなど逆流する胃酸を抑える薬を内服すべきだろうというところまで話しておいた。僕の上手とは言えない英語で説明したのだが、あとで職員に聞いたら日本語が上手なのだそうだ。職員とは英語ではなく、日本語で会話しているとのことで少しショックを受けた。フィリピン人男性24歳、重労働するのに「健康でだいじょうぶ」という内容の診断書を書いてほしい、そのための健診を受けたいが、簡単でいいと言う。かんたんで・・・という発想は費用を考えてのことだろうが、何も検査をせずに血圧と脈拍、聴診程度で「健康で働けます」と書けるわけがない。書いた後にもしも彼がなにかで入院などするようなことがあれば、診断書を書いた僕が法的に問われることになる。最低限、胸部レントゲン写真と検尿もすべきと話して施行した。即日で診断書がほしいと言われると生化学の血液検査はできない。診断書には「上記の検査は異状なく・・・」と書いておいた。こういうひとつひとつが自身の危機管理だと思う。
  • 2017/4/14 9:00
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ナイジェリア人男性46歳、はじめてのがん検診に来院。胸部レントゲン写真を2方向で撮影し、胃がん検診のための内視鏡検査を予約し、大腸がん検診の検便容器を持って帰っていった。胃がん検診のための内視鏡検査は今年は今のところ、平日は午前にひとり、土曜は二人を原則に、症状のある方は午前でも午後でもできるだけ早く行うことを原則としているため、すでに5月の中旬まで胃の内視鏡検査は予約でいっぱいの状態。こういう状態なので、とくに外国人の患者にはドタキャンしないようにとお願いしている。少し前に言ってもらえると別の患者の検査を入れることもできるが、「当日来ませんでした」では対応ができない。きょうも米国人患者の内視鏡検査がひとつ入っているが、ドタキャンありませんように。スリランカ人男性41歳、のどがやけるように痛いと来院。38度台の発熱で咳痰はないとのこと。症状から溶血連鎖球菌の感染症を疑って、キットで検査を行ったところ、陽性反応が出た。僕らがこどものころならしょう紅熱と呼ばれたものだ。当時は隔離の対象だった。もともと小児に多い疾患なので、小児科のほうで診てもらった。ペルー人女性56歳、高血圧の薬だけ処方してほしいと窓口で頼んだということで処方だけした。僕が進行胃がんを見つけた日本人配偶者の状態があまりよくないと以前から聞いていたので、心配していたが、精神的に少し弱いところがある彼女に今のご主人の状態を尋ねることはできなかった。
  • 2017/4/13 9:00
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昨日は雨が降る肌寒いような日だったが、僕のほうだけで外国人患者が12人来院、小児科とも合わせると20人近い数だろう。フィリピン人男性24歳、肝機能が悪く肝機能庇護剤を処方していて、次は採血を行って経過をみようと話していたのに・・・内服が1か月途絶えていた。結論としては今回は採血せず、処方を再度30日分行って、次回に採血を行うこととした。1か月遅れてしまったことに少し落胆。フィリピン人女性81歳、ここに通って来てから血圧が高くなることがなくて気持ちがいいと言ってくださる。少し気持ちがアップ。どうも僕は単純らしい。ペルー人男性47歳、高血圧で処方していたのに、1年近く来院せず。左の胸がきゅっと痛くなる時があると訴えるので心電図を撮ってみると虚血性心疾患を疑う所見があったので、市内の循環器専門病院を紹介。たばこの香りがしたので、たばこはこのような心疾患にとってよくないと話し、禁煙を迫ったが、してくれるだろうか?
