AMDA国際医療情報センター
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プロフィール

小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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理事長 Dr.小林米幸の独り言カテゴリのエントリ

金曜のセンター東京への相談に2つも3つも問題を抱えた相談があった。フィリピン人女性、オーバースティで妊娠8~9ヶ月、一回も病院に行ったことがなく、お金がないがどうしたらいいかという内容。重い相談だ。最大の問題は臨月が近いというのに病院に行ったことがないという事実だろう。産婦人科医としてはこういう人のお産は受け入れ難いにちがいない。当然だろう、そうでなくても産婦人科は一番訴訟が多いというのに妊娠中の経過がまったくわからない初診の患者のお産を引き受けるなんて専門医が聞いたら無謀に近いと言うだろう。それでもだれかが引き受けないといけないのだから良心的な産婦人科医ほど追い込まれることになる。おまけに今の日本はお産難民が出るような状況。そこに割り込むわけだから、本人が気をつけてくれたら回避できるリスクでありトラブルであるだけにたまらない。椅子のひとつも蹴飛ばしたくなるかもしれない。出産まじかまで産婦人科を受診しないというのは彼女だけではない。東南アジア出身者でもでも南米出身者でもこういう「困った」人たちは少なからずいる。妊娠を病気とは考えないからだ。たしかに妊娠は病気じゃないが母体も胎児も妊娠中は経過をみることが必要だ。妊娠中毒症とか早期胎盤剥離など危険はどこにでもころがっているから。日本の周産期死亡率が低いのもこういう母体と胎児の定期検診が徹底されていることによる。お産に限らないが適切な医療を受けるため、健康な生活を送るための啓蒙活動こそ地域の中で本来は行政が主導して行うべきことだ。大和市医師会ではすでに3年前から外国人医療対策委員会をつくり、このような啓蒙活動を通訳付きに言語別に行っている。行政の対策を待っていてはらちがあかないからだ。それにしてもお金はどうするのだろう? お金がないとのことだが、出産に伴う費用は40万はかかるだろう。けっきょくはオーバースティの状態で日本にいることが彼女にとっても彼女の周囲にとってもどうなのか?というところにつながってくる。今回、もしなんとか乗り切ったとしても日本でこどもを育てるとしたら病気になったらどうするのだろう? オーバースティで公的保険に加入できなければ乳児医療制度も使えない。生活に不安定要素が常につきまとう。日本人の配偶者のこどもを妊娠しているなら特別在留許可を得られる方法がないわけではないが、このケースはちがうと思われる。近年、オーバースティになっている人たちの摘発の強化により、たしかにこういった身分の人たちは減っている。しかしもうひとつ減少している理由に黒社会がからんだ偽装結婚があるからだということも聞く。摘発を恐れて「そういう」組織の仲介で高額な「お礼」を支払って偽装結婚するということだが、こんなことをしてもいずれ在留資格の更新の時にプロが見ればばれてしまう。悲しい現実であるが、このあたり、医療の現場ではいかんともしがたい。切なる願いは政治のひずみに医療を巻き込まないでほしいということだ。
  • 2011/6/20 9:04
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忘れていたが、例の医療費未納のタイ人女性の件で金曜の夕方、保健福祉事務所から電話あり。担当者からだんなさんに「今後、医療費の未納をつづけたら先生も診てくれないかもしれないからご主人が支払いにくるように」と話すとのことである。なにしろ僕自身の誇れることと言えば、医師になって患者と「けんか」をしたことがないことだ。医療費が支払えないから給料日まで待ってほしいと外国人患者にせがまれることもあるが、一回は人を信じてみようと原則、受け入れてきた。その結果、未納になったこともないわけではないが、「給料日まで待って」を「今後はだめ」と決断するほど、痛い目にあったことはない。信じていてよかったと思う結果に終わったことのほうが多い。結果的に支払えなかったケースも先に述べたようにないわけじゃないが、病気でやってきて「給料日まで待って」と言う時のその人の心の中を思いやると普通の神経なら断る気持にはなれまい。とくに病気のこどもを連れてこられると弱い。ただこのタイ人女性の件はちがう。買い物袋を山ほど抱えているのに払えないものは払えないと日本人のだんなまで居直ってしまうのだから。同情する余地がない。きのう、1時に診療が終わってから大急ぎで南林間の駅近くのフィリビンレストランの食べ放題に行く。こういうところに顔を出しているのは食べ放題が食べたいわけではなく、どこかに重症患者がいないか、情報収集や逆に予防接種のお知らせなど広めたい情報を掲示してもらうための顔つなぎだ。1か月前に来た時には600円だった。こんな値段でやっていけるのかと思ったら「ドクトール、きょうは770円ね、ごめんね」と言われた。正直、僕の舌に合う料理があまりなかった。相模大塚のフィリピンレストランで見る顔ぶれがいる。お客の引き抜きのための「600円」だったのかもしれない。
