AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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20160912のエントリ

初診のペルー人男性59歳、数日前から左下腹部が痛いと同じペルー人の奥さんに付き添われてやってきた。ベッドに寝てもらってここが痛いというところを触るとこぶし大のしこりを触れる。便は毎日、「普通」に出ているし、便の色も「普通」だそうだ。これだけ聞くとたぶん消化管疾患ではなさそうだと推察できる。こんなに大きなしこりが大腸、小腸にあったら腸閉塞になってしまうし、ならないまでもしばらく前からなんらかの症状があったろうと思うからだ。念のために直腸肛門診を行った。肛門から指を挿入して直腸の入り口まで触るものだが・・・この行為は実に簡単だが、面倒な前処置や高価な器械を使わないのに、得られる情報が多い。直腸疾患の有無、直腸と壁を隔てて接している前立腺や膣、子宮の情報、そしてダグラス窩の状況から場合によっては胃がんなどの腹膜転移の有無もわかることがある。ゴム手袋に付着した便の色から情報が得られることもある。とくに検査がしにくい高齢者やその場でなんらかの判断をしなければならない場合は有効な検査法だ。彼の場合は前立腺が表面がスムースに肥大している以外の所見はなかった。エコーで見ると膀胱の中になにやら隆起物があり、続けて行った尿の検査では潜血反応が2(+)だった。明らかに異常所見だ。たぶん膀胱の腫瘍だろうと思い、近くの公立病院の専門医に情報提供書を書いた。こういうときに日本語が不自由な患者に対して診察、治療を行う専門医の苦労も十分に理解できるが、ぜひやさしく診てあげてほしい。
  • 2016/9/12 9:00
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