AMDA国際医療情報センター
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プロフィール

小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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理事長 Dr.小林米幸の独り言カテゴリのエントリ

高血圧で降圧剤を定期処方しているフィリピン人女性54歳の診察が終わった直後に、フィリピン人スタッフが「胃が痛くて胃の内視鏡検査もしてほしい」と言っていると教えてくれた。きのうは午前に通常診療の合間に上部消化管内視鏡検査が2件、午後も診療の合間に上部消化管と下部消化管の内視鏡検査が1件ずつ予約で入っているので、ちょっと無理かと思ったが・・・検査を受けるつもりで飲食しないで来ているという。うーん、こちらの都合も考えずに・・などと思いたくもなる。昼休みに保健福祉事務所と教育委員会との面談の予定が入っているのに、これでは昼休みがなくなってしまうと暗い気持ちになりかけた。こういうときは悩まずにさっさと検査してしまったほうが早い。奥の内視鏡室で準備をしてもらうことにした。しばらくして準備ができたとのことで内視鏡室に行って、ベッドに寝ている患者の顔を見たら・・・ちがう、さきほどのフィリピン人女性ではない。同じ高血圧でフォローしている64歳の女性だ。フィリピン人スタッフに思わず、「人がちがう」と話すと「そう、さきほどの人ではありません」という返事。僕が早とちりだったのか。喉の麻酔だけで検査を開始、前庭部後壁に大きくて深い潰瘍がある。辺縁はスムースでがんの心配はないと確信した。終了後、診察室で彼女に遅くなった問診を行った。やはり背部痛もあるという。あの潰瘍の場所からは膵臓に炎症が及んでいるにちがいない。内服薬を処方。きょうやってもらってよかったと感謝の言葉を残して彼女は帰って行った。
あの潰瘍ではさぞかし痛かろう。早く検査してあげてよかった。
  • 2017/6/13 9:00
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おとといはベトナム人スタッフがやってくる土曜日、やはりベトナム人が多い。ベトナム人男性66歳、この半年ぐらい、精神的に不安定になっており、心療内科か家族が受診している近くの精神科病院を受診するように話しているのだが、いやだと聞き入れない。睡眠導入剤で寝ることはよくできるようだが、アルプラゾラムの通常量では不安定になるときが多いらしい。診察室に入って来るなり、ベトナム人スタッフにならやら厳しい顔でまくし立てていた。「あなたの意見は入れないで自分の言ったことだけ伝えてほしい」と言ったとスタッフが教えてくれた。スタッフとの間の信頼関係が揺らいでいる。やはり専門家を受診したほうがいいと思い、提案したが、聞き入れなかった。フィリピン人男性48歳、またまた痛風発作。痛みが強そう。英語がわかると思っていたが、英語で僕が説明し終えたことを上手な日本語で聞き直してくる。英語で話した時に、わかったというようなことを言うのだが、ちっともわかっていないとその時に気がついた。おまけに日本語が上手なのは普通の会話であって、医学的な話になると噛み砕いて話してもわからない。彼のようなフィリピン人は少なくない・・・というより多いのだろう。やはりフィリピン人スタッフに日本語で話し、フィリピン人スタッフにタガログ語で説明してもらったほうが確実に理解してくれる。英語ができても、そこそこ日本語が上手でも、フィリピン人が僕のクリニックにやってきてくれるのはフィリピン人スタッフとタガログ語でやりとりできるからだろうと思った。
  • 2017/6/12 9:00
