AMDA国際医療情報センター
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プロフィール

小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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理事長 Dr.小林米幸の独り言カテゴリのエントリ

土曜日は外国人患者が多い。11時ごろになってフィリピン人男性のカルテが並んだ。混んでいて1時間も待たせてしまった。右の下腹部が痛いのと30分おきにおしっこに行きたくなると言う。右の下腹部が痛くなるのはいつからと尋ねると数か月前からと答える。それも毎日ではないらしい。ではおしっこが近いのはいつからと尋ねると2週間前ごろと答える。おしっこが終わるときに痛くない?という質問には「痛くはないけどジーンとする」と言う。それって痛いということじゃないかしらなどと推察する。たぶん彼は尿道炎に罹っており、右下腹部痛は症状の始まった時期から考えても尿道炎とは関係がないのだろう。問題はどうして尿道炎になったのかということだ。一般的に考えるとオナニーや性交渉をして感染したなどの可能性もある。本人に尋ねたい、しかし同じフィリピン人の奥さんが心配そうにぴったりそばに立っている。クリニックの通訳のフィリピン人女性も立っている。そういうところでお前はSTDに罹るようなことを?とかオナニーをしているかと尋ねても、もしそうだとしても本当のことを言うはずがない。今更、通訳に奥さんを部屋の外に連れ出すように指示したら、奥さんは自分に聞かせられない話を僕がするのだろうと鋭く感づくにちがいない。つぎに彼を激しく責めるだろう。たとえぬれぎぬでも責めるだろう。けっきょく僕の想像で抗生剤を出しておいた。こんなことまで配慮しなければいけないのかと思ってしまう。彼が帰った後、通訳には僕の考えを話しておいた。ああそうですか、では次にやってきたときには私が奥さんを診察室の外に連れ出しますと通訳は答えてくれた。
  • 2011/11/28 9:16
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きょうは暇・・・と思っていたら、午後になって近くの小学校から電話あり。ホチキスを指に止めてしまったとかで診てほしいというので受けた。20分近くしてやってきたのはなんと小さいころからときどき診ていたアルゼンチン国籍の11歳のこどもだった。見せてごらんと言って差し出した手をとって驚いた。左の親指の腹側に張り付いたようにホチキスの玉がきちんと刺さっている。教室でホチキスを構えているとき、うしろから友達に押されてその衝撃で押してしまったらしいが、あんなにきれいに両側刺さるものなのだろうか? 指の付け根、両側に麻酔の注射をする段階で大泣き。そこから先の指全体が伝達麻酔で感覚がなくなってからホチチキスの玉が折れて一部が指の中に残らないようにゆっくりと摘出。こどもも先生も笑顔になって帰ってくれた。あの伝達麻酔なら明日の昼近くまで効いていることだろう。
  • 2011/11/25 16:27
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 きょうは午後から県医師会の会長会。午前中に上部内視鏡検査3人、今年になって445人目の内視鏡検査。外来診療しながらの数なのでまあよくやったものだ。検査に入ると患者をその間待たせてしまう。たぶんひとりの検査に10分程度、待っている方には本当に申し訳ない。おととい生活保護のフィリピン人が2人いた。フィリピン人に限らず、最近は不景気なせいか、生活保護の人が多くなっているのを実感する。クリニックの10月の生活保護の患者数を調べたところ、全員で27人、うち外国人が12人だった。半数とはいかないが44.4%、けっこうな割合だ。生活保護が適用になるということは定住、永住資格を持っているということだろう。今年の春だったか忘れてしまったが、神奈川県で生活保護の不正受給でベトナム人女性が逮捕された。配偶者とは法律的には離婚して、いっしょに生活して別々に生活保護費をもらっていたとのことだ。彼女、僕の患者だった。最初にやってきたとき、もうだいぶ前だが左の上腕に薄く皮下出血があって、ご主人から暴力を受けているとのことだった。実はそのときの証拠の写真もある。あとで警察に彼女が駆け込んだらと外来で写真を撮っておいたのだ。あの外傷は本物で僕をだますつもりで被害者を装ったのではないと思っている。クリニックにやってくるベトナム人の通訳によるとすごい高級車に乗っているところを何度か目撃したとのことだった。警察ではみんなやっている、なぜ自分だけ捕まったのか」と言っていると人伝てに聞いた。悲しいことだ。
