AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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インド人男性27歳、以前に一度やってきた。受診理由がHIVなど性感染症の検査だった。訊ねると心配になったことがあったのは1か月半前というので、十分な時間が経過するまで待たないと検査結果がたとえ陰性でも意味がないと話してそのまま帰ってもらったのだが・・・HIV、梅毒、B型肝炎という即日検査ができる項目はいずれも陰性だった。ほっとした表情で帰って行った。韓国人女性51歳、数日前に特定健診を受けた。その結果を聞きに来院。何も異常所見はなかった。そういえば訪日外国人とこの彼女のような在留外国人の医療とは分けて考えるべきだと意見がときどき聞かれるが、僕には分けて考える意味がよくわからない。ちがいがあるとしたら、前者は日本の公的保険に加入できず、自費診療すなわち保険外診療となり、後者は日本の公的保険に加入できるため、保険診療となる。ただし、後者でも自分の都合や勝手な考えでわざわざ日本の公的保険に加入しない人もいる。加入する資格がある人は加入が義務なのに、罰則がない義務なのでこういうことがなるのだと思う。もう一つ、訪日の方で旅行者には移動がつきものなので、腰を落ち着けた医療を行うことができない。これ以外、言葉、医療に関する習慣、医療費の問題に至るまで原則は変わりないと思うのだが、どうだろうか。
  • 2018/7/17 9:00
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タイ人男性59歳、タイに一時帰国したいので降圧剤を3か月処方してほしいとのこと、了解したが、前から疑問に思っていたことを訊ねてみた。タイ人がやってくると必ず出身地を聞くことにしている。そのとき、彼はノンタブリと答えた。比較的バンコクに近い場所だが、彼とタイ語で話していると、ときどきだが、東北タイ、イサーンの言葉であるラオス語が入るような気がしていたので・・○○○○さん、タイに帰るってノンタブリだよねえ、「いいえ、今回はね、せんせい、生まれ故郷に帰る」、ほう、生まれ故郷ってどこよ?「ナコンパノムよ、せんせい」、やっぱり!!!! 東北タイ、メコン河に沿った町でたしか飛行場もある。バンコクから飛行機に乗ると1時間ちょいだが、車で行くと10時間以上かかるだろう。河を渡ればラオスというところだ。僕の一番の親友の医師がナコンパノムの隣、ムクダハンの出身でよく地図を見ていたので知っている。たしか、ナコンパノムには白い仏塔のお寺があって有名だ。この話をしたら、彼の目が輝いた。「なんでそんなこと、知っている、せんせい。僕の家の隣だよ。一年に一回ね、拝みにたくさん人が来て大変だよ、ラオスからもたくさん来る」。何が大変って車などで混雑して大変なのだそうだ。日本のクリニックの片隅で、ピンポイントの東北タイのナコンパノム県のお寺の話で盛り上がるのだから、世界は狭いものだ。そういえばナコンパトムという一字違いの県もあってこちらはバンコクの郊外ともいうべきか、バンコクから西へ車で1時間ぐらい、有名な大きな寺があって、僕も行ったことがある。ガイヤーンという焼き鳥の発祥地とも言われている。タイを知り始めたばかりのころ、よく「ナコンパノム」と「ナコンパトム」をまちがえたものだ。
  • 2018/7/14 9:00
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あまり外国人を診察したという記憶がない一日だったが、きょうになって外国人患者来院ノーとを見たら、僕のほうだけで初診1名、再診が6名、小児科を併せると、10人は超えているだろう。これが「普通」の毎日だ。この外国人来院ノートも開業した平成2年1月16日以来、一日たりとも診療日には忘れずに記載し、今月から付け始めているノートで80冊目となった。精神疾患を抱えるアメリカ人女性、精神科で診てくれている医師からメモを預かってきて、読むと「プロラクチン、HbA1c、心電図」と書いてあって、この検査をしてもらって来てほしいと言われたとのこと。本人は「したくない」と待合室にいる時から興奮状態。