AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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フィリピン人男性66歳、特定健診で来院。タイ人女性46歳、高血圧と貧血でフォローアップ中。久しぶりの採血、話した通り、禁飲食で来てくれた。とくに女性の場合、フィリピン人の反応とタイ人の反応って対照的。フィリピン人の女性は採血するよと言うと、反応がすごい。針を刺そうとすると本気でいやいやしたり、泣き出す人もいる。ときどきだが、針を刺した瞬間に刺されたほうの腕を引き抜こうとする人がいて危ない。同じアジア人でもなぜかタイ人のこういう反応をする人は経験したことがない。国民性なのかおとなしい。
フィリピン人女性31歳、バゼドウ病で甲状腺ホルモン抑制剤を最大量使って1か月半、ようやく正常範囲内に入ってきた。したがって、維持量に向けて、処方を前回の半分量とした。この彼女、過去に維持量を投与していたのに、よくなると通院を中断し、動悸など亢進症の症状が出現するとやってくるということを数回繰り返している。そのたびにしつこいほど維持量内服の意味を話すのだが、今回はどうだろう? 正常範囲になったことと治ったということとはちがうということを僕の話の通りに理解してほしいと願うばかりだ。ペルー人女性68歳と65歳、職場の仲間だそうだ。いつものように血圧測定して、降圧剤を処方した。会社での健診の結果を見せてくれたが、二人とも大きな問題はなかった。
  • 2017/6/27 9:00
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ベトナム人男性31歳、近くの公立病院の医師からの紹介状を持ってやってきた。内容を読んでみたところ・・・・胃のあたりの具合が悪いと訴えるので、内視鏡検査を施行、ピロリ菌陽性だったので、除菌も行った。食道裂孔ヘルニアはあったが、ほかには特別な異状なく、その後、いくつかのプロトンポンプ インヒビターやH2レセプター アンタゴニスト、ガスコンやガスモチンなど使ってみても全く症状が改善せず、唯一、機能性ディスペプシアにのみ適用があるアコファィドを使ったところ、少し改善が認められた、しかし最近になり、薬の効きが悪くなっているとのことだった。文章の間に診療診断にてこずったことがうかがえる。外国人医療に詳しい僕のところに送ってしまったほうがいいと判断したのだろう。彼におよそのことを話したが、やはり日本語ではむずかしい。通常の会話はなんとか理解できても医学用語はむずかしいし、それをやさしく話してもわかりにくそうだ。とりあえず、次にベトナム人スタッフがやってくる7月8日土曜日までの分のアコファィドを処方し、ベトナム人スタッフの立ち合いで診療しようと話すと、「ぼくの日本語、だめですか?」と不満そうに言う。少しプライドを傷つけたのかもしれないが、胃のより具体的な症状の聞き取りやアコファィドというある意味、特殊な使用についてなど、どうしてもはっきりと「通じ合う」状況が必要だろうと思ったので、次回は必ず、7月8日に来てほしいと話し、約束してもらった。
  • 2017/6/26 9:00
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ベトナム人男性31歳、近くの公立病院の医師からの紹介状を持ってやってきた。内容を読んでみたところ・・・・胃のあたりの具合が悪いと訴えるので、内視鏡検査を施行、ピロリ菌陽性だったので、除菌も行った。食道裂孔ヘルニアはあったが、ほかには特別な異状なく、その後、いくつかのプロトンポンプ インヒビターやH2レセプター アンタゴニスト、ガスコンやガスモチンなど使ってみても全く症状が改善せず、唯一、機能性ディスペプシアにのみ適用があるアコファィドを使ったところ、少し改善が認められた、しかし最近になり、薬の効きが悪くなっているとのことだった。文章の間に診療診断にてこずったことがうかがえる。外国人医療に詳しい僕のところに送ってしまったほうがいいと判断したのだろう。彼におよそのことを話したが、やはり日本語ではむずかしい。通常の会話はなんとか理解できても医学用語はむずかしいし、それをやさしく話してもわかりにくそうだ。とりあえず、次にベトナム人スタッフがやってくる7月8日土曜日までの分のアコファィドを処方し、ベトナム人スタッフの立ち合いで診療しようと話すと、「ぼくの日本語、だめですか?」と不満そうに言う。少しプライドを傷つけたのかもしれないが、胃のより具体的な症状の聞き取りやアコファィドというある意味、特殊な使用についてなど、どうしてもはっきりと「通じ合う」状況が必要だろうと思ったので、次回は必ず、7月8日に来てほしいと話し、約束してもらった。
