AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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201611のエントリ

先週の土曜日の外国人患者数は僕のほうと小児科合わせて22人だった。昨日の月曜日、診療開始のころに近くの某巨大自動車会社から電話があり、研修で来ているスペイン人男性が胸が痛い、血圧が高いと話しているので連れて行きたいがいいか?とのこと。受付の職員にいいと話した。しばらくするとそれらしい人物が日本人スタッフに付き添われてやってきた。48歳の男性、母国では血圧は「ほんの少し」高い程度で、高脂血症で罹っている医師には血圧の薬は不要だと言われており、内服はしていないとのことだった。血圧を測定すると160/100であった。まずは血圧を下げるべく、アムロジピン2.5mgとビソプロロール2.5mgを処方した。今週の金曜に中国に向けて出国、中国には数日滞在してそのままスペインに帰国するというので、今週の木曜に血圧を再検させてもらい、安定しているようなら帰国までの分を処方することにした。英語で会話した初めは固い表情だったが、下手なスペイン語の単語で説明していくと急に表情が明るくなり、帰り際には笑顔でありがとうと言ってくれた。カンボジア人女性80歳、インドシナ難民として日本にやってきて30年になるはず。実はこの一家が陸路カンボジア国境を越え、タイ国側のサケオ県のカオイダン難民キャンプで日本政府のインタビューを受け、その結果、合法的に日本に受け入れられて、ほかの何家族かといっしょに空路成田にやってきて、政府が肝いりで開設したインドシナ難民大和定住促進センターに入所して身体検査から始まって日本語の訓練、職業訓練まで受けたとき・・・・このインドシナ難民大和定住促進センターの嘱託医はこの僕で・・・身体検査を行ったのもこの僕だった。すなわち彼らが最初に接した日本人の医師が僕なのだ。そういう関係もあって30年の時を経ても小一時間かかるところから通って来てくれる。ほかにも遠方からいまだにやってきてくれる同じ境遇のカンボジア人が少なくない。きのうは真ん中の御嬢さんが付き添って来てくれて、すてきな笑顔だった。でも30年という月日を日本で過ごしていても、日本語はほぼ話せない。こういう人が介護が必要になったらどうしたらいいだろうとときどき思う。
  • 2016/11/29 9:00
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26日の土曜日は一か月に一回のベトナム語通訳がやってくる日で、ベトナム人が多かった。82歳ベトナム人男性、同じベトナム人の奥様が今年の夏ごろより認知症症状が顕著になって、彼を通じて何度も介護認定の話などしたが、本人が協力的ではないとのことでご主人もすっかりあきらめている。奥様のほうはお薬だけ処方することが続いていて医師としても心配になるのだが、どうしても医療機関に行くのはいやだそうだ。こういうインドシナ難民出身の高齢者、僕のところに通って来てくれる米国人の精神疾患を抱えた人のように日本人と結婚した外国出身の配偶者の高齢化で「外国人の認知症」という認知症プラスワンの問題を抱えた人たちが大挙して出現するのもあながち大げさとは言えないと思う。たとえ人数が多くなくとも、そういう人を抱えた地域では大きな問題となるだろう。フィリピン人女性81歳、いつもの診察と家族ともどもインフルエンザの予防接種を施行。痛い?と不安そうだったが、終わると「ドク、痛くなかった」と微笑んでくれた。実はこの方も居住している秦野市でインフルエンザ予防接種を受けると市からの補助で2000円か2500円で受けられるはずなのだが・・・慣れない医療機関に行くのはいやだそうだ。外国人患者の場合、その気持ちはよくわかる。じろじろ見られたり、受付で不審がられたり、やっかいな患者が来たと思われたり・・・そういうことがない社会でありたいのだが・・やはり市町村を超えて、こういう事業の広域化が必要だとつくづく思う。
  • 2016/11/28 9:00