  • 2011/11/24 14:35
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 きのう、某組織より外国人医療についての講義の依頼の電話があった。こういう依頼は基本的にはうれしいものなのだが、いつも「どれぐらいの時間、話をさせてもらえるか?」がすごく気になる。依頼に際して「はじめに何分で・・・」と言ってくれるといいのだが。外国人医療について話すということになると、総論から各論まで自分の経験を普遍化しながら話さねばならない。いま、いつも使える状況にあるスライドが210枚程度ある。講義や講演の依頼をいただくと、聞き手がどういう職種の人たちなのか、学生なのか、など考えながらテーマといただける時間に合わせてスライドの種類と枚数を選ぶ。母校の慶應義塾大学の看護医療学部の講義や同大学院の講義では2こま、すなわち90分×2=180分いただいている。土曜の午後、診療を終えてから駆けつけ、2時45分から6時まで。これなら十分。たぶん医学部の後輩にあたる同学部の教授の厚意によるものだろう。関西方面の医学部で講義をさせていただくときはいつも90分で質問の時間を計算に入れると必死に早口で講義をすることになり、聴いている学生の眠気を誘っていることだろう。講演もおよそ90分で依頼をいただくことが多いが質問時間を入れて60分で・・・などと依頼されるともはや依頼を受けるべきか否かで悩んでしまう。言いたいことが言いきれないからだ。一番困るのは「ここの部分だけお願いします」と依頼されることだろうか。総論、各論、講義講演する人が変わると話に温度差が出る。考え方のちがいも出る。だから僕は外国人医療についての本を書くとき、いつも「分担」ではなく一人で通して書くことを好んできた。苦労は大きいができあがったものを読んでみると主旨に一貫性がある。僕自身、自分については性格温和で協調性ありと思うのだが、ときどき他人さまから強烈な個性の持ち主と評されることがある。ばかな、この俺が・・・と思うのだが、ひょっとしたら本当に強烈な個性の持ち主なのだろうか?そのうちに変人と呼ばれないように気をつけねばならない。
  • 2011/11/22 9:00
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 月曜日、寒くなってきたせいか、感染症が多い。フィリピン人女性32歳、のどが痛くて39度の熱があると言う。のどを覗くと赤い。溶色連鎖球菌の感染症を疑ってのどを綿棒で触って検査したところ、陽性であった。3歳のこどもがいるというので感染しないか心配。
 午後になってときどき顔を出すアメリカ人49歳の女性来院。精神科疾患があり、おなかのことでいつも話が堂々めぐり、精神科でどうもコントロールがうまくできていないようだ。腹痛の原因は米軍横須賀基地からの情報提供書でわかっているのだが・・・それについて話しているうちに興奮状態となり、大声となって止まらない。そのうちに自分で診察室を出て行ってしまうのだが、受付でにらんでいる。こういうのは言葉の問題だけじゃない、だれか精神科疾患のほうのコントロールをなんとかしてほしい。僕が市立病院を紹介しても一回で戻ってきてしまう。身の危険を感じることはあまりないが、いつになったら帰ってくれるのかがわからないし、どうしろとも言えない。きょうも40分さんざん話しまくって大声出して帰って行った。痔の薬と消化器の薬を希望、いわゆる慢性疾患指導料を取れる病名があるのだが、それを説明しても理解してくれない、というか理解力がない。そうだろう、こういう制度は日本人だってわかりにくい。いつも帰り際に「もうこんなところ、こない」と叫んで帰るのだが、忘れたころにやってくる。きょうはそれでも比較的おとなしかった。
  • 2011/11/21 16:29
