AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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20161224のエントリ

今年最後の土曜の診察日になってしまった。1年間が早すぎる。フイリピン人女性52歳、頭痛と右の前腕の軽いしびれがあるとやってきた。血圧も高くなく、現在、しびれも脱力感もなく、ほかの神経学的な症状もなし。軽度の喉の痛みと鼻水があるようで、風邪による頭の痛みと考えてもいいのだが・・・本人もすでに症状が消失しかかっているので様子をみるということにした。日系ブラジル人男性50歳、高血圧で内服薬を処方中。以前に福島の原発の除染に携わっていた。やはり危険な分だけ、給与がいいから選択したのか、あるいはこういう仕事しか見つからなかったのか?自分の健康を危険にさらして稼ぐというのもせつない。薬をたくさんほしいと言うので、どうして?と尋ねるとあすからタイへ行くとの返事。ああまだ続いていたんだ、よかったと思った。何が続いていたかというとタイ人女性とのつきあいである。このタイ人女性、患者として長く診ていた。ずっとこの近辺に住んでいて日本人の配偶者もいた。この配偶者が怪我をしたときにいっしょにやってきてかいがいしく世話をしていたのを記憶している。ただ、ばくちと酒が好きでそれが嫌いだとも言っていた。東日本大震災のときにチャイヤプーンという東北タイの実家から放射能が危険だから帰ってこいと言われて帰国してしまった。帰国は1年以上にもなり、配偶者との関係はどうなったのか?と思ったころにひょっこり顔をだしたので驚いた。しばらく流ちょうな日本語を駆使して介護施設で働いていた。タイ人社会は高齢者を大切にするので、彼女にとっても天職だったかもしれない。やってくるといつも嬉しそうに介護施設の入居者とのショットを見せてくれた。それが4か月ぐらいでまた姿が見えなくなってしまった。その後、この日系ブラジル人男性が診察にやってきたときにタイへ行くというので、バンコクか?と尋ねると「いや、もっといなか、彼女の家に行くの、ああそれから彼女が先生によろしくって」と言われて、しばらく絶句してしまった。「もしかしていなかってチャイヤプーン?」と尋ねると「そうです」という返事が返ってきた。あれからもう3年、ふたりにとってもよかったかなと思う。ところで彼がタイに行く期間はほぼ1か月、これでは「普通の」日本の会社では勤まらないだろう。こういう自国での習慣はなかなか変えられないものらしい。年末年始や夏季休暇など、いつも日本人の患者には「1週間も休むの?」と言われてめげているのだが、彼には「1週間?短いね」と言われてしまった。
  • 2016/12/24 9:00
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