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寒すぎる毎日、北海道の田舎の天気はどうかな?とインターネットで調べたら氷点下が続いていた。フィリピン人男性53歳、高血圧で受診中。前回の診察時に採血した結果はLDLコレステロールも中性脂肪もわずかに正常範囲を超えている。この程度の高さが一番困る。「わずかに」などと言おうものなら本人にガッツポーズをされてしまう。これから12月末のクリスマスに向けてパーティが毎週末どこかで行われるのがフィリピン人だ。チョコレートもよく食べる。先回りして注意をしておいた。スリランカ人女性31歳、一週間前に感染性腸炎でやってきたばかりだが、今度は喉が痛い、咳が出るという風邪症状。前回も今回も同じウィルスによる感染症の可能性が高いと話すと納得してくれた。アルゼンチン人男性16歳、背中を痛いと言う。心配した母親が付いてきた。わりと最近、「息が止まりそうになった」とその母親が言う。たしか以前は小児ぜんそくがあったはずだが、今は喘息の呼吸音は全くない。胸部レントゲン写真でも全く異常なし。16歳だがすでに働いていて、母親が言うには「まわりの大人から勧められてタバコも酒もやってる」とのこと、非常に心配しているが、反抗期で言うことを聞いてくれないそうだ。タバコが悪さをしている可能性は否定できない。本人に法律上、年齢的にも酒やたばこをやっていい年じゃない、それにタバコは体にとって非常によくない影響が多いのでやめるようにと説得したが、聞いてくれるかどうか。血圧を計測してみたら130/80 、続けて計測しているうちに124/72ぐらいまで落ちてきたが、最初の血圧は16歳では高すぎるだろう。
  • 2016/11/26 9:00
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なんと11月なのに雪が降った24日、日本人患者はいつもより少し少ないかと思ったが、外国人患者数はいつもとまったく変わらなかった。フィリピン人男性53歳、一週間ほど前に高血圧で来院、アムロジピン2.5gとビソプロロール2.5gの組み合わせを処方し、170近かった最高血圧が130ほどに下がっていた。コレステロールや中性脂肪、肝機能、腎機能をチェックするために採血した。初診のペルー人女性30歳、肛門から出血していると来院。数日続いていると心配そうに話してくれた。指診では血液が付着することもなく、肛門鏡で覗くと、見える範囲の直腸粘膜からの出血はなかった。全周性に内痔核があり、一部に出血があったので、内痔核からの出血と判断、坐薬を処方した。月に一回の県医師会会長会に出席するため、診察は4時までと掲示しておいたのだが、4時寸前になってアメリカ人男性が風邪症状で再診。咳が止まらないとのことなので胸部レントゲン撮影施行。タイ人女性が高血圧の診察に来院、けっきょくクリニックを出たのが4時5分。いつもなら横浜の伊勢佐木長者町の県医師会まで車で行くのだが、雪できっと混んでいるだろうと判断、大和の駅前のコインパーキングに車を入れて相模鉄道に乗り、横浜で市営地下鉄に乗り換え、県医師会の会議室に到着したのは会議が始まる3分前だった。
  • 2016/11/25 9:00
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昨日の祭日、新宿でAMDA国際医療情報センターの設立25周年記念講演会を開催することができた。日頃、外国人患者を精力的に診てくださる先生方、病院のソーシャルワーカーとして携わってくださる方々、東京都の関係者、センターの事務局員、通訳相談員に加え、後援してくださった日本医師会の常任理事、東京都医師会の会長、副会長先生に来ていただき、ご講演いただき、感謝の意に絶えなかった。講演はメインテーマを電話医療通訳に的を絞って行ったので、話も集中して聞けてとてもよかった。手前味噌になるが、センター職員の電話通訳に関する発表は少し練り直せばちょっとした論文にもなるかなと思うぐらい、出来がよかったと思う。最後の質問時間のときに東大の先生から電話通訳を有料にしないのか?という質問をいただいた。たぶん財政上の心配をしてくださったのだと思う。あるいは有料にすることで現在の午前9時から午後8時という対応から24時間対応できるのでは?とお考えになったのかもしれない。