AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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20160830のエントリ

朝から具合の悪い外国人が相次いだ。フィリピン人女性53歳、会社の検診で高血圧を指摘され来院。最近、頭が痛いという。フィリピン人男性42歳、胸が苦しいと来院。循環器はあまり得意ではないので、こういうとき、ちょっと嫌な気がしないわけではないが、まずはファーストタッチと思って診察している。血圧が160/110、髙すぎる。心電図は狭心症などの所見はなく、異常なし。ふたりともまずは降圧剤を1週間ほど処方して様子をみることにした。日系ブラジル人51歳、11時半ごろ来院。左足が痛い、指先も痛いと言いながら、足を見せてくれたが、足関節のやや上にやけどの瘢痕のような病変が。覗きこんだら太い静脈瘤が見えた。これは静脈瘤により皮膚の栄養が悪くなり、色素沈着、びらんを引き起こしているのだと瞬時に気がついた。今でも十分にひどいが、もっとひどくなると皮膚潰瘍を形成し、その部分で静脈瘤から出血することもあるだろう。静脈瘤の手術を行っていた経験からよくわかる。本人にこの状態を治す薬はなく、手術を受けるしか方法はないだろうと話した。すると・・・お金がない、保険にも入っていたが、借金の返済が月に6万でブラジルに送金するのが月に○万で、お金はないよ、だから保険は使えないよとかなり興奮して話す。たしかにカルテは保険外診療となっている。どうやら僕のクリニックに来る前に市役所の国民健康保険の担当部署に行ってきたらしい。役所としては当然だが、過去に積み残した掛け金を大和市の場合は3年間納めてもらえないと国民健康保険を利用することはできない。仮にひと月に3千円でも3年なら10万を超えるわけで、この金額が支払えないから無保険を継続するという悪循環になる。今から言っても彼のケースは間に合わないだろうが、以前から僕が主張しているように、来日して住民基本台帳に掲載するために役所を訪れたときに公的保険に加入することの意義を説明し、まちがいなく加入してもらうことが必要だ。日本の公的保険は国民皆保険制度だが、実際には外国人でも住民基本台帳に掲載される在留資格でやってきた人たちにとっても加入は義務とされているのである。手術しか方法がないと話すと、本人が自分もそう思う、でも手術代は支払えない、分割しか方法がないと言う。それならどうして僕のところに来たのだろうと疑問に思ったし、正直、分割に同意するかしないかは受け入れ医療機関の問題であって、彼が気色ばんで言うことだろうかとも思った。ほかの患者が長く待っているのにこうして時間は経っていった。知らぬと帰すわけにもいかず、近くの公立病院の地域連携室のソーシャルワーカーに電話して事情を説明し、本人に直接会ってもらって相談に乗ってもらうこととした。ここまでやって診察代も情報提供書作成のお金も取らなかった。ここで払う分で少しでもこの公立病院で支払って迷惑をかけないでほしかったので。
午後になり、ときどきやってくる精神疾患を抱えたアメリカ人女性が待合室で異常に震えているという。診ると悪寒のようだ。そうこうしているうちに発熱してきた。下痢が10回以上あると言う。下血はなく、どうやら彼女が抱えている潰瘍性大腸炎の急性増悪でもないらしい。点滴を確保しながら白血球数、CRPを計測すると両者ともに正常範囲内。結果を話に点滴をしているベッドまで行ったら、すでに悪寒はおさまり38度程度の発熱でぼーっとしている状態だった。ウィルス性の感染性腸炎だろうと本人とご主人に話した。
  • 2016/8/30 8:58
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