AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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201608のエントリ

朝から具合の悪い外国人が相次いだ。フィリピン人女性53歳、会社の検診で高血圧を指摘され来院。最近、頭が痛いという。フィリピン人男性42歳、胸が苦しいと来院。循環器はあまり得意ではないので、こういうとき、ちょっと嫌な気がしないわけではないが、まずはファーストタッチと思って診察している。血圧が160/110、髙すぎる。心電図は狭心症などの所見はなく、異常なし。ふたりともまずは降圧剤を1週間ほど処方して様子をみることにした。日系ブラジル人51歳、11時半ごろ来院。左足が痛い、指先も痛いと言いながら、足を見せてくれたが、足関節のやや上にやけどの瘢痕のような病変が。覗きこんだら太い静脈瘤が見えた。これは静脈瘤により皮膚の栄養が悪くなり、色素沈着、びらんを引き起こしているのだと瞬時に気がついた。今でも十分にひどいが、もっとひどくなると皮膚潰瘍を形成し、その部分で静脈瘤から出血することもあるだろう。静脈瘤の手術を行っていた経験からよくわかる。本人にこの状態を治す薬はなく、手術を受けるしか方法はないだろうと話した。すると・・・お金がない、保険にも入っていたが、借金の返済が月に6万でブラジルに送金するのが月に○万で、お金はないよ、だから保険は使えないよとかなり興奮して話す。たしかにカルテは保険外診療となっている。どうやら僕のクリニックに来る前に市役所の国民健康保険の担当部署に行ってきたらしい。役所としては当然だが、過去に積み残した掛け金を大和市の場合は3年間納めてもらえないと国民健康保険を利用することはできない。仮にひと月に3千円でも3年なら10万を超えるわけで、この金額が支払えないから無保険を継続するという悪循環になる。今から言っても彼のケースは間に合わないだろうが、以前から僕が主張しているように、来日して住民基本台帳に掲載するために役所を訪れたときに公的保険に加入することの意義を説明し、まちがいなく加入してもらうことが必要だ。日本の公的保険は国民皆保険制度だが、実際には外国人でも住民基本台帳に掲載される在留資格でやってきた人たちにとっても加入は義務とされているのである。手術しか方法がないと話すと、本人が自分もそう思う、でも手術代は支払えない、分割しか方法がないと言う。それならどうして僕のところに来たのだろうと疑問に思ったし、正直、分割に同意するかしないかは受け入れ医療機関の問題であって、彼が気色ばんで言うことだろうかとも思った。ほかの患者が長く待っているのにこうして時間は経っていった。知らぬと帰すわけにもいかず、近くの公立病院の地域連携室のソーシャルワーカーに電話して事情を説明し、本人に直接会ってもらって相談に乗ってもらうこととした。ここまでやって診察代も情報提供書作成のお金も取らなかった。ここで払う分で少しでもこの公立病院で支払って迷惑をかけないでほしかったので。
午後になり、ときどきやってくる精神疾患を抱えたアメリカ人女性が待合室で異常に震えているという。診ると悪寒のようだ。そうこうしているうちに発熱してきた。下痢が10回以上あると言う。下血はなく、どうやら彼女が抱えている潰瘍性大腸炎の急性増悪でもないらしい。点滴を確保しながら白血球数、CRPを計測すると両者ともに正常範囲内。結果を話に点滴をしているベッドまで行ったら、すでに悪寒はおさまり38度程度の発熱でぼーっとしている状態だった。ウィルス性の感染性腸炎だろうと本人とご主人に話した。
  • 2016/8/30 8:58
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大変な事態が発生してしまった。開業してしばらくしてやってきたベトナム人のご夫婦、ふたりともベトナム戦争の終結で共産国家ベトナムを脱出して日本政府に合法的に受け入れられて来日、以後30年近く日本に住んでいる。僕のクリニックに通院し始めて24年近くなるだろうか。ご主人の前胸部の皮膚がんも、風邪の診察時に聴診器で呼吸音を聴こうとしてシャツをめくりあげて偶然に発見、手術をして事なきを得たというのに・・・糖尿病で受診している奥様のほうが最近やって来ず、ご主人が薬だけ取りに来るので不思議には思っていたが・・・おとといの土曜日、ベトナム語の通訳が来てくれたので混んではいたが、理由を尋ねてみた。すると・・・最近、急に何もわからなくなったという。少し前にしたことも忘れ、家族の顔も理解できないようで、クリニックや病院は怖いから行かないと一点張りだそうだ。