現在の医療機関の財政状況はどうかというと医師会長として近隣の病院などみていても、決してよいと言えないし・・・いやなんとかやってますという感じだ。2年に一回の診療報酬で雀の涙ぐらいしか上がらないのに、医師、看護師、放射線技師、臨床検査技師、医療事務などの確保に人材派遣業者に支払う金で中規模病院でも年間数千万かかってしまい、職員の待遇改善などには全く回っていない状況だ。聖域なき改革などと言って医療界にも株式会社の参入を許すとこういうことになる。そんな状況の中で「ややこしい」「時間がかかる」、できれば避けて通りたいなどと考えられているであろう外国人患者の診療のために医療機関側がお金を負担するとはとても思えない。同行通訳が不可能な状況、すなわち緊急で話したいとき、タイ語など通訳が少ない言語、通訳が少ない地域では電話通訳が力を発揮する。ニーズがあるのだ。だからこそ無料での対応をせざるをえないのである。AMDA国際医療情報センターの電話通訳にはいわゆるコールセンターがあるので、一つの電話について相談を直接受ける人とその相談内容について調べてバックアップする人の集団がある。決して電話通訳の人がひとりで対応するわけではない。このような「質の向上」に向けての努力が欠かせない。
  • 2016/11/24 9:00
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ドイツ人男性31歳、土曜から高熱と頭痛、そして鼻水をはじめとする感冒様症状でやってきた。高熱でよく月曜までがまんをしていたものだと思った。インフルエンザを疑って検査、結果はA型陽性だった。まだ時間的に間に合うのでタミフルを処方した。午後5時まで仕事をして終了後、すぐに車を運転して大和駅近くのコインパーキングに置いて、相模鉄道で横浜駅へ。駅近のビルで行われた県医師会の会議で10分遅れで参加、7時に終了後、とんぼ返りをして大和へ。そのまま地域医療センターへ。午後8時からの休日夜間急患センターに午後11時まで勤務した。センターの診療を始めて1時間ぐらいしたころに、横文字の名前のカルテが並んだ。この名前はたぶんベトナム人だろうと思い、患者の名前を呼んでもらったら父親と7歳のお嬢ちゃんが入ってきた。患者はお嬢ちゃん、やはりベトナム人だった。隣の横浜市瀬谷区に在住しており、80年代からインドシナ難民として合法的にわが国に受け入れられた人の一人と考えられたが、尋ねなかった。おなかの痛みと吐き気、急性感染性腸炎と思われたが、父親に説明しようにもなかなかわかってもらえそうもなかったので、急きょ、クリニックのベトナム人通訳に電話をして要点をベトナム語で伝えてもらった。助かった。
  • 2016/11/22 9:00
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大和市内で研修しているというベトナム人の若い御嬢さんふたりづれ。先月もやってきて今回は二回目。一人はのどが痛いと言うので風邪と診断したが、どうも納得していないように思えた。そこで1か月に1回、土曜日にクリニックに来てくれるベトナム人通訳に電話を入れて、電話通訳してもらった。もう一人の御嬢さんも下痢をしていて吐き気があるというのでウィルス性の感染性腸炎と診断したが、こちらも怪しんではいないが、そうなのかなあという雰囲気だった。いずれも適切と思われる内服薬を処方したので、信頼してくれるかどうかはこの治療結果によるだろう。とくに彼女たちはインフルエンザの予防接種をしておいたほうがいいと思う。一人が感染したら、研修生仲間にあっというまに広がるだろうし、体の痛さと高熱に怖がるだろうと心配になる。ただこれは受け入れている事業所の問題と思うので、個人に言うのはやめておいた。やはり研修生を集団で受け入れる場合、その地域の医療機関との密な連絡が必要ではないかという気がする。たまたま近くの僕のクリニックにベトナム人の通訳がいたからいいようなもので、「普通」の医療機関に来られたらお手上げだろう。しかし今のところ、事業所からの連絡はまったくない。11月、12月とベトナム人通訳がやってくる日を教えてあげた。すると11月の通訳来院日である26日は研修があって休みではないと逆に教えてくれたが、できれば通訳来院日にそろえてきてほしい。こういう点、事業所はいったいどのように考えているのだろう? 