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カンボジア人女性78歳、雨の季節になっていやだね、先生と。たしかにカンボジアにも雨季はあるし、それも梅雨よりはるかに長い半年だが、ザーッとスコールが来た後はお日様が出てカンカン照りになる。梅雨は朝から晩までじめじめしてうっとうしいからいやだというわけだ。いつもの診察のあと、次の診察時に特定健診を行うことで話が進んだ。毎年、検査の当日、尿を採ろうとクリニックのトイレに入っても、出ないそうで・・・採尿のときの注意ごとを話して、紙コップとスピッツを渡しておいた。こんなことで笑顔で感謝された。同じくカンボジア人女性63歳、潰瘍性大腸炎の診察を終えて、帰り際に「せんせい、またきてたからこれ」と大きな封筒を渡された。ああ、毎年の難病申請の用紙だなとは気がついたが、待合室に人がたくさんいらっしゃる気配がするので、そのまま預かった。日本語で書けない彼女の代わりに、主治医が記載するところ以外も僕が毎年書いている。昼休みにカルテを見ながら用紙をよく読むと、記載のためにしておくべき大腸内視鏡と血液検査がまだ行われていないことに気がついた。血液検査が嫌い、大腸内視鏡は恥ずかしいからいやだという彼女の気持ちを知りすぎているため、そして症状が内服により軽度に抑えられているため、ついついこうなってしまう。3歳にころから知っている彼女の娘さんに電話して、わけを話して、大腸内視鏡の検査前処置の薬を取りに来てもらうことにした。
  • 2017/6/10 9:00
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ペルー人の男の子16歳、つい最近まで小児科でピイピイ泣いているような気がしたが、立派な高校生になってしまっていてしばし呆然。この子にとってはもう日本が母国なのだろう。ずっとスペイン語を忘れないでいてほしいものだ。フィリピン人男性65歳、県内の遠方から通院してくる。通院したての頃、クリニックの近くに知り合いが多くて、やってきたと聞いた。居住地の役所の生活保護担当から、どうして1時間ちょっとの時間をかけてまで、僕のクリニックまで行くのか?と言われたらしい。当然の質問だと思う。言葉の問題、そして検査など行っても、電話ですぐにフィリピン人スタッフを通じて結果が聞けるなどの利便性だろうと思う。きのうは入管に行ってきたそうで、3年になったよ、ドク、ビザわかる?と言われた。そりゃ、ビザがピザとはちがうぐらい、僕にでもわかる。今まで1年ごとの更新であったビザが、昨日は3年間認められたというわけだ。それだけすでに長く日本に住んでいるということなのだろうが、生活保護を抜け出すことは極めてむずかしそうだ。政府は少子高齢化の労働力不足に備えてたくさんの外国人に来てもらいたいと願っているようだし、観光客の受け入れに血眼になっているようだが・・そういう観点から考えると、彼などは招かれざる客にちがいない。
  • 2017/6/9 9:00
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アメリカ人男性がやってきているとフィリピン人スタッフが教えてくれた。用件を尋ねたところ、「診察ではない」と答えたとのこと。それではなおさら、やってきた理由を知りたくなるものだが、「ドクターにしか話さない」と言っているという。いいよと答えると、巨体の男性が入ってきた。日本の公的保険には加入していないが、どうやら居住地より米軍の関係者と思われた。来院した理由を尋ねると、バッグから紙の小さな箱を取り出した。手に取ってみると、どうやら薬が中に入っていたらしい。そして・・・よく読むとどこかで見慣れた病院の名前がプリントしてあった。バムンラード病院、バンコクでは超有名な私立の病院だ。空港から高速道路でスークムビットやシーロムのホテルに向かうとき、左手に横長の病院が見えて、緑のライトで、たしかバムンラード インターナショナル ホスピタルと英語で書いてある。スークムビット ソイ1に位置しており、日本語通訳を務めている知り合いのタイ人女性を尋ねて、たった1回だが行ったことがある。この女性、年齢は僕より少し若いぐらい、昔、岡山で勉強して正看護師の資格を取って帰国したものの、当時のタイではタイの看護学校を卒業し、タイの看護師試験を通らないと看護師としては働けないため、もっぱら日本語通訳を務めていた。
薬はテストステロンだった。日本医薬品集など調べてもまったく同じものは日本では発売されていない。そう話すと、数週間後にはまたバンコクに行くというので、再度、バムンラード病院を訪ねて処方してもらうようにと話すと、そうしますと答えて帰って行った。こういうことでも診察費はもらうべきなのだろうが、もらいにくい。またまた職員に怒られそうだ。
  • 2017/6/8 9:00
