AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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平成30年9月13日木曜

平成30年9月13日木曜

ナイジェリア人男性48歳、下腹痛があると北隣のS市から来院、腹痛は疝痛で右にやや強いが典型的な急性虫垂炎になると痛くなる場所ではない。感染性腸炎とは思ったが、念のために白血球数とCRPを採血、結果はまったく正常範囲内だった。この旨を話すと、「きのう生の魚を食べた。生の肉も食べたのでホックウオームではないか」と言う。久しぶりに聞いた言葉、HOOK WORM だ。日本語で鉤虫、たしか戦前の日本には多かったと聞いてはいるが、現在の日本にはほぼいないのではないだろうか。ナイジェリアには多いの?と訊ねると「そう」と一言、返ってきた。なるほど、生の魚、生の肉を食べたから鉤虫に感染したのだと思い込んだのだろう、そうも訊ねると、「そうそう」と言う。でもよく聞くと「生の魚」って刺身のことで、「生の肉」って牛の寿司だから、これは「生」とはちょっとちがう。今から30年前、大和市立病院外科に勤務しながら、病院の許可のもとに共産革命の故国を逃れたラオスやカンボジア難民の人たちをインドシナ難民定住促進センターで診ていたころ・・・来日するとまず寄生虫の治療のために便を検査するのだが・・・母校の寄生虫学教室に送って診てもらうと9割がたの人はなんらかの寄生虫を持っていて、その中にズビニ鉤虫とかアメリカ鉤虫との診断が書かれている人がけっこういた記憶がある。寄生虫学教室の専門家の指示のもとに寄生虫の種類によって異なる駆虫剤を処方した。この話をしたら、「だから国際クリニックに来た」と彼が笑いながら言った。たしかに「普通」の先生方にはHOOK WORMという言葉はなじみがないだろう。通常の感染性腸炎だろうと話し、ビオスリーを処方するにとどめた。念のためだが、あの頃、ラオス人、カンボジア人に寄生虫疾患が多かったのは故国の衛生状況も影響はしているのかもしれないが、故国から陸路の逃避行でタイの難民キャンプにたどり着いた、その難民キャンプでの衛生状況が極めて悪かったからと関係者に聞いたことがある。
  • 2018/9/13 9:00
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