AMDA国際医療情報センター
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プロフィール

小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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20161007のエントリ

水曜日5日にAMDA国際医療情報センターに寄せられた相談からひとつ・・・僕と同じ神奈川県内の外国人相談窓口よりの相談。県内のY市の医療機関を受診している某東南アジアから短期滞在でやってきている人が高額な費用を請求されて支払いに困っており、相談できるところを探しているという内容だ。バブルのころにもこの手の相談は多かったし、医療機関において支払いができずに未納金を積み上げて医療機関の経営に影響を与えかねないケースも少なくなかった。クリニックのように無床診療所なら未納金はそう高額になることもあるまいが、入院設備を持つ病院とか有床診療所となると1件で数百万にのぼることもある。この未収金の処理を人道的とかいう耳に心地よい言葉で医療機関に善処をお願いしても、医療機関としてもはいそうですかとディスカウントはできないだろう。そんなことをしてしまい、外国人のコミュニティの中で評判が広がって今回のような患者が押し寄せたら・・・本当に経営に行き詰まりかねない。医療機関が外国人患者受け入れに後ろ向きになる要因のひとつがこれである。僕はこのようなトラブルの責任の一端は政府や法務省にあると思う。観光立国を目指すとしてわが国にやってくる発展途上国からの人たちの入国条件を大幅に緩和したことだ。これが著効して観光客数は激増し、爆買いなどという言葉を生んだが、一方でこのようなトラブルが発生しやすくなることは十分に事前に予測ができたはずだからだ。ではそのときにどうするのか?という対策を提示しなかったことに問題があると思う。
この手の問題に解決策はいくつかしかない。まず患者という立場になるであろう外国人の方々について言えば、日本の公的保険に加入できないケースは母国を出るときに海外旅行保険に加入してくることだ。たしか日本には来日してから加入することができる保険会社の保険があったと記憶している。もし短期滞在でやってくる人たちを招聘している会社や団体があるとするなら、こういう民間会社の保険に加入することを考えなければ、多額の医療費支払いがのしかかってくる場合があることを理解してもらうことも必要だろう。思い切って招聘する場合に民間保険加入を義務付けることも一つの方法とは思うが、これは僕がいくら訴えても法律上の問題であって僕にはいかんともしがたい。
次に医療を提供する医療機関側にできることは何かと考えると・・まず自らの医療機関の保険外診療費用が保険診療の何割であるのかを公開することだと思う。賛否はあるだろうが、少なくとも自費診療と呼ばれる保険外診療がひどく高額な医療機関に外国人患者がこういう情報を知らずに受診してしまい、結果として高額に未納金を積み上げることは避けられる可能性が高い。また診療を行う医師がどのような医療を行うかによっても医療費は大きくことなる。根治治療まで日本で行うのか、日本ではまずは対症療法を行って移動可能になったら帰国してそれから根治療法を考えてもらうのかとか、検査をいかに少なく済ませるのかとかジェネリック薬品を有効に使うかとか、患者が負担するであろう医療費を少しでも安くする努力をすることである。こういうことを考えずにやりたい医療をやりたいように行うと・・・医療費の滞納・未納というブーメランが戻ってくるからだ。
最後に問題を押し付けられるソーシャルワーカーだけでは問題は解決しないだろう。
  • 2016/10/7 9:00
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