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きょうはベトナム人の通訳がやってくるのできっとベトナム人が多いとは思ってはいたが・・・、外国人患者は21人、うち隣の綾瀬市に住んでいる男性の特定健診から、こどものインフルエンザの予防接種までベトナム人が15人も来院。通訳の能力が高いのでおかげでさっさと診察が終わる。やはり有能な通訳はいてくれたほうがいいに決まっている。考え方のちがいや習慣のちがいについても適格なアドバイスがもらえる。カンボジア人の女性、十二指腸潰瘍の治療効果確認のための内視鏡検査施行。治癒していた。すごく喜んでくれたが、この1年で数キロ体重が増加したとかで血圧、コレステロール、中性脂肪もチェックした。フィリピン人の仲好し2人組、ふたりとも高血圧。寒くなってきたせいか、血圧が上がり気味。ちゃんと指示通りに内服してくれるように話した。朝の8時20分から一人目の内視鏡検査を開始、診察しながら「きょうは4人だったっけ、がんばらなくちゃ」と思いながら時間の計算をしながら進めていたら、サバを食べて胃がつかまれるように痛いという人が来院。聞くと自分でさばを買ってきてさばいたらしい。これは当クリニック4人目のアニサキス症かと11時半から緊急に内視鏡、本日5人目を施行。アニサキスはいなかった。かわりにというか十二指腸に出血を伴う多発の潰瘍あり。できたての急性潰瘍と思われる所見。こんなこともあるのかと驚いた。
  • 2011/11/21 8:55
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病院での受診時、あるいは薬の処方や検査について、日本人の医師やスタッフからの説明がわからないので、AMDA国際医療情報センターに電話してくれと頼んだところ、医師やスタッフから断られたという相談がセンターにたくさん寄せられる。僕自身、医師の立場なので両方の気持ちがよくわかる。患者のほうはわからない病名、わからない経過、わからない検査、わからない薬、不安がいっぱいなことだろう。医師やスタッフだって不安な気持ちは必ずあるとは思うのだが、忙しい外来の中ではそこで待ったをかけられてしまうとすべての流れが止まってしまうと思うのかもしれない。どこの馬の骨ともわからない団体に電話してくれと言われても、そうですかと答える気持にはならないのかもしれない。これは医療機関側の電話を使って電話代まで支払ってしてあげるべきことか?という医療機関側と患者、電話代をどちらが支払うかという問題ではないような気がする。やはり時間的な問題と得体のしれない団体の人になぜ説明をしなければならないのか?ということだろう。しかし、それなら日本の医療機関に勤める皆さんや日本社会に考えていただきたいことがある。外国人だからという理由で診察を断ることは人権に違反することかもしれない。では外国人を患者として受け入れたらどうなるかというと先に述べたように問題が必ずおこりうる。日本人患者に対しても同じとは思うが、よく説明を理解できない人がいたとしたら受け入れ側は不安になるし、その結果、医療事故が発生したらいやでも医療機関側にもその責任は問われる。そういうリスクを回避するために何をどうしたらよいのだろう?どういう対策を考えているのだろう? ぜひ聞いてみたい。外国人観光客の受け入れにあれほど熱心だった官庁、行政にも尋ねてみたい。
  • 2011/11/18 13:43
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きょうは珍しい日、午前中にカンボジア人が4人もやってきた。最初の女性は風邪、次の方は74歳女性、いつもの甲状腺機能亢進症、高血圧、糖尿病の診察とインフルエンザ予防ワクチン接種。ワクチンは予約していなかったのにラッキーなことにきのうまでにキャンセル待ちの人の整理ができたので打てた。ときどきお姉さんとやってくるがふたりで話しているのを聞いていると潮州語で話している。カンボジア、ラオス、タイ、ミャンマーの華僑はほとんどがこの潮州語を話す潮州人で、どこの国でも経済を握っている。タイではたしかコメの卸問屋はすべて潮州人と聞いたことがある。彼らは国籍がちがっても「中国人」という強いきずながあって助け合う。きょうはお姉さんではなく、お嫁さんが付いてきた。お嫁さんと話しているのを聞いているとなんとカンボジア語だった。お嫁さんは純粋のカンボジア人、日本にやってきて5年程度か。30台と思われるお嫁さんと来日26年ぐらいのお姑さん日本語力はおよそ対等である。華僑は華僑どうしで結婚したがる仲では珍しいカップルだと思う。インドシナ難民として日本にやってきた人たちのこどもたちのうち、女の子は色が浅黒く、スタイルもよくエキゾチックで日本人の男性にプロポーズされて結婚していく人たちが多い。男の子たちはというと同世代の日本人の男性に比較して家としての財産もないせいか、同国人の女の子たちは日本人と結婚して少ないうえに、日本人の女性でそういう彼らと結婚しようという人は少ないゆえに・・母国に短期で帰って一週間のうちに数回見合いを重ねてお嫁さんを連れてくる。このお嫁さんと言うのが日本語もわからなければ日本の制度も習慣もわからない。そういう状態でこどもを産むのでこどもの予防接種他いろいろなことが抜けてしまう。幸い、彼女のお嫁さんはそうとうしっかりしている。12時ぎりぎりにやってきたのがインフルエンザ予防接種希望の夫婦。大和の北隣の相模原市からやってきた。
