AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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平成23年7月22日金曜

平成23年7月22日金曜

昨日の夜、役所の国保運営審議会に出た。きょうばかりは外国人の話をするのはやめようと思っていた。小林が口を開くとまた外国人のことかと思われるのも愉快ではないからだ。会議も最後になったころ、ある団地に住むという委員が、こう切り出した。「特定健診の受診率を上げなくてはというけど、私の団地にはたくさんの外国人がいる。そういう日本語の読み書きができない人たちにはどのように伝えているのですか?」。一瞬、お役人たちの顔が蒼白になったように見えた。たしか「具体的にはしていませんが、今年から受診券と封筒の表に英語表記を加えました」と答えたと思う。確かに英語で表記してあればスペイン語、ポルトガル語を話す人たちは意味がわかるだろうし、韓国語、中国語を話す人たちは日本語でも意味がわかる。ただし、ベトナム語、タイ語、ラオス語しかわからないという人たちには何のお知らせが来たのかさえわからないだろう。受診券を持ってどこの医療機関に行ったらいいのかという紙は日本語でしか書かれていない、おまけに医療機関で記入する特定健診の問診表もすべて日本語だけだ。結果だって日本語で言われたのではわかるまい。こう見るとやはり外国人にとっては健診を受けることさえ、高いハードルであると言わざるをえない。健診に限ったことではなく、予防接種、がん検診など皆同じだ。僕のクリニックでも外国人の日頃の患者の数に比較し、特定健診を受ける人の数は明らかに「相当」少ない。じゃ、どうやってたくさんの人に受けてもらうかというアイデアが役所にはない。消極的というより気がつかないのだろう。役所の広報だけじゃ弱い、あんなもの、日本語を読めない人は読まないし、読める人も隅から隅までは読まない。魚がいないところでつりざおを垂れても魚はかからない。当たり前のことだ。魚がいるところ、それは外国人にあてはめれば銀行やスーパー、彼らの国の料理屋ということになる。フィリピン料理屋での掲示など僕のクリニックはとっくにしている。銀行などは民間団体がなにかを掲示してくれと持っていけばまちがいなく断られる。お宅の団体の掲示をしたら、他の団体からも同じように言われ、断れないし、線引きができないなんて理由だ。しかし役所がお願いするとなるとそういう態度はとらないだろう、なにしろ「公」なのだから。特定健診の問診表にしたってそうだ。AMDA国際医療情報センターでは3年前にこの制度が始まったときにすでに数カ国語に翻訳してホームページにだれでもお使いくださいとアップしてある。だれでも無料でダウンロードできる。著作権だうんぬんより外国人の方々の利便性を考えている。そこが株式会社と違うところだ。その翻訳だってダブルチェックどころか、三重にチェックしている。今年度から無くなった「高齢者の機能評価」の問診だって苦労しながらもあっというまに翻訳してアップしていた。こういう知恵というかアイデアが役所にはまったくない。その上にいまある材料を使うという努力もない。悲しい限りだ。ただ役人の中にも若い気概のある芽はある。そういう芽がしおれないようにしていかねばならない。
  • 2011/7/22 9:53
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