AMDA国際医療情報センター
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プロフィール

小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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201612のエントリ

フィリピン人男性72歳、夜間頻尿があると来院。彼はフィリピン生まれ、フィリピン育ちだが、父親は太平洋戦争前に日本から移住した日本人だ。戦後数十年を経て、ようやく日本人の子孫ということが確認できて日本国籍を復活できたひとりだ。フィリピンには太平洋戦争が終わるまでに生まれ、周囲からあるいは本人が日本人の父親とフィリピン人の母親との間に生まれたこどもである、すなわち日本人だという人が3400人程度はいるそうだ。しかし、戦後、生き残った日本人である父親は日本に強制送還され、残ったフィリピン人の母親とこどもたちは日本人を憎むフィリピンの人たちやゲリラの仕返しを恐れ、日本人であるという証拠を焼いたり捨てたりして苦しい生活をしてきたそうだ。3400人程度のこれらの人たちのうち、日本人の子孫であることが確認できて日本国籍を回復できたのはその半数以下であるそうで・・・話は長くなった 彼はその一人だ。そういう理由で日本語は全く話せない。やむをえずに過活動膀胱の薬を2週間ほど処方してみたが、まだ症状があるというので、前立腺のチェックをしてみた。肥大症の内服薬を処方しつつ、前立腺の腫瘍マーカーであるPSAを採血して測定してみたところ、正常値が4.0以下なのに33.1という数字、直腸肛門診では前立腺は固く大きく触れる。このデーターからは前立腺がんを疑わざるをえず、日本語が話せないとしても僕のクリニックで診るわけにはいかないので、このあたりの理由を説明して近くの公立病院の泌尿器科への情報提供書を書いたが・・待っている間、彼の顔色が蒼くなって不安におびえていることがよくわかった。がんと決まったわけではないが、精密検査が必要なので行ってもらいたいとは話したのだが・・・。
  • 2016/12/12 9:00
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昨日のAMDA国際医療情報センターの日誌に・・・某東南アジアの国の男性からの相談があった。10歳の御嬢さんが大腿骨頭すべり症で骨頭壊死の可能性があるため、先月14日に手術を受けたが、これまでの治療費と合併症がおこった場合の治療費を含めて400万円が必要、一家は外交ビザで日本に来ており、プライベート保険にも入っていない、某区役所に尋ねたらAMDA国際医療情報センターの電話番号を教えてくれた、何か支援の制度はないかというものだった。このケース、本当に400万円もかかるのか?というような疑問もなくはないが、まずは父親が述べたことが真実として考えてみた。手術前に治療費がおよそいくらになるか?ということは病院側から話を聞いて入るはずで、それに対して誓約書も書いているはずなので、父親の責任は問われるだろう。またプライベート保険に加入してこなかったことも大きな問題であると思う。故国よりはるかに物価の高い日本に赴任するにあたり、「病気になったらどうするのか?」という備えを全く考えていなかったと受け止められる。さらに踏み込んでいえば、この手術を行った日本側の病院が外交ビザについて知っていたのかどうかも問われるだろう。外交官は日本の法律には従わなくてよい外交特権を持っているが、そのかわり、当たり前だが、住民基本台帳に記載されることはなく、したがって在留カードもない。在留カードを持たなければ、結核などの感染症に関する医療制度や児童福祉法第22条(出産助成)以外は適用されない。もちろん国民健康保険にも社会保険にも加入はできない。そして民間の保険に入っていなかったことも確認していたのかどうか・・・こういうケースで医療費の未払いが発生すると日本側の医療機関に入院治療については外国人の受け入れを拒否する動きも出かねないと心配している。ではどうしたら一番よかったのか?と質問されると、「はい、これです」ときっぱり言えることができないが、おそらく、救急ではなかったと想像されるので、ベトナムに一時帰国してベトナムの病院で治療を受けることがベストアンサーではないかと思う。すなわち、こういうケース、ケースが発生してしまってからでは対処法がほぼないのである。だから日本側の医療機関にも治療に踏み切ってしまう前に、外国人医療に関する情報を集め、慎重に判断することが求められるのではないだろうか。