  • 2011/6/19 9:03
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そういえばAMDA国際医療情報センターへの相談日誌を見ていると割礼に関しての相談ってけっこう多い気がする。きのうもひとり。イスラム教徒が多いがイスラムではなくてあった気がする。これもただ皮を切ればいいということではなく、宗教上のやり方があるそうだ。そんなところまで対応できるのだろうか? それとこういう手術って国保や社保の適用ではないはず、だって病気ではないし。すると自費でそんな高額を支払っているのだろうか、一度対応している医療機関にいくらぐらい請求しているのか、尋ねてみたい。フィリピン人の患者に、ドクトール誕生日おめでとうとサンミゲールビールのTシャツをプレゼントされた。開業当初からフィリピン人の患者は少なくなかったが、フィリピン人スタッフを雇用してから激しく多くなった。きのうの終わりにもこどもを2人連れた初診のフィリピン人ママ、住所を見たらすぐ近く。本当にたくさん住んでいるのね。きょうは土曜日、内視鏡検査、フィリピン人も含めて3人、順調に終わってやれやれと思ったころに予約していないフィリピン人、ペルー人、特定健診希望で来院。日本語が読めないので予約もとりづらいだろう。こういう人たちは日本の医療機関のパソコンや電話による予約システムからこぼれてしまう。器械音痴の我々もすでに同じかもしれない。だから僕のクリニックでは一般診療の予約制度は取り入れていない。けっきょく、はあはあ言いながら希望者全ての検査を終わった。戦争みたいな一日。
  • 2011/6/18 9:48
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きのう、午後5時直前に母親がフィリピン人の小学1年のYちゃん、額の怪我の抜糸にやってきた。縫う時もイイ子だったけど、抜糸の時もイイ子だった。Yちゃん、大きくなってミスユニバース出たらサインしてねと言ったら、意味がわかったのかわからないのか、「うん、サインしてあげる」と答えてくれた。夜は横浜、伊勢佐木町のタイ料理屋でタイの看護大学に通う学生で親を亡くしたなどなんらかの理由で授業料が払えずに学業をあきらめてしまいそうな学生に卒業までの学費を奨学金として出している医師、歯科医師などの仲間の集まり。みんなタイ好き、自分たちのお金だけで事が進むので楽しい。もう5年目になる。最初の学生はみなもう立派な看護師になっている。午前中のフィリピン人夫妻、ふたりとも健診の結果を持ってやってきた。午後のペルー人も同じ。健診結果が日本語で書かれており、会社から受け取るだけなので意味がまったくわからず、とりあえず病院に行けなどと言われると真っ青になってやってくる。たいしたことなし。食事指導をした。昼休み、往診と医師会へ出ようとしたらフィリピン人スタッフが作ってくれた春雨と豚肉の料理あり、長く生きるようにとフィリピンでは誕生日に必ず食べるとのこと、そう、きょうは62回目の誕生日。そして職員からシホンケーキの上に62と大きなという数字のろうそくが乗っていた。うれしかった。
  • 2011/6/17 15:40
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嵐は突然、お昼ごはん前にやってきた。ペルー人の急性腸炎もなんとかあやしげなスペイン語で「通じさせて」やれやれと気を抜いたところだった。例の医療費未納のタイ人、日本人のご主人と娘を連れてやってきた。まず最初に今までの未納2ヶ月分2万円を受付窓口で支払ってもらった。ほっと一安心。それから診察、今回は市役所と保健福祉事務所に提出する書類の作成もありややこしい。昼休みになり、どんどん時間が過ぎて行く。おじょうちゃんの診察も本人の診察も終り、ほっとしたのもつかの間、受付から内線電話あり。本人がきょうのお金は一円も支払えないと言っています。先生に話してあるというけどそうですかあ?と確認の電話。はあである。そういう話しあいはしていない。