  • 2017/6/24 9:00
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午後から内視鏡検査を行ったペルー人女性41歳、とうとう生活保護になっていた。初めて彼女が僕のクリニックにやってきたのは20台の終わりのころだと思う。小さな男のお子さんと同じペルー国籍のご主人がいたが、その後離婚、細かいことは知らないが、ご主人の暴力が別れた原因と聞いた記憶がある。こどもを抱えて仕事をしていたが、職場の人間関係などで悩みを抱えると、すぐに胃が痛くなってしまう。それも決まって空腹時痛で、当時、内視鏡検査を行ったところ、教科書通りの十二指腸潰瘍だった。プロトンポンプ インヒビターを内服するとすぐに痛みがなくなってしまい、住まいが市内でも遠いところなので、いつのまにか来なくなってしまう。また痛くなるとやってくるの繰り返しがずっと続いていた。今回も胃の症状だが、痛みというよりむかむかすると言う。内視鏡検査の結果は十二指腸潰瘍も胃潰瘍も、もちろん癌もなかった。たぶん機能的疾患なのだろう。数年前から両手のしびれ、痛みがあり、整形外科を受診しても治らないそうで、そういうことを含めて、職場の経営者とむずかしい仲になってしまっているのだそうだ。どちらかというといじめられキャラの彼女、悩みが胃の症状として反映されてしまうのだろう。なかなか日本社会でやっていくのがむずかしいのではないかとつい考えてしまう。帰りに、別の相談をしてもいいですか?と言うので、いいよと言うと、この手の痛み、しびれの話だった。どこを受診していいかわからないと。近くのペインクリニックに紹介状を書いたが、生活保護のため、まずは役所の担当課に行き、その医療機関あての医療券をもらわないと受診することができない。帰りに役所に寄るように話したが、きょう行けないと仕事の関係でつぎは7月10日前後になってしまうと話す。うーん、そんなにつらいのなら何はおいてもすぐに行ってほしいのだが・・・・
  • 2017/6/23 9:00
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複数のフィリピン人を雇用している会社で健診があったらしい。結果を会社で渡されても、何かがひっかかったらしいというところまではわかっても、何がどうひっかかったのかがわからずに健診の結果を持ってやってくる。放置せずに来てくれるだけまだいいが、最近の会社は労働衛生上、うるさいためなのか、医療機関を受診した結果を持ってくるようにと注文をつけているところも多い。フィリピン人男性56歳、血圧160/100、中性脂肪200、フィリピン人女性48歳、血圧154/96、そして腕に何かが出来ていると心配そうな顔で見せてくれた。右の上腕に脂肪腫あり、けっこう大きい。良性の腫瘍だという話はした。フィリピン人女性46歳、s-GPT, γ-GTPの上昇あり、手術歴がないのでHBs抗原とHA抗体をチェックした。午後からラオス人女性の内視鏡検査施行。胃の症状を訴えてはいたが、とくに大きな所見はなく、機能的疾患だろうと考えて処方した。フィリピン人女性47歳、左の脇腹から背部にかけて痛みがあるとのことで近くの公立病院でCT検査を行ってもらった。結果は右ではなく、左の腎臓内に結石があるとのこと。しばらくようすをみることにした。夕方になってカンボジア人女性66歳来院。インドシナ難民として日本に定住を許可されたカンボジア人約1200人のひとりだが、父親母親は中国からやってきた華僑で、カンボジア語はあまり得意ではなく、中華学校に通って北京語を習い、家の中ではもっぱら潮州語を話していたので、この二つの言葉が得意とのことだった。彼女とは長いつきあいなので、診療の話だけでなく、いろいろとよもやま話をした。
  • 2017/6/22 9:00
