AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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平成23年8月15日月曜

平成23年8月15日月曜

朝の5時半に起きてスワナプーム空港に行き、搭乗手続きをする。この空港はあれほどタイの新聞で非難されているのに出国審査にいやになるほど時間がかかる。きのうはワンチャイ先生といっしょにタイ厚生省の医者に会った。彼がぜひ日本の保険制度について聞かせてほしいというのでいっしょに昼ごはんを食べたのだが・・・タイ国でも何年前からか忘れたが一日30バーツ約80円の患者負担で医療を受けられるという保険を導入した。たしか記憶では本籍があるところの医療機関だったか住民票のあるところの医療機関だったか、全国共通で使えるというものではなかったような気がする。AMDA 国際医療情報センターでもよく外国人の方から「自分は○○県に住んでいるがこの保険証は東京都でも使えるのか?」という質問を受ける。日本人の我々からすると使えるのが当たり前だろ、当たり前のこと、聞くなよと言いたくもなるが、こういう背景があるのかもしれない。そして当初は一日30バーツの患者負担があったものが、タクシン反タクシンの双方の人気取りゲームの中でいつのまにか患者負担ゼロになってしまった。これは当時のタイ政府にとっても福祉政策としては威信をかけたものだったかもしれない。ところがである。もう制度存続の危機になっているらしい。その一番の原因は所得が低い層に至るまで病院ショッピングというか医者のはしごをし始め、おまけに薬のはしごもして内服しない無駄な薬代が山ほどかかることにもなったらしい。やはり人間、何の個人負担もない福祉制度など大事にしない。日本の場合は保険診療では病名に合わせた診療内容、検査、処方薬とその日数が厳しく制限されており、患者サイドの無制限な要求には応えられなくなっている。さらに各個人の請求書ともいうべきレセプトは医療機関から国年健康保険、社会保険に提出すると都道府県知事の委託を受けた審査員という名前の医師がしつこくチェックをして過剰な医療などチェックしている。チェックでひっかかるとその分の医療費は医療機関には支払われないので、医療機関としても厳しく内部チェックをせざるをえない。ここまで話をすると、本当か? 医者が請求書のチェックをするなんてそんな暇に医者はいないし、そんなことありえないと言う。いいえ、ありえなくない、僕も数か月前まで審査委員だったのだからとここまで話すと「そんなことはできない」と言う。そんなことをちゃんとやらないと当然のごとくに制度は破綻する。やはり負担のない行き過ぎた福祉は行きつくべきところに行きついてしまう。
  • 2011/8/15 9:03
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