AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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ブログ - 理事長 Dr.小林米幸の独り言カテゴリのエントリ

本年の最初の診察日だった昨日、日本人患者もインフルエンザなどの急性疾患が中心で、慢性疾患でいつも通院してくださる方々の姿は少なかった。これは毎年の傾向で、○○日から診療しますというと、その日は混むだろうと思って敬遠する「患者心理」に基づいている気がしてならない。外国人患者も同じようで、昨日の患者数は10人、ごく平均的な数字で、慢性疾患でいつも通院してくれる人はわずかに一人だけだった。ベル―人女性29歳、南隣のF市からやってきた。その1時間ほど前にクリニックに英語で電話があり、フィリピン人スタッフが対応していたが、それがこの彼女だった。厚木の米軍基地に勤務する軍属と結婚するために必要な健康診断を行ってほしいとのことだった。米軍の軍属と結婚するためには、所定の健診を受けなければならないが、その中にはHIVや梅毒の検査も入っている。ほかには胸部レントゲン、婦人科の健診結果も求められるが、僕のクリニックではそれには対応できない。健診を開始する前にまず、費用を知りたいとのことだった。米軍所定の診断書の用紙はないとのことだったので、英文で「適当」いや「適切」に書くことにして、費用の概算を示したところ、それでいいというので、検査を行った。HIVと梅毒はイミュノクロマトアッセイを使い、胸部レントゲンを撮影し、すべてに異常がないことを確認して、書類を作成、40分ほどで帰って行った。大和市が米軍の厚木や座間の基地に近いためか、軍属との結婚のための健診を受けにくる外国人女性が少なからずいる。僕のクリニックではこのような健診も、もちろん日本人の自由診療もすべて保険点数10割で計算している。今、いろいろな会議に出ていくと、外国人の自由診療について20割とか30割というような「価格設定」を行っている公的病院の話を実際に聞く。外国人患者からも高いという苦情が寄せられたことがあるそうだ。自由診療だから法律上、いくら請求しても法的に問題があるわけではないのだが、自由診療に関する患者向けの情報公開は必要だろうと思う。高いのを承知で受診するのなら、それは本人の責任。しかし情報が公開されないままに医療費を請求され、それが思っていたよりはるかに高いとしたら・・これもインフォームド・コンセントに基づいた医療とは言えないと思う。
皆さま、新年あけましておめでとうございます。暖かいところで年末年始を過ごし、ゆっくりできると思ったら・・・現地で読んだインターネットニュースに、厚労省が訪日外国人の医療に関して医療費の指針やらを示す方針を固めたと某大手新聞に書いてあるとのことで、・・・その内容の全容を把握することは残念ながら記事からはできなかったのですが、新年早々、お休み気分の目が覚めました。1月は22日に医療通訳に関する日本医師会の会、25日に第2回の厚労省の訪日外国人の医療に関する検討会、2月は4日に第3回の日本医師会の外国人医療対策委員会、8日に第3回の厚労省の訪日外国人の医療に関する検討会があり、「目白押し」となっています。ぜひ現場の声を伝えたい、それが具体策につながればと思っている次第です。
今年の診療もいよいよ今日で終わり。日系ブラジル人の女性89歳、今は介護を受けている。一昨日から下痢と吐き気で食欲がなく、食べられないとのこと。群馬県で働いているはずの息子さんが車椅子を押して来た。半年ほど前、熱中症で脱水となり、点滴を行ったときに脱水の高齢者とは思えないぐらいの力で拒否反応、言葉の暴力もあり、点滴を何回か刺しながら自己抜去された苦い経験が頭をよぎった。ビフィズス菌の薬を処方するとともにOS-1を飲むようにと指示した。これでもだめならきょうの午前中に来てくれるようにとお願いしたが、さてどうだろう? ヨーロッパの某国の女性35歳、日本人のご主人がいる。たしかに神経質なところがあるのだが、昨日は相当に落ち込んでいて、診察の後にこう言われた。「今、具合が悪い理由はストレスがあるから。わかっているの」。「ちょっといい?」と話しを始めた。自分はご主人にいつもそばにいてほしいが、ご主人が会社を代わって、その会社では社員同士の交流が深いらしく、それなりのポストについているためか、飲み会で遅くなることが多いのだそうだ。つい、浮気でもしているのではないか?と疑ってしまい、それを口に出してしまったとのこと。ご主人にそんなばかな・・、そんなこと疑うなんて夫婦の関係で信頼しているならありえないと言われたらしい。幼い子供がいるので、自分も離婚なんて考えてはいないけど・・・と涙。ああ、こんなに日本語が上手でも日本の社会の現状というか、サラリーマンの社会の日本なら当たり前と思えるような「会社が終わっても会社とのおつきあい」を理解することがむずかしいのだなと思った。それって日本の悪い習慣かもしれないけどね・・と説明したが・・・