これって認知症を最初に疑うべきだろうが、CTスキャンとか脳の検査も行うべきだろう。ところが、奥様はほとんど日本語ができない。ご主人も限られたことばしか理解できない。こどもたちは日本語に堪能だが、いつも付き添ってはいられないだろう。まず、日本には介護保険制度があり、それに基づいた各種サービスを使うには主治医意見書を書かねばならないことを説明したが・・・ケアマネや介護関係の施設でベトナム語が通じるわけではなく、家族が全部に対応するのも不可能だ。旅行者ではなく、外国人の居住者が増え、彼らが高齢化すればいずれこのような問題が顕著化するだろうと予測していたが、何の対応策も進まぬうちにこのようなことになってしまった。頭が痛い。
  • 2016/8/29 9:00
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このところ、頭を悩ませられるような難問を抱えた患者には出会わず、平穏に日々を送っていたのに・・・きのうはとうとうその「平穏」が破られた。昼休み直前にやってきたスリランカ人男性56歳、この1週間ぐらい、下腹部が痛くなり、水を飲むとよくなると話してくれた。本人は膀胱炎と思い込んでいるようだが、検尿を行っても異常なし。排尿の開始時期も終了寸前にも陰部に痛みはないと言うし、浸出物もないと言う。ベットに寝てもらって腹部の触診を行っても聴診器で腹部の音を聴いても異常が見つからない。前立腺肥大のような症状もない。いつも感じていることだが、外国人患者とくに発展途上国からやってきた人たちの中には症状を適切に表現できない・・というか、日本人の我々とは少しちがった表現をする人たちもいて・・ここまで来たところで言葉につまってしまった。今現在はどうなの?と尋ねると、今は何も問題ないけど・・・との返事。わからない。時間はどんどんすぎていき、昼休みに入って往診に行く時間になってしまった。水を飲むとよくなるというのは本当?と尋ねると、まちがいない、飲むたびによくなるとのこと。やはりわからない。こんな医療でいいのかどうか、自分自身悩んだが、まずは抗生剤を5日分だけ処方しておいた。本来なら血液検査などもしなければいけないのかもしれないが、めったやたらに行っても患者の負担金が高くなるだけだし。次回、様子を教えてもらうこととして帰っていただいた。こういうことがあると医師としてはすっきりせず、悶々とする。
  • 2016/8/27 9:00
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昨日は朝から大混雑で休暇気分も最初の30分で吹っ飛んでしまった。外国人も待っていたかのように来院。僕が診たのはフィリピン人5人、カンボジア人1人、ベトナム人1人。小児科も加えると15人程度だろうと思う。留守番電話も長期の休暇が続く場合は英語、タガログ語、スペイン語でもメッセージを入れておくのだが、それでも間違って休暇中に来てしまう人がいる。日本人でも数人、そういう方がいたからやむをえないというべきなのだろう。その忙しい中、カンボジア人女性が食べてこなかったので大和市の特定健診を行ってほしいと窓口で言っていたようだが・・・採血と検尿だけ行って、残りのレントゲン検査、心電図などは明日の土曜に再度来てもらうことにした。彼女とはインドシナ難民大和定住促進センターで来日して数日後に僕が健診を行って以来のつきあいなので、もう30年になる。日本語もそこそこよくできるのに・・昨年も突然予約なしでやってきて強引に特定健診をしてほしいと訴え、してしまったことを思い出した。だから予約が必要なことは知っているはずなのに・・・好意で対応したことが「当たり前」となってしまう悪い一例だと思う。日本人患者に逆差別にならないようにも気をつけなくてはいけない。
  • 2016/8/26 9:00
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夏季休暇も終わってしまった。日本は台風に重ねて襲われ、甚大な被害も出ていたようだが、バンコクの街中の暑さに唸りながら、新聞とテレビでこれらの報道を見聞きしていた。
今日は朝6時にクリニックにやってきてたまった郵便物の整理と診療の準備を始めた。夏季休暇を利用して26年間使ってきた壁をはじめとする内装を大きく修理してもらったので、中はきれいにはなっているが、待合室の本や壁に掲示してあったものなどが全部取り外してあり、今は途方に暮れている状態。職員がやってくるまでこのままにしておくことにした。夏季休暇があけてすぐの今日は午後5時から県医師会会長会、引き続いて県医師連盟の理事会、休みモードだったこの頭もすぐにいつもの戦闘モードになりそうだ。そういえばバンコク スークムビット ソイ24を歩いていたらクリニックと書いてある表示に目が行った。英語を読むとどうやら本業は形成外科らしいのだが、小児科などとも書いてある。そこに「General Practice 」という英文の横に「開業医」と書いてあった。そうじゃないと思うが。