出て行くとクリニックの外にはご主人らしい人がおじょうちゃんと遊んでいる。ご主人にもきょうのお金のことを話すように指示。すると御主人からも「お金がないから払えない」と簡単に一言。両手にはいっぱいの買い物袋。こういうのってありかしら? ないから払えないって言うけど、基礎年金と企業年金をもらっていて生活保護の受給資格がないというのに「ないから払えない」ってそりゃひどいとは思いませんか? それで10月に娘を連れて一カ月タイに帰るので薬はだいじょうぶですかって言われてもなあ。2人分の飛行機代、どうするのかしら?これで来月やってきて「きょうも支払えない」と言われたら頭に血が上るかもしれない。今度は強硬に「診られない」と言わざるをえないかと思っている。昼休みが全部つぶれてしまった。
  • 2011/6/16 15:27
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朝、診療の前に郵便など整理する。国保連合会から封書、あけてみるとレセプトの点数が切られて帰って来た。要するに減点、お金を引かれたということだ。日系ペルー人の男性、減点理由に「国保加入の資格はあるが、今は入っていない」とある。要するに過去に国保に加入していたが、掛け金を支払わなかったために使えなくなっているということだ。その保険証を窓口で出したのだろう。とくに土曜日に来られると役所がお休みなので保険証が有効かどうかの確認のしようがない。意図的なのか、知らなかったのかは不明だが、こういうケース、日本人も少なくない。どうにかならないものだろうか。火曜日はタイ語の通訳が来てくれている日なのにだれもこない。夕方になってタイ人、ラオス人とやってきた。チャイヤブーン出身のタイ人女性、「先生、うれしーい、あさってねタイに戻るの、一カ月」。たぶん太ってもどってくるだろう。ラオス人女性がやってきたときにはほかに患者がいなかったので「楽しいラオス語会話」を教わる。日本語「今、何してるの?」→タイ語「タム アライ ユー?」→ラオス語「ヘッニャン ユー?」。こんな楽しい勉強が診察室でできるのも僕の特権だ。
  • 2011/6/14 17:36
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朝の診療開始前にセンター東京の土日の医療・医事相談のまとめをチェック、エイズや在留資格の話など深刻な相談が多かったようで、相談員もご苦労様だった。5カ国語で無料で相談できるわけだから外国人にとっても外国人を支援しているさまざまな立場の人にとってもきっと便利、助かっていると評価されていると思いたい。しかも電話だから日本国中、いいやこれから日本に行くのだがと海外からも相談がくる。どのようにしてセンターの存在を知るのだろうか。そういえばあのミシュランガイドにも掲載されていてびっくりしたことがある。メンタルクリニックを受診したいアメリカ人男性について代理の日本人女性から「米国の社会や文化について理解がある」医師を探してほしいという相談もあったらしい。とくにメンタルクリニックについては言語ができても彼らの文化や社会についていくらかの知識がなければスムースな診療はできまい。このあたり、目に見えることではないのでむずかしい。午前中にガーナ人、午後は韓国人、いずれも高血圧。きちんと内服してくれているので血圧も落ち着いている。夜は理事長を務めるAMDA国際医療情報センターの定期総会で東京へ。設立以来の責任者なのでわが子のようにかわいい。週明け早々忙しい。
  • 2011/6/13 15:58
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夕方になってフィリピン人男性患者から電話があった。自分の経営している相模大塚駅北口近くのフィリピンレストランでオープン2周年の食べ放題をやっているから来てくれないかと。行ってみたらすでにすごい人、日本人は僕を入れても2人。ドクトールと呼ぶ方を向くと患者の中年フィリピーナが2人、ありがたいことに席をあけてくれた。こういう店は貴重だ。予防接種のこと、検診のことなどタガログ語で書いて壁に貼っておいてもらう。レストランなど同じ国の人が集まるところで広報をすると彼らのコミュニティに情報を広めることができる。いつだったか、子宮頚がん予防ワクチンであるサーバリックス接種に市からの補助が降りることになり、その翻訳したポスターを持って行ったことがある。次に行ったときにトイレに入って便器に座ったら目のまん前にポスターが貼ってあったのには驚いたが笑えた。たしかに「一番見やすい」ところだ。帰るからお代は?と尋ねると、きょうはパーティだからいらないよ、ドクと言われた。それにしてもあの料理ではコレステロールも中性脂肪も血圧も高くなるだろう。でまたクリニックの患者が増えるというわけだ。やれやれである。