インフルエンザが流行り始めた。外国人患者も急性疾患で受診する人が多くなってきた。東京都下の奥のほうからやってきた新患のフィリピン人男性56歳、のどの痛みと軽度の発熱が主訴。つばを呑み込んでも痛くはないという。よく聞くと咳も痰もあり。風邪と判断した。それにしてもなぜ、こんな遠方までやってきたのか・・不思議。こちらも新患のアメリカ人男性46歳、のどの痛みと発熱、すでに12時間以上経過しており、インフルエンザの検査を行ってみたが、陰性。その後に行った溶連菌の検査も陰性だった。とりあえず対症療法で処方。奥様が日本人で、ご本人も「それなりに」日本語が話せる。僕のような下手な英語で申し訳ないと話したところ、「いえいえ、英語で対応してくれるところがほんとにないので助かります」と言われた。あれだけ日本語が話せても、医療関係の日本語はむずかしく、理解しがたいらしい。たしかに理解しがたい状況で処方された内服薬をのんだとしても、心から納得した医療にはなりえないのだろう。ベル―人男性54歳、隣のZ市からやってきたこの方も新患。高熱と体の痛み、咳や痰。インフルエンザA型だった。下手なスペイン語で病状と内服薬の説明。きちんとわかってくれた。今日、28日もきっと混むにちがいない。
フィリピン人女性38歳、高血圧にて受診中。平成28年8月4日に採血したのを最後にいつも2カ月分の処方だけを求められる。僕に会いたくないのか、忙しいのか・・・およそ薬剤であれば副作用があるわけで、疾患のための採血とともに副作用で肝機能が悪くなっていないかとか定期的に採血して調べさせてもらえないと、一抹の不安だけが残る。採血させてほしいことは何度も話したのだが、今回も「処方だけ」と希望。こっちは薬屋じゃないぞとつい言いたくもなってしまう。こういう人が別の疾患を患ってほかの医療機関を受診する場合、情報提供書を求められたりするのだが・・・「何も採血していません」ということになると、先方の医療機関からなんてひどい医療を行っている医者だろうと思われかねない。人間、だれしも悪くは思われたくない、ましてや自分の意に反してのことだから。
昨日は上京したAMDAグループ菅波代表と日本医師会へ。午後7時過ぎからAMDAの黎明期を支えてくれた女性で、現在は某国の元駐日大使で母国では重要な役割を果たしている方の婦人となっている方と3人で久しぶりに食事、昔を思い出して話し込んでしまい、気がついたら3時間が過ぎていた。
甲状腺機能亢進症でチアマゾール5ミリを内服していたのに、来なくなってしまっていたフィリピン人男性53歳、内服しなくなってから約1年、数日前に採血した結果はFT3が5を超え、FT4は15を超えていた。両方とも正常の上限の3倍近くになっている。この年の押し迫った中、年末年始の休みがあるというのに、細かなコントロールをしなくてはならないと思うと頭が痛い。こういう「頭が痛くなること」がないようにと日ごろから病気や治療に話しているのに、ことがおこってしまう。なんともやりきれない気分だ。その直後に同じく甲状腺機能亢進症で診ていたインドネシア人のお嬢さんから血液検査の結果を問い合わせる電話あり。こちらはFT3、FT4とも正常範囲だったが、国から送ってもらった薬でつないでいたということで、本人もビクビクしていたようだ。結果オーライだが、こういう医療につきあっていると疲れる。なにかがおこったとき、責任がとれない。ナイジェリア人男性57歳、何度か通院しているうちに、ようやく信頼関係ができあがってきたような気がする。22日の土曜日は4時間の診療時間なのに、僕のほうだけで外国人患者12人、一時間に3人の割合。
新患のフィリピン人女性37歳、会社で受けた健康診断の書類を持って来院。内容を読んで解説してほしいと言う。いつもつい思うのだが、健診を行っている側の施設はいい商売をしているなと感じてしまう。「異常所見を日本語で書いてただ送るだけ」だからだ。これを英語などで解説しなければならないこちらは大変な労力になる。で・・解説していくと血圧が180と高い。ためしに計測してみたが、やはり170と高い。よくよく訊ねると、近医で降圧剤の処方を受けているというので、薬の名前は?と聞くと「わからない」、薬手帳は?と訊ねると「持っていない」とのこと、薬も持っていないと言う。健診の結果を担当医に見せて、検討してもらいなさいと話したが、本人が僕のところで今後は診てほしいというので、明日、内服薬を持ってきてもらうことにした。ついでに話してしまうが、こういう健診の結果を見ると、胃の透視検査の結果の欄には○○の疑いと書いてあるが、胃の中のどこの部位に疑いの病変が存在するのか、まったく記載がないことが圧倒的に多い。これは僕のように内視鏡検査を行う側からみるとはなはだ愉快ではない。もちろんどんなことがあっても食道から十二指腸の第二部までしっかりと観察するのだが、それでも「あそこが疑わしい」と指摘してくれたら、そこは重点的に診るのだが・・・つい、プロが結果を書き込んでいるのではないのだろうと疑ってしまう。