  • 2016/12/10 9:00
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フィリピン人女性59歳、診察室に入って来るなり、「ドク、メリークリスマス」と一言。フィリピンでは9月頃からクリスマスに向けて、日本の街角のジングルベルのように準備が始まり、12月に入るとそれが佳境に達する。クリニックの周囲のフィリピン人コミュニティでも週末になるとどこかでパーティが開かれ、レチョンは無理としてもアドボやチョコレートを好きなだけ食べる機会が多くなり・・というわけで、この時期、採血してコレステロールや中性脂肪をチェックしようかと言うといやがられる。フィリピン人女性49歳、風邪をひいて来院。こちらも入って来るなり、メリークリスマスと言いながら、手の平を上にしている。なに?と尋ねると、だってさ、クリスマスでしょ、何かプレゼント用意してあるんじゃないの、ドクと返事。そうだ、じゃ血液検査プレゼントしようか?と言うと、いやだあ、そんなのと笑いながらいやいやの仕草。看護師等スタッフが周りで笑ってみている。クリニックのタガログ語の通訳スタッフによると、こういうクリニックなので皆が来やすいそうだ。こういうギャグも本当の狙いはそこなのだが・・こういう関係にならないとなかなか正直にいろいろな相談をしてくれないし、僕にも彼らの考え方などがわからない。一石二鳥というわけだ。ついでにいうと僕は日本人の患者に対してもいつもこんなジョークを連発している。よく考えたら、きっと僕自身の性格なのだろうと思う。仕事は楽しくやらなくちゃ。
  • 2016/12/9 9:00
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高血圧で定期的に受診しているタイ人女性、69歳、血圧測定してよくコントロールされていた。カルテを書いていたら、タイ語でごめんなさいと謝っている。何がごめんなさいなのかを尋ねたら・・・いつもやってくるときに豚のひき肉で作ったネーンというソーセージを作って持ってきてくれるのだが、今日は忘れてしまったと。そんな心配しなくていいよと二人で大笑い。笑いながら彼女が手が僕の膝に軽く触れた。こういう仕草は感情が通じ合っている証拠みたいなもので、無礼な・・というより、むしろうれしいと言わねばならないだろう。ベトナム人女性52歳、げっぷが出るからと同じベトナム人のお嫁さんを通じて胃の内視鏡検査の申し込みがあった。先月、その予約した内視鏡検査をすっぽかした。今、大和市の胃がん検診で12月末まで検査は予約でいっぱい。行けないなら行けないと早く言ってくれたら、ほかの人に枠をまわすのに、もったいない。今回ももしや来ないかと思っていたら、ぎりぎりに現れた。検査の結果は大きな異常なくよかったのだが・・こういう「すっぽかし」は明らかに日本人より外国人のほうが多いという印象だ。先方がめげない程度に注意をした。
  • 2016/12/8 9:00
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季節が寒くなると朝のうちがすいていて、10時半をすぎたころから混んでくる。夏は朝の内が混んでいて11時をすぎるとすいてくる。クリニックにもこういう季節感があるのだが・・・きのうは朝のうち、日本人の患者が少ない時間帯、外国人患者が多かった。フィリピン人男性72歳とその奥様のフィリピン人女性76歳。ご主人は高血圧の治療、その後、右の膝が痛いと話してくれた。湿布をしてもだめだと。こういう場合、やはり言葉の問題があったとしても整形外科の専門医の診察を受けるのが一番いい方法と言わざるをえない。「ここじゃだめなのか」というがっかりした表情をみるのはつらいが、真実は伝えた方がいいと思った。奥様は痔の治療の続き。前回の坐薬の処方でずいぶんとよくなってきたようで、一日一回の坐薬使用を続けることにした。アメリカ人男性42歳、高血圧にて治療中だが、昨日は160/100と高かった。最近、また寝られないらしい。親族に危篤状態に近い人がいてもうすぐニューヨークに行くとのこと、こういう事情も血圧に影響しているかもしれない。