AMDA国際医療情報センター
ブログ カレンダー
« « 2013 11月 » »
27 28 29 30 31 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール

小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

続きを読む
supporter
login

20131109のエントリ

 精神科の患者に対する医療通訳はむずかしいといつも書いてきたが、自分がそのむずかしさを味わうとは思わなかった。ときどきやってくるアメリカ人女性、大腸疾患もあり、そのほかにも何回か手術を受けている。数年前に初めてやってきたときには痩せ方が尋常ではなく、こりゃ大変なことだと思ったが・・・話しているうちというかすぐに彼女の精神的異常さに気がついた。それからというもの、なにかあるとやってくる。といってもほかの医療機関の話をしたり、家庭のことを話したり・・・明らかに「おかしな」内容であるが、最近は我が身を悲しむ、その話だけはそれなりにつじつまがあっている。数週間前にある疾患の手術適応があるかないか、近くの公立病院に紹介した。紹介状には僕にはなにかはわからないが、精神疾患を抱えている旨、書いておいた。先方の病院では英語の通訳をつけてくれたそうだ。先生と通訳と彼女とで話をしたそうだが・・・きのうやってきて「あの先生は私が頭がおかしいと言う。あなたが私がおかしいと書いたのか? 以前に受診していた米軍病院からの紹介状には精神的におかしいと書いてあったのか?コピーが欲しい」。こんな内容であった。実は米軍病院からの紹介状には精神疾患があるとはっきり書いてあった。ただ本人が自分は運転ができる、以前にアメリカにいたころ、同じ職場に精神的におかしい人がいたが、その人は運転免許を許可されなかった。だから自分はおかしくないと言い張り、時には大声でわめきちらすので、僕はもうこの点に触れるのはやめていたのだが・・・
 先方の病院では通訳は先生が話したことを忠実に訳して患者に伝えたのだろう。こういうケース、医師が話したことをすなおに全部患者に伝えるべきかどうか、疑問が残る。やはり単なる通訳と医療通訳はちがうと言わざるをえない。きのうは僕の前でたくさん患者が待っているのに終わりのない話を延々30分話して帰った。ご主人とは一度も話したことがないので一度話そうと思っていたら、きょうご主人から電話があった。僕の考えではまず精神科疾患をきちんと診断し、必要な治療を進め、そのうえでないと大腸疾患の有効な治療というか、本人との話し合いもできないと思う。まるでしていることはソーシャルワーカーがしているようなことだ。こんなことが何度も続いてはとてもじゃないが診療ができない。
  • 2013/11/9 13:30
  • トラックバック (0)
  • 閲覧 (805)