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午後になって比較的近くにある某国立大学の健康保健センターの紹介状を持った留学生らしき女性がやってきたと受付から連絡があった。28歳、タイ人女性、英語はできますと話しているという。診察室に入って来るなり、タイ語であいさつしたところ、やはり驚いたようすだった。いっしょに付いてきたのが同じ大学のタイ人と中国人の留学生仲間だった。ここからはタイ語を中心に英語を交えて診察。診察室の壁に貼ってあるバンコクのプミポン空軍病院からの感謝状をまじまじと見て、「ドクター、この病院知っているのですか?」と尋ねてきた。「毎年2回、医学生と看護学生への奨学金で訪れる」と話すと、「私のおじさんが医師として務めている」という。おやおやおや、これはずいぶん話が近づいてきたぞと思いながら、つい先月、プミポン空軍病院を訪れた時の写真を見てもらったら・・・僕の友達の中に彼女のおじさんはいなかった。ようやくリラックスできたようなので、情報提供書を見ながら、拝見したが、結論から言うと、日頃、過敏性腸症候群があるところに感染性腸炎となり、さらに軟便が続いて外痔核が悪くなったのだろうと推察した。こう考えるとすべての合点がいく。おなかは聴診、触診させてもらったが、おしりはどうしようか?と言うと、笑いながら「できれば見られたくない」と。そうだろう、日本人以上に恥ずかしがり屋だから。肛門から出血があるとの話だったが、かゆみと痛みもあるというし、肛門を触るとなにか触れるというので外痔核でまちがいないと思う。とりあえず、痔核用の軟膏を処方し、2週間後におなかとおしりの状況を教えてほしいとお願いした。僕のプラ・クルアンや診察室の冷蔵庫の上の仏様を見て、タイの東大と言われるチュラロンコン大学卒の才媛も二度三度驚いたようだが、驚くたびに親しみを増してくれているのがよくわかった。最後に大学の健康保健室にお返事を書いて終わった。
  • 2017/6/20 9:00
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34歳のフィリピン人女性、2回の出産と自分がもうだいじょうぶと思い込んで、甲状腺機能抑制剤を内服するのを中止してしまう。そのたびにいちからコントロールを始めなければならず・・・そのたびに薬を飲んでいる意義を話すのだが、わかっているようでもあるし、その割に後の経過を診ているとわかっていなかったと思わざるをえないこともしばしば。それでもどうやら信頼はしていてくれることはよくわかる。前回の採血の結果はよかった。ようやくまたコントロールできた。彼女の問題は家庭のことだ。フィリピンにひとり、もう大きなこどもがいて、数年前に日本で日本人と結婚した。そしてこどもがふたり生まれた。ところが、相手の父親には知らされていないという。母親は知っているそうだが、その母親が先月、急逝した。葬儀があったわけだが、聞いたら「出席はしていない」と。ある意味、日陰というか、隠された存在なわけで・・彼女も気の毒だが、隠されているほうの父親も気の毒というものだ。彼女の相手とその父親の間になにかあったのかと思ったが・・・尋ねると家内工業的な同じ職場で働いているそうだ。しかも同じ市内の同じ地域に住んでいる。不思議といえば不思議、でもこんな状況はいいわけがない。こんなことまで首を突っ込む必要もないだろうが、早く「正常化」しないといけないだろう。それでも相手に従う彼女の性格もある意味、フィリピ―ナらしい。
  • 2017/6/19 9:00
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タンザニア人男性42歳、受付でフィリピン人スタッフが受診内容を尋ねたところ、ドクターにしか話さないと言っていると教えてくれた。これでおよその見当はつくのだが・・・日本にやってきて8か月、この2~3か月ぐらい、自分のおなかの中でなにかがすごく動く、それはとくに食後に強いとのこと。便の性状を尋ねると軟便ときどき下痢と答えてくれた。通常なら、ここで過敏性腸症候群を考えるだろうと思う。動いているのは胃や腸で、食後に強く動くのは蠕動運動が激しくなるから、そしてそれで消化が悪くなったと考えると、すべて合点がいく。ところが、そう話しても、目がうわの空で、なにか別のことを考えているのがよくわかる。