ガーナ人男性48歳、高血圧で拝見していたのに、この2か月来院せず。風邪をひいてやってきた。風邪の診察を済ませると、頭が痛いと訴える。もしやと血圧を測定すると降圧剤を内服していたころの血圧が130台に落ち着いていたのに・・・180/100となっていた。降圧剤も処方。このように慢性疾患のフォロー一般的にはむずかしい。毎回、継続治療の意義や意味について話しているつもりだが、今日のようなことが多い。めげちゃいけない。こんなことでめげるとやっていけないし。
  • 2017/4/11 9:00
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フィリピン人女性50歳、以前は形容しがたいぐらい太っていたが、食事療法などきちんと行っているそうで、見た目にもわかるほど体重が減ってきた。血圧も安定している。フィリピンで看護師として働いていたという娘さんが付いてきたので、診察の後、しばらくフィリピンの医療制度などについて質問させてもらった。以前に妊娠確認後、全く病院に行かず、出産直前になって近くの公立病院を受診、出産をお願いしたが断られたというフィリピン人女性がいて、困り果てて僕のところにやってきたことがある。相談を受けた僕も困り果てた。というのも途中経過のわからぬ出産を引き受けることは産婦人科医にとっては大きなリスクを抱えることになるからである。それで同僚の医師から頼まれてやむをえず・・・ということなら、きっと彼は僕を恨むだろうし、恨まないまでもうらめしく思うことだろう。そのケースも結局、役所に話を戻して、役所から公立病院に話をしてもらい、無事出産したが。決して美談などではない。このケースについて細かに話したところ、やはりフィリピン国内でもこのように、出産間際になってはじめて病院に駆け込むケースが少なくないそうだ。やはり故国でのある意味の「習慣」、なかなかなおらないのだろうか。
  • 2017/4/10 9:00
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アメリカ人男性82歳、はじめての胃がん、大腸がん、肺がん検診の申し込みを行ってくれた。長く日本に暮らしてはいるようだが、日本語はほとんど話せず、したがって問診票も読めず。こういう問診票の類への記入は外国人をがん検診や特定健診そして予防接種等から足を遠のかせている原因のひとつだと思う。なんとか工夫のしようはないものか。フィリピン人スタッフが懸命に手伝ってくれて、ようやく問診票への記入が終わった。その内容を確認しながら、とりあえず、肺がん検診の胸部レントゲン2方向は撮影できた。胃がん検診について、のどの麻酔だけでできるのか、あるいは鎮痛剤を薄めて注射して軽民状態で行ったほうがいいのかと尋ねると、内視鏡検査は以前、軍属であったころに受けた経験があって問題がないし、注射は嫌いなので、のどの麻酔だけでいいと答えてくれた。彼が帰った後で、フィリピン人スタッフと話していて、彼が受けた内視鏡検査というのが、大腸内視鏡検査であることがわかった。ほんとにのどの麻酔だけでできるか、一抹の不安が残った。おまけに・・・・注射は嫌いだからと話していたが、のどの麻酔だけで行うとしても胃の動きを止めるために、スコポラミンの筋注は必要となる。絶対的に必要ではないが、筋注しないで内視鏡検査を行うと、胃液分泌と胃の動きで非常に観察しにくい。今から13日の検査麻痺が心配だ。
  • 2017/4/8 9:00
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カンボジア人女性78歳、高血圧で治療中、次に診察した日本人女性に「先生、さっきまで目の前に座っていた人、やさしい人ね、どこの人?」と言われた。もともとカンボジア難民として日本政府に受け入れられた1000人余の一人で、彼らを受け入れる定住促進センターの嘱託医を兼務していた僕にとっては同志のような気がする人たちの一人だ。40台になって来日して勉強したにしては上手な日本語だ。彼女たちが逃げ出したころのカンボジアはポルポト政権下で、原始共産制を礼賛、貨幣を廃止し、農業だけが労働という考えのもと、プノンペンなどに住む都会の人々を集団でいなかに連れて行き、肉体労働に従事させた。