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午後2時頃、フィリピン人スタッフの携帯電話が頻繁に鳴っているのに気がついた。どうしたのか?と尋ねると、近くの公立病院でCT撮影を予約したフィリピン人女性が道に迷っているのだという。公立病院は市役所の隣にあって迷うようがないはずなのだが・・予約の時間に遅れたら公立病院に申し訳ないと思っていたところ、しばらくしてようやく病院にたどり着いたと電話があったとのこと、ところが今度は誰に予約伝票を渡していいのかがわからないと話しているという。フィリピン人スタッフもこのあたりの機転は利く方で、「だれでもいいからそこの職員に見せてあげて」と話したと教えてくれた。さらにしばらくして、無事にCTのところにいると連絡があったそうだ。忘れていたが、フィリピン人もタイ人も地図が苦手だ。駅から僕のクリニックまで徒歩4分程度なのだが、駅にいますという初診の患者に電話で場所を教えてあげてもなかなかすぐにはたどり着けず、何回か電話がかかってくる。こういう地図が苦手というのが、フィリピン人とタイ人だけとは思わないが、患者数が多いだけに目だってしまう。僕の得意は何かというと、タイ人にタイの地図を教えてあげることだ。タイの地図を書いて、ここの県はどこ?といくつかの県を示して尋ねると、ほとんどのタイ人は正確には答えられない。僕だってまちがえることもあるが、それはほんの数か所、「本当にタイ人?」「クンモ―、すごいなあ」なーんてやりとりをタイ人患者としている。
  • 2017/6/6 9:00
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2月下旬だったか、日経メディカル オンラインに依頼された本年4月から来年3月までの外国人医療に関する執筆、とくに自分が診察していて気がついた実践的な文章をというニュアンスだった。はじめは2週間に1回、約4000字ぐらいという話だったが、とてもじゃないが、2週間に1回は無理と担当者にお話しして、1か月に1回にしてもらった。もうずいぶん前だが、東京新聞の土曜のコラムの執筆を半年分24回依頼された時のこと、担当者から掲載が始まる前に6回分程度は書いておいた方がいいですよとアドバイスされた。そうでないと締切に「追いかけられる」ことになるからだそうだ。それで掲載が開始になるまでに半年分24回の原稿のうち、18回ぐらいを書いておいた記憶がある。これで楽勝かと思ったら・・19回からはぱたっとアイデアが出なくなり、けっこう苦しんだ。1月頃に帝国ケミファのMRが全国の医師に配布している隔月刊の雑誌に1年分6回、各号5000字の原稿を依頼された。6回のうち5回は自分が書き、1回は通訳の話なので適任者に書いてもらった。こういう長いシリーズを依頼されている間に別の原稿を依頼されることが過去にもあり、性格的に一つが気になってもう一つのこともできなくなってしまうので、3月の中旬までに来年3月までの5回分を全部書いてしまった。案の定、この5回目が終わる少し前に、日経メディカル オンラインの原稿を依頼された。昔の東京新聞のコラムのときの轍を踏まないために、書けるだけ書いた。いまの時点で書き上げた送った原稿がたぶん13、うち長すぎて2つに分けた方がいいとアドバイスされたものが2つ、同じく長すぎて3つに分けますとふどばぃすされたものが1つ、すると17回分が終わったことになる。1か月に1回という話だったが、担当者からこのまま続けて書いてくださいと言われているので、やはり2週間に1回という掲載に近くなるのだろう。あと7回分を7か月ぐらいで書けばいいことになる。なんとかいける気がする。日経メディカル オンライン、ぜひ読んでください。そういえばブログにこんな内容のことを最近、書き込んだような気がしてきた。今月の17日で68歳、そろそろぼけてきたかも。
  • 2017/6/5 9:00
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ペルー人男性41歳、「胃が熱い」と来院。痛いの?と尋ねると、「痛くない、熱い」と答える。南米の人も中国や東南アジアの人もよく「胃が熱い」と訴えるが、日本人からは「胃が熱いです」とは聞いたことがない。彼らが言う「胃が熱い」とは日本人の患者が訴えるどのような言葉に該当するのだろうか?と考えたことはしばしばある。ところがまったくわからない。経験上だが、こういう訴えの患者の食道や胃の中を内視鏡で覗いてみても、逆流性食道炎もないし、潰瘍ももちろん癌もない。胃炎の一種なのか?などと考えざるをえなくなっている。こういう状況だから何を処方したら効果があるのかもわからない。