  • 2011/6/12 9:01
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一カ月に一回、ベトナム人の通訳が勤務している日なのでベトナム人の患者が多い。大和、横浜泉区瀬谷区、藤沢、綾瀬などからやってくる。がん検診に特定健診の問診もスムースに進む。問診が書けないとがん検診も特定健診も受けられないだろう。結局はいい制度も絵に描いた餅になる。通訳の彼女はとても優秀で資質はすばらしい。みんなにこにこして帰っていく。フィリピン人男性、血圧180で当日の処方でコントロールができるかどうかみるために一週間分だけ処方したのが4月の終わり、以後来院せず、きょうは頭が痛いと来院。やはり190ある。うーん、どうして来てくれないのか?仕事が忙しかったとのこと、なんと言っていいのか。ごめんねと言われても本人のことだし・・もどかしい。カンボジア人女性、彼女とは23年の仲だがきょうはなにか変、今までありがとうと言って泣く。心配になり病院で働いている娘さんに電話したら食事療法で一度下がった血糖値がまた食べすぎで上がってしょげていたかららしい。最近精神的に不安定とのことだった。例のタイ人女性、結核患者の件で娘さんの小学校の担任から電話あり。予防内服がきちんとできているかどうかの報告。ありがたい。たしか転校したばかりだったはずだが、こんな先生が担任ならあの子も幸せだなとうれしくなる。医療費が支払われているか、先生も心配してくださった。先生が自宅に電話したらご主人が出て、奥さんである患者にお金を渡すと別のことに使ってしまうので渡せないと話したとのこと。この手の話はタイでもよくある話なので嘘とは思えないが、そうなら直接クリニックに電話をして事情を説明してくれてもいいのではないか。二か月も放置されてはこちらが心配になるのも当然だろう。やはり配慮が足りないと言わざるをえない。7日の夕方、市立病院に急患として送ったフィリピン人患者について返事が来ていた。やはり検査の結果、骨盤内腹膜炎の疑いとのこと。婦人科系疾患だろう。送って正解だったのだが、本人がどうしても入院はできないというので抗生剤を処方して帰したとのコメントあり。入院治療のほうがよかったとは思うが、いろいろとあるのだろう。いつもだが医者が思った通りに進まないのが医療と思いしらされる。
  • 2011/6/11 8:58
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昨日、夕方、保健福祉事務所の担当者が例の医療費未納のタイ人女性の件も含めて赴任のあいさつにやってきた。医療費が払えず、生活保護の手続きを取りつつあると小耳にはさんでいたので、尋ねてみると、それができないとのこと。理由は日本人の夫が一般の年金に加えて企業年金をもらっていてそこそこの収入で生活保護受給の資格がないということらしい。そんなに収入があっても払わない医療費、これってなんと言ったらいいのだろう。悲しいというより腹がたつ。人の好意をこのように切り返されるとけっきょくは自分たちが困るだけなのに。診療開始前に昨日のセンター東京の外国人医療相談の内容をチェック、母国と同じく精神科に通いたいというアメリカ人、精神科は通訳が間にはいるとむずかしい。乳がんで術後4年のペルー人の患者が皮膚が赤くなったので手術した医療機関に行ったら担当医はどこかの皮膚科に行けと言ったので皮膚科を紹介してほしいとのこと。これってもし本当なら「人にやさしくない」医療じゃないかな。どんな手術をしたのか、乳がんと関係ないと診断した理由などを情報提供書として持たせてあげなければ患者も次に診る医師も戸惑うばかりだろうに。忙しくてもそれぐらいはしてあげてほしい。午後になってフィリピン人男性が薬だけ出してほしいとやってきた。高血圧と中性脂肪がばか高いのに高血圧の薬だけでいいと。中性脂肪の薬はたくさん余っていると明言。先月の血液検査では中性脂肪333、にこにこしながら待合室に出て行って軽く「お説教」をした。きょうは夜の7時すぎから近隣との広域救急体制の件で医師会長として市の担当者に事情説明し、医師会の考えを伝えて協議しなければならない。医師会の役員は無給。一日何時間働いているのだろう、開業医になってもあれだこれだと忙しい。昔、外科医でばりばり手術をしていたころは開業医なんて土日はゴルフでお金の勘定ばかりしているのかと思っていた。ほんとにお気楽、浅はかなおばかであった。恥ずかしい。
  • 2011/6/10 16:46
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