朝、起きたら昨日のことは夢だったなんてことがあるのではないかと何度も思ったそうだ。その中で、医師、看護師、教師、銀行員などいわゆる知識階級とよばれる人たちを徹底的に弾圧、一家ごと処刑した。仕事がわかると殺されると思った人々は口をつぐんだり、虚偽の申請をしたりしたのだが、そういうときは子供だけを呼んで、両親の仕事を尋ねたという。こどもは嘘を言わない、復讐を恐れ、こどもも含めて一家ごと殺した。結婚は党の命令による強制結婚だけとなり、それに逆らう者も処刑された。ポルポト政権下では数百万人が殺されたと言われ、たぶん今のカンボジアの人口構成でみると40台、50台の人が極端に少ないのではないかと思う。難民として日本に合法的に受け入れられたカンボジア人は東にタイとの国境を越えて、人に見つからぬよう、昼はジャングルに隠れ、夜はそのジャングルの中を歩き、サケオ県のカオイダン難民キャンプにたどり着いた人たちだ。カンボジアとの国境があるサケオや北のブリラム、スリン、シーサケット等の各県にはカンボジア語を話すカンボジア系のタイ人も多く、彼らをかくまった人たちも多いと聞いた。午前中にさらにカンボジア人女性81歳、娘さんに連れられて現れた。精神科疾患もあるのだが、日本語が話せず、僕でなくてはだめということで長年拝見している。
  • 2017/4/7 9:10
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桜が満開になり、暖かくなって気持ちがいい。ただこの時期、郡市医師会も県医師会もNPOも総会や代議員会を控え、準備にあわただしくなる。アメリカ人男性42歳、35日分の処方を頼まれたが、彼に処方している睡眠導入剤だけは30日分しか処方ができない。もしかして睡眠導入剤が手元にいくつか残っていないかと尋ねたところ、ちょうど1週間分ぐらいあると言うので、睡眠導入剤だけ30日分処方とした。フィリピン人男性32歳、B型肝炎のキャリアでフィリピンで買ったというインカビルという抗ウィルス剤をすでに2年半ぐらい内服しているとのことで、その治療効果をチェックするために先週来院したのだが・・・血液検査の結果、肝機能は異常なし、ただし、HBs抗原は陽性、同抗体は陰性で治療効果がない状態。このような抗ウィルス剤は日本でも高価だが、フィリピンでも高価なはず。尋ねてみたら、一回に買うのに50万円以上使っているとのことだった。驚いた。フィリピンの物価で50万円といえば私立の看護学校の授業料の2年分だ。日本の公的保険もあり、日本で生活していくということなので、近くの公立病院の消化器科を紹介した。内服するならキチンとしたプログラムに沿って適切な薬を使わなければ意味がない。今までは手元にインカビルがなくなってしまう期間があり、「飲んだり飲まなかったり」であったのとこと。紹介して先方に情報を伝えたところ、英語、タガログ語しかできないのなら英語の通訳がいないと診られないとの話で、またまたややこしいことになってしまった。最終的には、どういうシステムになっているのか、通訳が見つかったとのことだが、水曜日の予約になったので、僕のところのフィリピン人スタッフが付いていくのかもしれない。
こういうサービスについては個人的に行うことでもあるので、してはいけないとかしてあげてほしいとか僕は一切、言わないことにしている。
  • 2017/4/6 9:17
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ペルー人男性38歳、便秘が強いとのこと、こういうケース、中には大腸がんのケースもあるかもしれず、そのような深刻な疾患を見落としてはいけないと特に気を使う。患者からみるとどうやら大げさに考えていると思われているらしく、大腸内視鏡検査についてやんわりと勧めてみたが、断られてしまった。しばらく緩下剤でようすをみることにした。韓国人男性58歳、数日前に仕事中に手の甲を切ってしまったとのこと、市販の傷を覆うシールを貼っていたらしいが、感染をおこしかけていた。包帯交換と抗生物質の処方を行った。こういうシールが街中で入手できることがいいとは限らない。医療費削減と聖域なき改革とやらの産物らしいが、けっきょくのところ、感染をおこしたりして医療機関にやってくる人が絶えない。店側の言い分としては「売るときになにかあったら医療機関へと注意はしている」と言うのだろうが、実際には相当ひどい状態になってからやってくる人も少なくない。