  • 2011/11/17 14:37
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水曜は休診日、夕方になってから以前にクリニックに来てもらっていたタイ語の通訳に電話した。彼女は高校生のときに某医師会の招きで10人近くの仲間と来日、日本の高校を卒業し、看護学校で正看護師の資格を取ったという人物だ。年齢的にももう50代の後半、人生をタイと日本を往復しているような人だ。バンコックにいる母親が高齢となり、認知が入ってきて母親の介護をするために帰国したのが3年前だ。アユタヤ方面から溢れてきた水がバンコックの北、東北方面から迫り、チャトウチャック付近までやられているというので心配になって何度か電話をしてみたがつながらずに心配していた。たしか彼女の実家はバンコック市内の中では東北に位置していたはずだからだ。「おおお、○○さん、元気だった?何度も電話したのにつながらず心配したよ」「この電話ね、出ようとすると切れちゃうの、どうしてだろう?」「家はどう?たしか東北だったよね、バンコックの?」「そう、いまね、母を連れてパタヤにいるの」「ああ、看護婦仲間の友達がホテル経営していたっけ?あそこ?」「ちがうの、実は売ろうとして売れてない家がパタヤにあって、そこに来てる」「そうなんだ、バンコックのお家はどう?」「弟が守っていてくれていてポンブで排水してる。敷地の中には水が入っているけど、まだ家の中に水は入っていない。周りは60センチぐらい水がたまってる」「先生、ワンチャイ先生のところはどう?シェーンワッタナあたりは水没しているけど、一部水がないところもあるって聞いたから」「彼のところは1センチ床上浸水したって」「それぐらいでよかったほうよ。先生、今度いつ来るの?タイ」「年末だけど、今度は会おうね」というしだい。バンコックの洪水もようやくめどが見えてきたと聞いたが市民生活はまだこんなものだ。
  • 2011/11/16 15:50
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タイ人ディ。隣の綾瀬市の特定健診も僕のクリニックで受けられることになったので綾瀬市のタイ人が続々やってくる。43歳女性、健診の胸部写真を撮ったら、右肺中葉に影、両側の肺の下方にひきつれかごく少しの水がたまっているのか・・タイで車に乗っていて事故にあったとはいうが、そのせいかはわからない。彼女の田舎、ナコンパノムはタイの東北部、メコン河にも近く、メコンのなまずなど生で食べる人もいる。肝吸虫も肺吸虫もいる。こういうとき悩んでしまう。少なくともがんではなさそう。特定健診の末梢血では白血球数はチェックするが、白血球の分画はチェックしない。分画をチェックすると寄生虫疾患はわかりうる。ということでこちらは通常の診察で入れた。52歳女性、精神的な問題もある。数ヶ月前に骨折して鎮痛剤を内服して胃が痛くなり内視鏡施行。多発性の胃潰瘍だった。たぶん鎮痛剤の副作用。なのに・・・きょうは骨折した部位がまだ痛いからこれを飲んでいると見せてくれたのは・・タイの薬だった。調べてみたら胃潰瘍ができたときと同じ薬、日本でも発売されているポピュラーな薬だ。それを一錠50ミリで一日100ミリが最大量のところを一日3錠150ミリも内服している。やめるように説得したが泣き出しそうになって返事がない。やめてもいいが、元気になる注射をしてほしいと懇願する。そういう注射はないと言うと何も言わなくなってイスに座ったまま。通訳に促されて部屋から出て行くが、また話があると入って来る。いつものことだが頭が痛くなる。 彼女が帰ってしばらくしてタイ語のきょうの通訳が入ってきた。「せんせい、さっきの人ね、私が外国人だからせんせいが注射してくれないって言うので、そうじゃないって話しておきました」と言うではないか。なんだか力が抜けてしまった。
  • 2011/11/15 16:51
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