AMDA国際医療情報センター
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プロフィール

小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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20160204のエントリ

久しぶりに2月2日にAMDA国際医療情報センターに寄せられた相談について述べたいと思う。最近、なかなか返答が難しい相談が増えてきたと事務局から聞いてはいたが、その通りと思う。ペルー人からの相談は喘息と風邪ひきで受診したが、まったくよくならない。その原因はペルーでもらう時の薬の量に比較して日本の薬の処方量が少ないからだろうとというもの。これには誤解がひとつあるような気がする。風邪ひきでせき、痰、鼻水、のどの痛みなどがあって薬を処方する場合、飲んだら「すぐに」治るという薬はないと言っていいと思う。なぜなら風邪はウィルス性疾患であり、このウィルスを根本的にやっつける薬がないからである。ゆえにせき、痰、鼻水、のどの痛みなど訴える症状についてそれぞれ「抑える」薬を処方するわけであって、「内服したら根本的にすぐ治る」という薬はない。唯一の例外はインフルエンザの時であり、発熱後48時間以内にタミフル、リレンザ等を使うと著効する。おかしな話と思われるかもしれないが、ゆえにインフルエンザでこれらの薬を処方した場合のほうが、「いつ治る」という推察がしやすい。また日本では社会保険、国民健康保険、後期高齢者医療保険など公的保険を使う場合は薬の使用量がすべて定められている。最大使用量を超えて使うと、その分の費用は診療報酬支払基金で査定されて削られてくる。ゆえに医療機関にとって赤字となってしまう。この相談者は長く日本に住んでいるようで、公的保険にも加入していると想像される。また公的保険に加入していないとしても厚労省に許可された最大使用量を超えて使用して副作用が出現すると、その責任は医療機関にあるということになる。すなわち訴訟などを抱え込むことになるということだ。
これらの理由があってこの薬の量であることを医師は説明すべきであるし、誤解を恐れずに言うなら風邪症状はどんな薬を使っても「すぐに」治るというものではないということも言うべきであろう。こういう説明過程が欠落すると患者との間に信頼関係が築けなくなる。
  • 2016/2/4 9:00
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