  • 2016/8/25 9:00
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今日から夏季休暇、「独り言」も25日までお休みします。きのうの患者さん・・・ネバール人男性33歳、日本語が上手すぎる。日本にやってきて最初は日本語学校で学んだらしい。どうしてこんなに上手になるの?と尋ねたら・・・だれでも2年か3年勉強したらこれぐらいになりますよとのこと。とてもそうは思えない。診察していて、あまりにもわかりすぎて不思議な感覚にさえ襲われた。カンボジア人女性46歳、夏休みで一番下のお嬢ちゃんをいっしょに連れてきた。このお嬢ちゃん、いつもはまったく返事をしてくれないのだが、はじめて「こんにちは」と言いながら入ってきた。ところが・・お母さんが診察を受けている間、後ろの椅子に横向きに座って、僕と目を合わせようとしない。まあ、医師やってこどもに好かれる仕事じゃないからいたしかたない。フィリピン人男性35歳、フィリピン人の通訳とは話したくないと僕と一対一での話を希望。診察室のドアを閉めて話を聞いたところ、男性の大事なところになにかができていると言い出した。たぶんSTDのひとつだろう。緊急ではないので、あす近くの公立病院の泌尿器科に行くよう話して、診療情報提供を書いた。フィリピン人男性、先日から書いている爪を取った患者、爪床に肉芽ができている。背は高くはないが、たぶん感染のためだろう。もしかしたら休み明けに硝酸銀の棒を使って科学的に焼かなければいけないかもしれない。
  • 2016/8/17 9:00
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あさってから夏季休暇という昨日の月曜日、ペルー人男性52歳、特定健診を受けるために来院したついでに胃がん検診の内視鏡検査もしてほしいとのこと。すでに午前中は2名の予定があり、午後も2名の予定が入っていた。合計4人のうち、3人がペルー人で顔ぶれを見ると皆、キャンセルなどしそうもない人たちで、さらに残りの1人がイタリア人・・・結論からいうと緊急ケースではないのでお断りして、休み明けにあらためて予約を入れることにした。ところが・・・その後の午前中の診療で、胃の具合の悪い若い日本人女性、明らかに下血している日本人の70代の女性が来院、午後から緊急内視鏡を入れざるをえなくなってしまった。けっきょく一日6件の内視鏡検査をこなしてしまった。内視鏡を予定していた3人のペルー人はいずれも約束通りの時間にしっかり来てくれた。好印象。イタリア人男性はピロリ菌の検査も行ったが、陰性だった。先日から感染性爪刺症で右足の親指の爪を抜爪したフィリピン人男性、患部も非常にきれいになってきた。土曜日はタクシーの中に保険証やら大切なものを置き忘れたと落ち込んでいたが、忘れ物は彼の手元に既に戻ってきていた。「やっぱり、日本だよねー」、この彼の言葉を裏切らない日本でいつまでもあってほしい。
  • 2016/8/16 9:10
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フィリピン人男性52歳、感染性爪刺症でやむをえず、伝達麻酔下に足の親指の爪を取ったのが木曜日、金曜に傷の状況を見て消毒をしようとかがみこんでガーゼをはがそうとしたら、触ってもいないのに突然「イタァーイ」と大声を出した。驚いてかがみこんだ身をあげて彼の顔を見たら・・・笑っている。なかなかおちゃめな性格らしい。ところが・・・土曜日にやってきたときにはうなだれて青い顔をしていた。どうしたの?と尋ねたら、クリニックに来るタクシーの中に保険証とか忘れてたとのこと。幸い、サイフは手に握っていたから忘れなかったと。ここは日本だからきっと戻ってくる、そう信じてるよと話して帰って行ったが・・・・そうあってほしい。ペルー人女性、高血圧と不眠症で来院。1か月前にやってきたときに見せてくれた会社での健診の結果、s-GPTなど肝機能がよくなかったので、2週間前に採血だけに来てもらい、A型肝炎抗体やB型肝炎のS抗原など調べたが、やはりA型肝炎抗体が相当の高値だった。さらに詳しい検査は場合によっては必要かもしれない。それにしても東南アジア、南西アジア、南米からやってきた人たちのなかにA型肝炎の影響と思われる肝機能障害が多い。念のためにグリチロンとウルサを処方して、元気そうなので2か月後に採血して比較してみることにした。あさっての水曜から夏季休暇、きょうの月曜も混みそうだ。