こういうのって失礼ではないかと思ったが、どうだろう? 採血なら精神科の病院でもできるだろうし、心電図ぐらい取れるだろう。それより、なぜこの検査が必要なのか、何を疑っているのか、その根拠は何なのか? 何も書いてない、メモ用紙。僕のところで行うにしても、保険診療で行うには病名が必要だし、その病名だって検査に合わせて付けたらいいといえば保険は通るかもしれないが、臨床医としては納得がいかない。患者が興奮状態となって施行できなかったという返事の下に、検査が必要と考えた理由を教えてくれないと説得できないと書いたが、さて返事は帰ってくるかどうか? 午後になってイタリア人女性31歳、初めての来院、隣の市にある超有名企業で研修を受けているボーイフレンドに会うために短期滞在ビザで来たとのこと。症状としては喉から胃にかけての前胸部の焼けるような感じに動悸とのこと、前者は逆流性食道炎でもいいかもしれないが、後者についてはたぶんに心因的ではないかという印象を持った。聴診ではとくに頻脈もなく元気そうだったし・・・いろいろと尋ねていくうちにイタリアで薬をもらっているということがわかり、主治医からの手紙があるというので見せてもらったら・・パニック症候群でアルプラゾラムを処方していると書いてあった。来日後に一段と具合が悪くなったというのはこういうことだろう。アルプラゾラムはたくさん持ってきていると言うし、イタリアの主治医とは連絡が取れるというので、内服の仕方について増量を含めて相談をするようにと話し、オメプラゾールだけを処方、最後に受診日、症状、疾患名、処方、費用について記載した保険会社への英文の書類を作成して終わった。
あるところから外国人医療受け入れに関する原稿を依頼された。書けないことはないと思うのだが、あまりにすることが多くて手につかない。いつもなら昼休みに構想など練るのだが、いまは前日の特定健診の結果記入をして、30分ほど昼寝をするともう午後の診療の開始時間。この間に医師会長として面会に来る人に会わなければならないことも多く、69歳の身には堪える。
  • 2018/7/13 9:00
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午後になってラオス人女性60歳来院。日本語は片言なので、タイ語で話したが・・・ごはんを食べて来ていないので、胃がん検診の内視鏡検査をしてほしいとのこと。ほかに患者も待っているし、緊急でなければ予約を取ってほしいと頼んで、了解をしてもらった。すると今度は肺がん検診も乳がん検診もしてほしいとのことで・・これは胸部単純写真を2枚撮影し、乳房の触診だけなので施行した。勤務医時代は乳がんの手術を行っていたし、診療および検診事業も行っていたので、ある程度の大きさの乳がんなら見逃さないだろうと思う。さあ、終わりと思ったら・・・体が痛くて湿布が欲しいとのこと、今度は通常診療というわけだ。処方箋を書いて待合室に戻ったと思ったら、すぐに事務職員がやってきた。「先生、特定健診もしてほしいと言ってますが・・・」、今度は特定健診かとつい思ってしまう。がん検診や特定健診を受けるのは殊勝な心がけと褒めてあげたいが、すべてが「今日の今日」は困ってしまう。よく考えたら、食事はしてこなかったということだし、肺がん検診で胸部写真は撮影してしまったし・・あとは心電図と採血、検尿だけで・・けっきょくすべて終わってしまった。にこにこしたあの態度で接せられると「一言言っておこうかな」という気持ちが消え失せてしまう。得な性格だ。
  • 2018/7/12 9:00
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ペルー人夫婦の胃がん検診での内視鏡検査を予定していたが、予定は10時半なのに9時過ぎに奥様だけやってきた。ご主人は都合が悪くてキャンセル、奥様は夜勤でそのままやってきたとのこと。朝のうちに一般診療のほかに特定健診の予定が9人もいたのだが、大雨の後で洗濯でもしているのか?と思うほど、9時前後に患者がいなかったので、このペルー人女性の内視鏡検査を9時15分から行ってしまった。「寝たままじゃないと内視鏡検査ができない」と言うので、サイレースを1/10に薄めて静脈注射、終わってからアネキセートを静脈注射してすぐに目が醒めたのだが、隣の部屋のベッドに移したあたりから、夜勤の疲れも出たのか、いびきをかいて寝ていた。