米軍基地の中の大学を来年の春には卒業するそうだ。勉強までしているとは知らなかった。ベトナム人男性65歳、げっそりとやせてきたので、心配して糖尿病、甲状腺機能亢進症、消化管のがんなどいろいろと心配して検査をしてきたが、何も異常はなく、数か月経過しても体調に大きな変化がない。きのうは息子さんが付き添ってくれて、食べたりすると体が熱くなる感じだと本人が言っていると教えてくれたが、こういう「熱くなる」という表現、中国や東南アジアの人が同様の訴えをすることがあるが、どういうことを表現しているのか、いまだによくわからない。痛いの?と尋ねても痛くないと答えるし、重い感じ?と尋ねてもちがうと言われてしまう。今週末の土曜がベトナム人通訳がやってくる土曜日なのだが、彼はどういうわけなのか、日本語は不自由なのにもかかわらず、通訳来院日には来てくれない。なにかしら個人的な事情や感情があるのかもしれないとしつこく勧めることはしないのだが・・・わざわざこういう日本語がわからないベトナム人のために来てもらっているのに・・・残念だ。
  • 2016/12/6 9:00
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寒くなってさまざまな感染症が流行しだすと外国人のこどもたちの受診が一段と多くなる。3日の土曜も感染性腸炎に風邪と11人であった。僕のほうはというと・・・インド人39歳、横浜から受診してくれてもう5年近くになるだろうか。わざわざ遠方からやってきてくれて申し訳なく思うこともある。高血圧と高脂血症で拝見しているのだが、血圧は降圧剤でコントロールできているが、中性脂肪が全くコントロールできない。食べ過ぎてはよくないものなど栄養指導もしているのだが、全く効果なし。おまけに最近、血糖値とHbA1cもじわじわと上昇していて、正常値の上限を突き抜けている。どうしてこんなことになるのかと考えてみたが、やはりあのカレーだろうという結論に行きついた。インドのカレーの作り方をみていると、あれで中性脂肪が上がらなければ不思議というぐらいの成分である。何度も何度もカレーを減らせないか、あるいは中味について改善の余地はないのか、尋ねてみたのだが、微笑みながら「ない」と一言。やはりソールフードはやめられないものらしい。
  • 2016/12/5 9:00
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ペルー人男性43歳、隣のA市からやってきた。先週、下痢と吐き気が数日あったが、もうよくなったとのこと。ところがそのあたりからめまいがひどくなったと教えてくれた。めまいをひきおこす疾患は耳鼻科関係だけでなく、内科の分野でも少なくないが、まずは血圧を測定してみようと話してチェックを行ったら、160/110であった。日頃の血圧はどうなの?と尋ねると120前後だが、昨年、体調が悪いときに140まで上がったことがあるという返事。日頃、120台の血圧が160まで上昇したらさもありなんとまずは降圧剤を処方した。今度はいつ来れるの?土曜は休み?と尋ねると、休みは日曜だけと言う。こういうときにつぎの一手に困ってしまう。近々来てもらって降圧剤でめまいが解消されたかも聞かねばならないし、もちろん降圧効果についてもチェックしなければならないし、血液検査で肝機能、腎機能、脂質代謝についても調べなければならない。そうでなければその後の長期処方にはつなげられない。うーんと唸っていると、「でも会社に言えばいつでも来れるから」という返事。よかった。そうでなければ今後の治療の計画が立てられない。血液検査の項目にも関係するので、だれか家族に糖尿病の人はいませんか?と尋ねると、母親が糖尿病でインシュリン注射を受けているよと返してきた。検査の時には糖尿病のチェックも必要だろう。
先月11月の新規外国人患者は17人、延べ外国人患者は271人だった。そういえば、インフルエンザが流行る時期になったが、インフルエンザの予防接種を受ける外国人は非常に少ないという印象を受ける。日本人の配偶者がほとんどで外国人同士の結婚で日本に滞在している人や独身の人はほとんに非常に少ない。インフルエンザに罹ってしまい、高熱と体の痛みで「死んじゃうよう。先生」、「いやいや、だいじょうぶ。すぐによくなるから」というやりとりを毎年繰り返しているのだが、なんとかもう少し接種率を上げる方法はないものかと思う。