包帯交換をしていて、この男性が以前よりずっとやせてみえることに気がついた。6キロ減ったと話していたが、糖尿病など体重減少にかたむく疾患があるのではないかと心配になった。朝、某出版社から一冊の本が送られてきた。分担執筆したものだが、僕が原稿を書き終わったのが1年前、依頼を受けてすぐに書き終えたのを覚えている。たしか締め切りは夏ごろだったと思う。分担執筆は分担する人が多くなると、中には執筆が遅い人もいるのだろう。遅れに遅れてしまう。タイムリーな内容ならやはり一人で書き上げるべきなのだろう。これで一人で書き上げた本が6冊、分担執筆が4冊、すべて開業してからとなった。
  • 2017/4/4 8:59
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ドミニカ人の9歳の御嬢さん、1週間前に転倒して怪我をした顔面の傷のチェックを行った。女の子の顔であることから母親が非常に心配していたが、深刻な傷痕にはならないと説明した。それでも心配がつきないようで、そろそろ入浴してもよいと話したが、あの分ではしばらく入らないのではないかと思った。ペルー人男性54歳、胃の調子が悪く、内視鏡検査を施行した。軽度の逆流性食道炎あり。そういえばお子さんがふたりいたことを思い出し、尋ねてみてみたら、大学生ですとの返答。驚いた。もうそんなに月日が経っていたのかと。その息子さんが付いてきており、僕と同じ大学の理工学部の2年生と教えてくれて、またびっくり。本人も勉強、がんばったのだろうが、父親母親とも必死に働いて安くはない入学金、授業料を出してくれたにちがいない。ペルー人男性52歳、ピロリ菌の除菌療法後の呼気テストで陰性となっていた。よかった。フィリピン人女性31歳、バセドウ病だというのにいつもいいかげんに内服していて・・・というかコントロールできてしばらくすると内服しなくなってしまう。何度も何度もフィリピン人スタッフを通じて話しているのだが、このいい加減さが治らない。今回も甲状腺機能抑制剤を大量に投与し、ようやく手の震え、動悸などの症状が落ち着くところまで持ってきた。都内からやってきたフィリピン人女性27歳、右の季肋部が痛いというのだが、なんとなくおなかが出ているような気がしたので、尋ねてみたら妊娠17週とのことだった。レントゲン検査はあきらめてエコー検査を施行、とくに胆石などはなし。肝機能について採血を行った。
  • 2017/4/3 9:00
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木曜日の午後、ペルー人で日本語があまり上手に話せないという人の代理人という人から電話があり、ヘルニアは診てもらえますか?と言っているとスタッフから聞いた。「鼠径ヘルニアでも診ることはできますよねぇ、先生」と尋ねられ、いいよと答えた。手術はできなくても診断はできまよねぇという意味だ。外科医現役のころはおとなの鼠径ヘルニアもこどもの鼠径ヘルニアも「たくさん」手術していたっけなんて思いながら。問い合わせの電話があっても来院するとは限らない。あまり気にせずにしていたら、翌31日の昼前になって初診のペルー人男性42歳が現れた。スペイン語ではヘルニアではなく、最初のHを発音せずにエルニアと言う。どこにエルニアがあるの?と質問したら、つい最近、ペルーからやってきたらしく、ペルーでの医師とのやりとりを教えてくれた。症状はというと胸が苦しいらしい。内視鏡も行って・・・というくだりで気がついた。鼠径ヘルニアではなく、食道裂孔ヘルニア、英語でHIATAL HERNIAのことだったのだ。彼には悪いが、ちょっと苦笑してしまった。ヘリコバクター・ピロリも陽性で除菌療法を受け、陰性にはなったが、それから胃や食道の症状が強くなったとのこと、なるほど、食道裂孔ヘルニアのある人に除菌療法を行った結果、胃酸の逆流が強まったにちがいない。食事も済ませて来ているので、まずはプロトンポンプ インヒビターを2週間程度、処方してみよう、内視鏡検査を行うかどうかはそれから考えようということになった。
  • 2017/4/1 9:00
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