  • 2016/8/15 9:00
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昨日の金曜日はお盆で休んでいる医療機関も多いらしく、朝から「やってますか?」という電話の問い合わせが多かった。僕の診察室では8人の外国人患者のうち6人がフィリピン出身者で、さながら待合室はマニラの街角みたいに。夫婦でやってきたフィリピン人、ご主人が会社で受けたというがん検診の結果を見せてくれた。内容がわからなそうだったので解説してあげたが、胃がん、肺がん、大腸がん(便潜血反応)ともに異常なしと書いてあった。バリウム飲んだの?と尋ねたら、そうだと。大和市では胃がん検診は希望によりバリウム検査ではなく、初めから内視鏡検査を受けることができる。こういうシステムを開始してから内視鏡検査希望者が圧倒的に多く、バリウムでの透視検査を希望する人は個別の医療機関ではものすごく少ない。バリウムでの透視より内視鏡検査のほうががんの見落としが圧倒的に少ないことがその理由だろう。しかし内視鏡検査でも微細病変を見逃すことがないわけではないし、胃の全体像を見る場合はバリウム検査のほうがわかる場合もある。Borrman 4型の胃がんなどがん細胞が胃壁の中にしみるように浸潤していく場合だ。そういうことを理解して注意して内視鏡検査をしていけば見落としはさらに少なくなるだろう。あっ、横道にそれてしまったが、バリウムの検査では体位を正確に素早く取ることが肝となる。体を右に向けてといわれて反対側を向いてしまったら、もう正確な写真は取れない。バリウムの流れ、胃の壁へののり方などが重要だからだ。こういうことって日本語で話して彼らが瞬時に理解できるとは思えない。ゆえに外国人患者の胃の検査ははじめから内視鏡で行うべきだろう。そういえば、奥様のほうは会社での健診の結果を見せてくれたが、内容は特定健診と同じなのだが、血液検査は昨年までとちがい、施行されていなかった。こんなんじゃ意味ないよと奥様、その通り、意味ないと思う。どうして血液検査がなかったのか、会社に問い合わせて抗議するよと話していた。
  • 2016/8/13 9:00
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大和市医師会の本年5月開催の定時総会報告書を読んでみたら・・・僕が会長として行ってた職務執行は1年間に224件に上っている。県医師会の会長会や各種委員会に出席したり、大和市行政や保健福祉事務所との話し合いであったり・・大和市医師会内部の委員会であったり・・・365日で224件というのはひらたく言うと、1週間に4日ぐらいということになる。中でも大和市との話し合いは極めて多い。大和市の医療や子育てと関係するいくつかの部や課との話し合いになるのだが・・いつもながら役所の人たちは極めて優秀な人材だと思う。ごくまれに例外かなと思う人もいないわけではないが・・つい1か月ほど前よりこれらの課の人たちと個別に肩の凝らない話し合いの会を持っている。なかなかいいアイデアを持っていたり、実践に踏み切っているケースもあり、興味深い。こういう新たな取り組みを聴くたびに想うことは、では外国人にとってそれは日本国籍住民と同様に享受できるものなのか、もしできないとしたら何をどうしたら同じように享受できるのかということだ。常日頃、こういう仕事をしているせいか、僕の発想法はいつもこのようになる。現実はというと、役所の多くの取り組みにおいては外国人にはどうなのか?という発想法が抜け落ちているような気がしてならない。多数派と少数派という区分をしてみると、日本では日本人が多数派で外国人は少数派だ。社会では健康で働ける人たちは多数派で高齢者や幼年者は少数派だろうと思う。体のハンディキャップで分ける方法もあるだろう。世の中のプロジェクトは多数派に属する人たちが作成することが圧倒的に多い。すなわち常に自分たちとはちがう少数派の存在を意識していないと少数派を切り落としてしまうプロジェクトを作成してしまう。そして無意識のうちに少数派にやさしくない社会ができあがってしまうということになってしまう。こんなことを僕は会議で話している。
  • 2016/8/12 9:00
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