いま、大和市のがん検診と特定健診が始まっていて忙しく、午前中、診察の合間に予約で入れることができる内視鏡検査は原則1人、午後に2人程度なのだが、たまたまきのうはあまり患者数が多くなく、朝食はしてこなかったという彼の言葉を信じて内視鏡検査を行うことにした。結果はやはり粗大病変はなし、ただしピロリ菌が陽性であったので、よく話して除菌療法を1週間処方した。これでよくなってくれるといいのだが。
  • 2017/6/3 9:00
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フィリピン人女性50歳、またまたややこしい患者がやってきたものだ。高血圧で1週間前から拝見しはじめたが・・・降圧剤の効果のチェックと採血をするつもりだった。前回、やってきた日から昨日まで、めまいがしたそうで、会社で診断書を書いてもらえと言われたそうだ。欠勤していたらしい。しかも5千円しか持っていないと言う。再診料+血液検査料+自費で診断書作成料を合計すれば、ほぼ5千円に近くなってしまう。こういうように医療費という点で手足をしばられた状態で診察をするのは難儀なことだ。めまいについては自覚症状なので、事実かどうかはわからない。前回初診時、血圧が相当高かったけど、めまいを訴えはしなかった。こういうケース、体調がちょっと悪いから休んじゃおう・・なんてことで、その後始末としての診断書の作成であるとすると、あまり気分のいいものではない。おまけに、5000円しか持っていないという申告は「診断書を安く書き上げろよ」という意味に取れなくもない。外国人患者を28年も診ていると、中にはあまり好ましく思えない人たちもいて、こういうケースに会うたびに人を疑う自分がいることにいやになることもある。けっきょく、診断書ではなく、会社あてに簡単にメモ書きにして渡した。こういうメモ書きでごく安い金額しかもらわないのだが、こういう方法がベストとは思えない苦渋の選択だ。
  • 2017/6/2 9:00
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5月も終わってしまった。1年って早い。ラオス人女性の内視鏡検査のとき、ちょうど東邦大学看護学部の1年生の実習で5人の学生さんが引率の教授とともにやってきていた。引率の教授とは長い知り合いで、彼女はタイ語堪能。おまけにAMDA国際医療情報センターからタイ語の通訳が1名やってきていて・・・内視鏡室の中は僕も含めて、タイ語とラオス語のちゃんぽんが飛び交っていた。実習の学生さんたちはさぞかし、驚いたことだろう。彼女の内視鏡検査の結果も異状がなかった。ベトナム人男性の睡眠剤の件で同じベトナム人の奥様が来院。前回、処方したものは効きが悪いので、こちらに変えてほしいとその前に処方した薬のシートを持っていらっしゃった。薬局に尋ねると、同じ薬で、包装のシートが変わっただけだとのこと、月に一回来てくれるベトナム人スタッフに電話して通訳してもらおうとしたが、会議中だった。奥様は「わかった」と言うが、あまり「わかった」ような様子はなく、ただ、これを説明してもわかってくれたようすはなく、困り果てた。ペルー人のご夫婦ががん検診で来院。胃がん検診は内視鏡でやりたいとおっしゃる。ピロリ菌を調べる希望はあるのか、どうかと尋ねると、ご主人は国保に加入、奥様のほうは国保にも社保にも加入していない。自費診療が保険10割の僕のクリニックでもピロリ菌検査を自費で行うとほぼ6000円、ピロリ菌陽性で除菌療法を1週間処方するとほぼ6000円かかる。がん検診の用紙が手元に届いたということは大和市の住民基本台帳に載っているということで、それは不法滞在ではないということを示している。要するに加入資格があり、なおかつそれは義務であるのに、自分の意志で加入しなかったということだ。加入しなかった理由は故国の家族に仕送りしたいことともうひとつ、病気でもないときにお金を支払うのはばかばかしいと考えたのだろう。公的保険に加入しない状態で大きな疾患にかかると莫大な医療費になってしまう。支払うことができない・・ということになるといつも泣きをみるのは医療機関だ。これでは医療機関は踏んだり蹴ったりだ。やはり公的保険への加入は現在のように罰則のない義務ではなく、罰則を伴う義務にすべきだと強く思う。
  • 2017/6/1 8:58
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