11時ごろ、内視鏡の画像で説明して帰ってもらった。結果は異常なし。中国人女性がご主人である中国人男性46歳の特定健診の結果を聞きにやってきた。日本語の日常用語はそれなりに上手なのだが、医学用語はわかりにくいようで、中性脂肪が高いとかLDLコレステロールが高いとか話しても「それなーに?」「くすりほしい」「どうしてくすりいらない?」と数回話しても同じ質問が帰ってくる。これは絶対に根負けして怒ってはいけないと思い、こちらも同じ答えを「やさしい日本語」で同じ回数だけ説明した。久しぶりに理解してもらうことのむずかしさ、もどかしさを感じた。そうそう、最初に書いたペルー人女性、結果説明を行って診察室から出て行ってしばらくしたら事務員がやってきて「院長、今の○○○さん、お金持ってきてないんだって。次の時でもいいですかあ?」と言う。お金がないわけではなくて、「持ってきていない」のだそうだ。金額にすると静脈麻酔の費用を含めても4千円程度、つぎに別の検診で来る予定があるそうで、やむをえず、了承した。
  • 2018/7/10 9:00
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神奈川県の西部のN町からペルー人女性36歳来院。この近くにいる親族が付き添ってきた。前胸部から右季肋部の痛み、不快感で近医を受診し、内視鏡検査まで受けたが、「なんでもない」と言われたのに、症状が変わらないのでやってきたとのこと。こういうケースは頭が痛い。すでに「同業者」が診察・検査までして「なんでもない」と言っているのだから、「同業者の上を行く」診察をしなければならないのだろうが、まずこれがむずかしい。食べてきたということなので内視鏡検査をしなおすことはできない。場所から考えて胆石症もありうるかとエコーでチェックをしようと話をしたら、父親が胆石症でつい数日前に手術を受けたとのことで検査に同意してくれた。これで胆石が見つかればここで方針が決まるとなかばほっとしながらエコー検査を行ったが、胆石はなかった。頭が痛いもうひとつの理由は1時間半近くかけてそうそう通院できないということだ。やはり外国人も日本人同様、日本医師会のいうかかりつけ医制度で、住居の近くで受け入れていけるようにしなければならないと思う。今度の金曜も内視鏡検査が2件入っていたが、本人の希望で無理無理にでも午後に予定を組んだ。そして、胃や大腸の疾患には器質的病変と機能的病変があり、内視鏡検査では前者は診断可能だが、後者については診断できない。だから後者の可能性を考えて、次回まで内服薬を処方すると話し、消化剤を中心に処方した。これでよくなっていてくれたらいいのだが・・・
  • 2018/7/9 9:00
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アメリカ人女性、隣のE市に住んでいる。3か月ごとに高血圧で受診していて、降圧剤を処方している。彼女の場合、自費診療であるが、不法滞在というわけではない。アメリカの民間保険に加入していて、そのために日本の公的保険に加入する資格があるのに、好き好んで加入していないというわけだ。日本の公的保険はそもそも加入資格のある人は日本人でも外国人でも加入が義務とされている。一般的に「国民皆保険」と呼ぶので、外国人でも加入できるのか?と思われる医師、医療機関は以前は多くいらっしゃったようだが、昨今の外国人増加に伴う問題の報道もあってか、こういう質問をする人たちは少なくなってきた印象がある。話がそれたが、こういう「好き好んで加入しない」人が存在する背景には日本の公的保険に加入する資格のある人は外国人でも加入が義務だが、加入しなくても罰則がないという・・・いわゆる罰則のない義務であるからだ。これはどうか?と思う。なぜなら、こういう人たちがひとたび、大病をして、自分の民間保険で給付される上限を超えた医療費がかかったとすると、次に考えることはまちがいなく、公的保険の高額医療費助成制度狙いの公的保険加入であるからだ。そのためには支払っていなかった保険の掛け金を支払わねばならないが、たとえ、10年支払っていなかったとしても、支払いは上限が2年分というのもなんだか変だ。近くの市役所では2年分も支払えない人に6か月分の支払いで許していると内部の人から聞いたことがあるが、それって思いっきり、逆差別だと思う。人道上で済ませられる話なのだろうか? 医師の立場から言えば、3か月分も処方するなんてことはしたくはない。お金の問題ではなく、3か月に一回、すなわち1年に4回しか診察しないのに、主治医と言われては困る。なにかあっても責任が取れない。もし彼女が公的保険に加入していたら、3か月分の処方を頼まれても説得して1か月に1回の来院をお願いするだろう。