「タンザニアはアフリカの一国で、国には多い病気がある」と話し始めたので、「ああ、エイズのことが心配なの?」と尋ねると、「それは心配していない」ときっぱり。「ワームが心配」と言う。要するに寄生虫疾患が心配ということだ。タンザニアでは寄生虫疾患が多いらしい。昔、大和市立病院の外科にいて、インドシナ難民大和定住促進センターの嘱託医を兼務していたころ、多くの難民が寄生虫を持っていたことを思い出した。それにしても、外からおなかが動いていると感じるほどの寄生虫っているのだろうか? 検便の容器を渡し、末梢血の検査を行った。こういう訴え、外国人を診察し慣れていない医師にとってはなかなか理解しがたいのではないかと思った。
  • 2017/6/17 9:00
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火曜の昼休み、職員休憩室でくつろいでいると、電話が鳴った。取った職員が、先生、英語です、お願いしますと言いながら、受話器を僕に渡そうとした。正直、こういうシチュエーションは苦手だ。でも目の前に差し出された電話に出ないわけにもいかず、受け取って部屋の外に出た。出た理由の一つは室内のテレビの音が入ってしまうこと、もうひとつは英語力のなさを職員に知られたくないから。ああ、もう一つある。海外の保険会社などから協力して日本に行くクライアントを診てくれないか?とか、いろいろな売り込みがあるからだ。だから診療中にはフィリピン人スタッフに出てもらって、ワンクッション置くのだが。たまたま昼休みで自宅に戻っていた。電話の主は若い女性で、雇用のための健康診断をして、診断書を作ってもらえるか?ということだった。冷静さを取り戻し、どんな項目の検査が必要なのか、血液検査があるのかないのかと尋ねると、日本語が読めないのでわからないとの返事。血液検査があることを想定して、禁飲食で来てくれるよう、そして水曜は休診日なのではずしてくれるように頼んだ。木曜の朝、行くと言って電話は切れた。休憩室に戻って、職員に電話の内容を話し、「長くこういう仕事をしていると英語の発音でどこの人かわかる、あれは少なくともフィリピン人の英語やインド人の英語ではない」と余計にも付け加えてしまった。きのうの木曜の朝、それらしき若い女性がやってきた。フィリピン人のスタッフを見て「あのお、フィリピン人?」と尋ねたそうだ。そうだと答えると、ほっとしたような安堵の笑顔になったと聞いて、こちらもうれしくなった。そう、フィリピン人女性だった。インターネットで英語が通じる医療機関を探して、僕のクリニックに行きついたと話してくれた。さて、健診だが、胸部レントゲン、心電図、尿そしてやはり血液検査があった。採血をする段になると、悲鳴に近い騒ぎ方。職員が「手際よく」抑えながらすぐに採血できたのだが、目に涙。こういうリアクションもフィリピン人女性まちがいなし。あすの午後には書類を作成しておくと話した。
  • 2017/6/16 9:00
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午後になって看護師がなにやら手に持って診察室に入ってきた。「先生、ラオス人の○○○○さんからのプレゼント、ほらぁ、いいにおい」と手に持ったものを見せてくれた。袋の中に入っていたのは・・・一瞬ドーナッツかと思ったけど、パッコントーだ。タイのお菓子というか、揚げパンに近いが、揚げパンでもない、でも少しだけ砂糖を振りかけて食べるとうまい。タイの屋台でも売っている。みんなで食べようと言ったら・・・職員の分ももらったと教えてくれた。で、きょうはどうしてやってきたのだろう?と尋ねたら、特定健診だった。普通は特定健診を受ける人は午前中の早い時間にやってくる。禁飲食が条件だからだ。ところがどうして午後に?と思って、訊ねたら・・午前中は僕らにあげようとパッコントーを作っていて、それで気がついたら昼に近くになってしまったので、この時間に来たとのことだった。苦笑してしまった。タイ人、ラオス人の患者はなにか作って持ってきてくれる人が多い。高価なものじゃないけど、僕の好きなものばかり。心遣いにうれしくなってしまう。
  • 2017/6/15 9:01
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