AMDA国際医療情報センター
ブログ カレンダー
« « 2018 12月 » »
25 26 27 28 29 30 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 1 2 3 4 5
プロフィール

小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

続きを読む
supporter
login

平成30年3月13日火曜

平成30年3月13日火曜

「先生、来たぁ、ちゃんと歩いているし、麻痺なんかないよ」と看護師が驚いた表情で、さも不思議といわんばかりに微笑みながら、話しかけてきた。デスクに向かって仕事をしていて「何の話?」と訊ねると・・・先日、発熱した御嬢さんを連れて中国系カンボジア人の男性がやってきた。診察をしている最中に「うちのお母さんが脳卒中で倒れて半身が麻痺している。いま、○○病院に入院していて大変だ」と言うので、長く高血圧他で受診している彼の母親が倒れたのだと思いこんだ。今、70台の後半、たぶん27年近く拝見しているはずだ。最近やってきたときにもそのような気配は何もなく、血圧もキチンとコントロールされているし、心房細動などもなく・・・なぜ脳梗塞になったのか?といぶかしく思っていた。日本語が上手になったとはいえ、この日本で倒れてしまえば、その面倒を見るために一家が大変なことになることは目に見えていており、心配していた。それが・・・「せんせい、おはよう」とごく普通ににこにこして入ってきた。僕も一瞬、ポカーンとしてしまった。恐る恐る聞いたところ、倒れたのは彼女ではなく、発熱した御嬢さん、すなわち彼女の孫を連れてきた父親である男性の奥さん、彼女からみたら息子のお嫁さんであるということがわかった。「お母さん」の意味もむずかしい。彼は家では自分の奥さんを「お母さん」と呼んでいたのだろう。そのまま言われると、このように誤解してしまう。たしか、このお嫁さんはベトナム人で、まだ40台だ。彼女の話ではもともとベトナムの両親が高血圧で糖尿病、お嫁さん自身も高血圧で、病院に行くようにと話しても、行くことはなかったとのことだ。東南アジアではまだ若いのに、このように倒れて、人生の大きなハンディキャップを背負ってしまうケースが少なくない。医療に恵まれた日本にいても、故国の家族にお金を送るために、わが身を顧みずに働き続け、その結果、故国にお金を送り続けるどころか、日本での家族に大きな負担をかけるような状況になってしまう。なんとも残念だ。冒頭に書いた発熱の御嬢さんは先天性脳性まひ、そしてその母親が脳梗塞で半身麻痺、この家族の行く末が気になってしかたない。
  • 2018/3/13 9:03
  • トラックバック (0)
  • 閲覧 (291)

トラックバック

トラックバックpingアドレス http://amda-imic.com/modules/blog/tb.php/1690