  • 2016/12/3 9:00
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今週の月曜にAMDA国際医療情報センターに寄せられた相談の中に、結婚しているフィリピン人女性の父親が3か月の観光ビザで来日、交通事故で大怪我をして入院しているが、その医療費について国保に加入されられないか・・・という日本人男性からのものがあった。以前から日本人の配偶者の外国人の両親・家族が観光ビザや配偶者ビザでやってきて、日本に滞在中に大怪我に限らず、脳卒中、虚血性心疾患で入院し、その医療費に苦慮してなんとか国民健康保険や社会保険などの公的保険に加入させられないかという相談はあった。社会保険は組合がどう判断するかだろうからコメントは控えるが、こういうケース、通常は国保に加入できるなんてことはない。この相談者も法務省にまで相談し、いずれビザの種類を変更して国保に加入させられないかと考えているようだが、そんなことを許してしまえばそうでなくても苦しい国保の運営が破たんしてしまう。国保はどこからかお金が出てくる打出の小槌ではない。使ったお金は国保加入者がその収入に合わせて「もしも」のときのために毎月掛け金として支払っている中から出たことになる。そしてその掛け金についていえば、僕が以前に出席していた大和市の国保運営会議でも毎年、掛け金の値上げが提案され、賛成と反対で議論が白熱し、それでも国保というセーフティ・ネットを維持するために最終的にはやむをえず承認されている。このようなケース、治癒すれば当然、故国に帰るのだろう。するとその後に毎月掛け金を支払うなんてことはできるはずもない。悪い言葉で表現すれば、それは国保の高額医療費助成制度などおいしいところをつまみ食いすることに等しい。いつも声を大にして言うのは、こういうケースがあるからこそ日本人の配偶者である外国人の両親・家族が来日する際には、旅行保険または生命保険などなんらかの保険に加入してきてほしいということだ。このあたり、法務省、厚労省、国交省、観光庁などはもっとアピールしてほしい。そうでないと良心に従って受け入れた医療機関が経済的損失を被ることになる。事が発生してから日本側にいる人たちが国保加入を画策してもそれはかなわないと考えたほうがいいし、また国保への加入を許してはいけないと思う。これは人道上という言葉とは別次元の問題だと言わざるをえない。
  • 2016/12/2 9:00
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スリランカ女性31歳、午前中、フィリピン人スタッフに電話があり、風邪ひいて38度の発熱がまだあるが、会社が信用してくれないという内容だった。過去にはたしかにほんとに病気なの?という状態で会社から診断書出せって言われているからとやってきた人もいた。外国人を雇用している日本の会社としてはこのあたり、つい気になってしまうのだろうが・・・この彼女については病気であることはまちがいない。風邪の症状が少しずつ変化しながら、続いているということだ。午前の終わりにやってきた彼女、鼻水と咽頭痛そして頭痛に38.5度の発熱。インフルエンザの検査を念のために行ったが、陰性だった。会社あての診断書を作成した。パキスタン人女性40歳、今年の6月頃、爪に割れるような「すじ」が入り、皮膚科で診てもらっても全くよくならないと来院した。皮膚科で診てもらってよくならないのに、僕が診てよくなるわけないと思い、平塚の駅近で皮膚科を開業している同級生のクリニックまで行ってもらった。すると、カンジダ症だということで経口薬を処方してもらったらみるみるよくなった。薬をやめて半年、また全く同じ症状になったというわけだ。前回、彼からもらった診療情報提供書にその薬の名前が書いてあったので、全く同じように処方した。12月に一時帰国するそうで、治安はどうなの?と尋ねると暗い顔になってしまった。そして・・日本はいいよね、夜中に若い女性が一人で歩いてる、日本に来た時は驚いた、だから日本にいたい・・・と話していた。こどもを持つ親としてもそう感じているのだなと思った。
  • 2016/12/1 9:00
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