  • 2016/11/21 9:00
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初診のスリランカ人女性31歳、嘔吐と下痢で先週末から市内の医療機関で治療を受けていたという。数日前から症状は消失、来週の月曜から職場に戻りたいと思い、会社に相談したところ、就労してよいという診断書をもらってこいと言われたので、その医療機関に行って話したところ、彼女の日本語がわからないと言われて書いてもらえず、それでやってきたとのことだった。どういういきさつがあったのかはしらないが、彼女の日本語は非常に上手で、英語で話してはいたが、日本語になると「上級者」の日本語である。病気のことも嘘はなさそうでお薬手帳でも処方内容を確認したので、診断書を書いてさしあげた。フィリピン人48歳、膀胱炎をがまんしていてすっかり悪くなっていた。抗生物質を処方した。フィリピン人女性53歳、数年前に頭痛とめまいでやってきて高血圧とわかり、降圧剤を処方して改善。ところが改善したらすぐに来なくなってしまった。今回は一か月ぐらい前からめまい、首のあたりの凝り、痛みで来院。血圧を測定したところ、160/100だった。とりあえず降圧剤を1週間分だけ再度処方、一週間後には空腹で必ず来るように、採血しますと話しておいた。今度はやってくるだろう。中国人女性44歳、夏ごろからしばしば下痢をするとのこと、冷たいものを飲んだり食べたりするとすぐに下痢になると訴える。自分で買ってきた下痢止めを飲んでも治らないとも言う。話を聞いていて単なる下痢症なのか、過敏性腸症候群なのか、もしやクローン氏病などということがあるのか、全くわからない。まずは単なる下痢症と考えて、こちらも1週間分だけ止痢剤とビフィズス菌製剤を処方してようすをみることにした。きのうはちょっとしたニアミスあり。午前の終わりに66歳のフィリピン人男性の内視鏡検査を施行。この男性、根はやさしいのだが、顔が怖くみえる。たぶん、暗闇でばったり出会ったら怖いと感じると思う。その彼の首を夫婦であったころにけんかでしめあげたフィリピン人女性がいる。彼女も僕の患者で、体もそんなに大きくはなく、いつもはにこにこしている。その彼女が午後一番にやってきた。ドク、元気?と相変わらずにこにこしていたが、彼女があの鬼瓦の首をしめたのかと思うと吹き出しそうになった。すると「なにかいいことあったの、ドク」と僕の顔を見入る。そういえばMr.鬼瓦がたった一言「怖いよ」と首を撫でていたことがあった。
  • 2016/11/19 9:00
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ジンクスは続いていたようだ。過去にも僕のクリニックにマスコミの取材が来た時や実習・見学などで医学生、看護学生がやってくる日は不思議と外国人患者が少なかった。昨日も看護学生が来てくれたが・・・僕のほうの診察室にやってきたのはカンボジア人女性、イタリア人男性、フィリピン人女性、アルゼンチン人男性と計4人だけ、小児科のほうもフィリピン人が数人という感じだった。先月よりずっと毎日15人程度の外国人患者がやってきていたのに・・・昼休みには慶應義塾大学看護医療学部大学院の講義に使ったスライドを使って、45分程度、外国人医療に関する講義をさせてもらった。ただ見学するのでは系統だった知識の習得までには至らず、単なる感想しか生まれないだろうと思い、学生が実習でやってくるときにはできるだけ昼休みに講義をさせてもらっている。土曜なら例外なく外国人患者が多いのだが、逆に土曜では診察後に講義をする時間がないのが悩みだ。なかなか利発な学生でも振り返って自分が学生時代に自分自身の勉強のために何をしていたのかと考えると、恥ずかしくもなる。きっといい看護師になるだろうと思った。たぶんいつも大きな病院で実習しているのだろう。こういう小さな医療機関は医師、医療スタッフと患者の距離がもっと近い。また小さな医療機関なりの心配りや苦労もある。外国人医療だけでなく、こういうところにも気がついてくれたらうれしい。
  • 2016/11/18 9:00
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横浜市と東京都町田市の境に近いところにある国立大学の保健室より電話があり、内容は中国人の留学生がおなかを痛がっていて、エコーとか内視鏡とか必要であればできるかとのことだった。電話に看護師ができますと答えてから3時間程度でその男性がやってきた。日本語はほとんど通じない状態で、英語で診察し、ところどころ漢字を書いて説明した。先週の金曜は心窩部、土曜は左季肋部が痛かったそうだ。エコーでみても胆嚢には異常がなく、おなかの痛みはいつも同じと言うのだが、腹鳴がわりと強く聞こえた。便の性状を尋ねると、いつもより軟便だという返事が返ってきた。当初はすこし嘔気もあったとのことから感染性胃腸炎でいいのではないかと思い、内服薬の処方と飲食についての注意を行った。今日は県内の某看護短大の学生が実習でやってくる予定。僕のクリニックのホームページに見学受け入れokと書いてあるのを見て、直接連絡してくる学生あるいは学校の教員が代って連絡をしてくることが多くはないがある。もう67歳と半分という年齢になった。もともと外国人も地域住民として日本人同様に受け入れる地域の医療機関を創るつもりで開業したのだが、外国人患者をどのように受け入れていくべきなのかを考えながらはや27年が経過した。外国人だって同じ人間なのだから「普通」に受け入れたらいいんじゃないのという意見もあるだろうが、言葉だけでなく、文化や習慣、考え方のちがいは大きいし、費用の問題も大きい。こういうことを知っておかないとよかれと思ったことで足元をすくわれることになる。いま、いくつかの大学や専門学校で定期的に講義をさせていただいているが、もっと多くの学生や若い医師、看護師に知ってほしい。だから今日のような見学や実習は歓迎だ。
  • 2016/11/17 9:00
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