 先日。在留カードの生年月日に昭和61年○○月○○日と記載がされているタイ人女性の話を書いたが、あらためて取らせてもらったコピーを見ると、国民健康保険のほうには生年月日の欄に昭和61年1月1日と印字されている。これでは通常の医療機関では本人ではないと「勘違い」してしまうのも無理がないし、偽造在留カードか?と疑ってしまうことも無理がない。こういうケースを持ち込まれた医療機関では判断に四苦八苦するだろう。外国人患者を多くの医療機関で受け入れるには、患者との電話通訳だけでなく、こういうトラブルや外国人医療に係る相談を受け付けて適切に答えを見つけてくれたり、アドバイスをしてくれる「相談機関」がぜひとも必要だろう。
南西アジアの某国の男性35歳、ひさびさにやりにくい人に出会った。診察室に入ってくるなりIg Gの検査をしてほしいと言う。何のIgGかと訊ねると、ペニスにできたヘルペスを住まいの近くの皮膚科で治療したからとのこと。外見的には治っていると話すので、ここで治療効果を見てほしいのだなと気がついた。しかしIgGといえば、過去の感染歴には役立つが、現在の感染があるかないかを見るならIgAかMを見たほうが、たしかいいはずなのだが・・このあたりのことを話してもインターネットで調べたとかで一向に聞いてくれない。第一、僕自身、皮膚科医ではないので、これは近くの公立病院に行ったほうがいいと話したところで、カバンをあけて取り出したので会社で受けたという健康診断の結果。赤字で書いてあるところが問題点だと思うが、なんだろう?と言うので、そのレポートを全部読んで解説し、尿酸値とLDLコレステロールが高いが、内服するほどではないと話した。近くの公立病院の初診の受け付け締め切り時間が迫っているので、早く行くように話そうとしても、食事療法は?と僕の話をさえぎる。万事がこの調子。まあ、僕の話を先に聞きなさい、質問はそれから受けますと初めに言うべきだったと後悔した。けっきょく、あれもこれも中途半端のまま、公立病院へと送り出した。公立病院の地域連携室には連絡をしておいたのだが、到着したのが締め切り時間を大幅に過ぎていたらしく、「今回は受け付けるが、次回からは時間を厳守してほしい」と後からお小言の電話をいただいてしまった。
一昨日、日本語は話せても・・・話せるからこそ起こりうるトラブルについて書いたが、18日にも一人、そういう人がいた。フィリピン人男性53歳、尿の回数が多いと訴える。夜だけ多いの?と訊ねると「そうそう」、昼も多いの?と訊ねると「そうそう」、こういう返事をするようでは日本語力に疑問を持たざるをえない・・おしっこの量は多い?それとも少ない?と訊ねると、「多い」との返事。そういえば以前、境界型の糖尿病があったなと思い出した。糖尿病なら頻尿で一回の尿量が多いのもうなずける。朝からまだ何も食べていないと言うので、尿検査を行ったが、糖は陰性だった。けっきょく、近くの泌尿器科を受診してもらうことにした。外国人の中には自分は日本語ができるので通訳はいらないとあからさまな態度で示す人がいるが、こういうことがあるので、やはり通訳はいてもらったほうがいい。
日系ベルー人女性32歳、11月の中旬に咳、痰で来院。その後、3回目の受診、いくらかは軽減しているが、まだ咳があるという。途中、抗生剤を一度使ったこともあるのだが・・昨日は胸部レントゲン写真を撮影しても異状なく、頸部のリンパ節が脹れているわけでもない。百日咳というわけでもなさそうだし・・・やはり通常の風邪が長引いているだけじゃないかと話したら「ほんと? 風邪じゃないんじゃないの? アレルギーじゃない?」と言われた。その日本語の言い方はけっこうきつくて僕は彼女を知っているから、そうは思わないが、医師によっては面と向かって言われたら、気分を害してしまうか、怒る人がいるかもしれない。日本語が話せることはけっこうなことで、診察する側の医師や受付も助かるのだが、日本語の言い回し、相手を配慮しての言い方、敬語の使い方などはとてもむずかしい。患者であるご本人の意思に反して、別の意味に取られる場合もあるだろうと推察した。こういうことは逆に僕ら、日本人の側が英語をはじめとする外国語を使う場合もあるのかもしれない。「○○したほうがいい」ということを英語で何と言うかというと・・・僕らのころは学校英語でhad better と習った。しかし、このhad better には○○しろ・・というような強制的に意味合いが強く、ought to を使ったほうが適切と言われた。○○しろと言われたほうは愉快ではないだろう。こんなことで互いに対する誤った感情が生まれるのかもしれないと思うと、やはり言葉は大切だとつくづく思う。