AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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平成30年11月30日金曜

平成30年11月30日金曜

昼休み、クリニックでくつろいでいたら、職員が電話片手にやってきた。「先生、英語の電話ですが、話してもらえませんか?」と。この時間帯、フィリピン人スタッフはほかの職員と昼食に外出しているので、僕が対応しなければならなくなってしまう。苦痛だ。電話の主はきれいな英語を話す若い女性で、「23歳の男性が左の胸部を痛がっている、診てもらえますか?」ということだった。午後の診療時間を話し、午後5時までだが、検査をしなければならないかもしれないので、できれば午後4時半までに来てほしいと伝えた。すると・・・わかったけど、そちらは何というところでどこですか?と訊ねる。僕のクリニックのことを知らないで電話をしてきたように思えたので、今、どこにいて、どうしてここに電話をしてきたのかをあらためて聞いてみた。今、いる場所は自宅アパートで同じ市内の中でも遠方。近くの総合病院に行ったところ、受付をする前の段階で、僕のクリニックの電話番号を渡されて、ここに電話するようにと言われたとのことだった。患者とおぼしき若い男性と赤ちゃんを連れた流暢な英語を話す女性があらわれたのは、その2時間後ぐらいだった。ふたりはスリランカ人の姉と弟。弟のほうはシンハラ語だけで英語はほぼだめ状態、一週間ほど前、殺虫剤の缶を少し吸ってしまってから胸の痛みが始まったような気がすると訴える。レントゲン写真では何も異常なし、吸気時に痛みが強くなるというので、肺の病気というより、肋骨や筋肉の問題かと思った。殺虫剤は関係ないのではないかと。念のために採血して肝機能や白血球数も調べておいた。このケース、僕が気にいらないのは最初の総合病院では受付の段階で門前払いしており、診ようという気が全くなかったことだ。これって診療拒否に近い行為だと思う。厚労省が今、考えているように外国人を拠点病院、拠点診療所で診療するシステムにすると、こういう門前払いがさも当たり前のように行われようになるだろう。外国人だけは地域の中でも遠方の拠点病院、拠点診療所まで行かなくてはならなくなってしまう。通院も面倒だ。やはり、日本人同様、どこの医療機関でも原則として外国人を日本人同様に受け入れるということが、差別も逆差別もない受け入れ方だろう。それを可能にするためには医療機関に言語の支援をすべきで、さらに医療機関にトラブルが直接持ちこまれないように、また外国人に適切な医療機関情報、日本の医療制度に関する情報を提供し、さまざまな医療・医事相談に母国語で対応してあげる、そういう支援が極めて大事だ。後者はAMDA国際医療情報センターが開設以来28年間行ってきた事業であり、外国人だけでなく、日本の医療機関からの外国人医療に関する相談にも対応し、それは日本の医療機関にとっては外国人患者とのトラブルを未然に防いでくれる防波堤のような役割をしてくれるはずだ。
  • 2018/11/30 10:30
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