AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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20160409のエントリ

32歳フィリピン人女性、隣の市から初めてやってきた。4日前には38.5度の発熱と喉の痛みと頭痛、3日前には一度解熱して2日前には38度の発熱と頭痛、昨日は少し楽になり、今日はもうなんでもないと言う。ではどうして来院したのかと尋ねると、この間、ずっと仕事を休んでいたらしく、会社から医師の診断書をもらってこいと言われたとのこと。こういうケースは少なくないが・・・困る。なぜってすでに病気は治癒しているし、治癒していないとしてもいつから具合が悪かったなどということは自己申告であって、それが真実なのか虚偽なのかはわからない。性善説にたてば信じてあげたいが、過去に煮え湯を飲まされたことも幾度かある。もう15年以上前だが・・・公立学校で英語を教えている若者が診断書を求めてやってきた。今回と同じように治癒したあとの来院だった。だいぶ困っているようなので書いたところ、実は病気ではなく、彼女と関西に遊びに行ったからということが後でわかった。隣の市の教育委員会で雇用していたやはり英語の先生が許された回数を超えて仕事を休んだ時は、教育委員会の人から「休みすぎだが、今回は診断書があればなんとかなるので書いてほしい」と電話があったが、きっぱり断った。これは私文書偽造になるのではないだろうか。医師なら診断書を書くのは簡単だろうと言われれば、必要があるなら手元に診断書があるのだから数分で書ける。ただし我々医師はその内容に全面的に法的責任を負わねばならない。医学的にあやまったことを書けばそれが裁判になったり、裁判の証拠として採用され、数千万円の慰謝料に結び付くことさえある。大げさに言えば医師の診断書が高いのはそういうすべてのリスクを背負う決意を込めて書いているからであって、5分で書ける程度のものだから高すぎるということではないのだ。で、このフィリピン人のケース、すべては自己申告であることを記載して書いた。それが事実であるから。午後になってフィリピン人スタッフからある女性のフィリピン人患者のご主人がビザのことで入管に呼ばれていると聞いた。別に彼が不法滞在をしているわけではない。女性患者の父親がフィリピンで酒に酔った席で、そこにいた別の男性と自分の娘を結婚させることを約束し、娘が知らない間にフィリピンで勝手に婚姻届を出してしまったそうだ。フィリピンに法律上の配偶者がいるわけで、ゆえに日本にいるこのフィリピン人男性は定住許可を取得した彼女の配偶者としてビザの更新をするのは不可能になったというわけだ。彼女は「先生が診断書を書いて入管に出してくれたらどうだろう?」とフィリピン人スタッフに相談してきたそうだ。フィリピン人スタッフはそれはむずかしいだろう、できないと思うと答えたそうだ。僕の結論も同じ、そういう虚偽の書類を書くことはもちろんできない。
  • 2016/4/9 9:00
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