  • 2018/7/7 9:00
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月曜日にやってきた中国人学生、次の日つまり3日の火曜の午後にやってきた。診察の前になにやら受付で声が聞こえるので、事務員に尋ねたところ・・・国立大学の留学生ですでに日本に2年もいるというのに・・・国民健康保険の掛け金をずっと支払っていなかったらしく、ゆえに使えない状況となっていたらしい。今日の朝、役所に行く、半年分の国保の掛け金を支払って、役所で国民健康保険確認証?なるものを持ってきた。役所に確認したところ、未払いの掛け金を支払ったので、国保は使えるとの返事だったので国保扱い、そして前日の自費分でいただいていた分から返金したが・・・彼のような国立大学の留学生であっても、このように公的保険に加入する資格がありながら、意義が理解できずに掛け金を支払わないということになってしまうなんて・・厚労省はもっと対策を考えた方がいいと思う。血液検査の結果はCRPがわずかに上がっているだけだったので、やはり不明熱と呼んでいいのだろう。もう少し様子をみるようにと話したら、うれしそうに帰って行った。昨日4日は午後1時から午後5時まで、日本医師会の第一回外国人医療対策会議に出席、出番はわずかに5分だったが、全国の都道府県医師会担当理事の前で話をさせていただけるまたとない機会をいただいたと思う。
  • 2018/7/5 9:06
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午後になり、熱が続いているという男性がやってきた。流ちょうな英語を話す。カルテは自由診療すなわち保険外診療となっている。熱は36.5度から36.8度程度、ほかに症状はない。いろいろと話しているうちに怪しげな背景があるような人ではないとわかったので、日本にいるスティタスなど尋ねてみたら・・近くの国立大学で勉強している中国人で、国民健康保険には加入しているが、今日は持ってくるのを忘れたと教えてくれた。診療費については次回、保険証を提示してくれたら自費分は返金すると話した。まずは白血球数、CRP、肝機能などをチェックした。帰り際にいつ日本に来たのかを尋ねたら、2年前とのことだった。それでは日本語もそれなりにできるでしょう?と投げかけてみたら、大学の英語で学べる?研究する?コースにいるので、全く日本語はできないという返事だった。帰り際には笑顔で帰って行った。きっと結果を聞くためにあす以後、近々にやってくるだろう。日本の中に日本語を使わない研究コースがある大学があるとは知らなかった。不明熱・・・というのだろうが、僕の一番苦手な分野のひとつ、今後が思いやられる。
  • 2018/7/3 9:00
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すべてよかった日、ペルー人男性59歳、痛風発作が完璧におさまった。ドミニカ人男性55歳、胃のあたりが気持ち悪いという症状がありながら胃がん検診に予約が入っていた。内視鏡検査の結果はとくに大きな問題なし。本人もほっとしたみたいだ。すでに症状は消失していた。ベトナム人スタッフが来てくれる予定になっていた日なので、ベトナム人の患者が多かった。特定健診を3人施行、通常の診療が3人、いずれも大きな問題はなさそう。そして終了寸前にインドネシア人女性27歳、バセドウ病のフォローアップ中で来院。3か月ぶりに血液検査を行った。こういう日ばかりならいいのだが・・
  • 2018/7/2 9:00
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