AMDA国際医療情報センター
ブログ カレンダー
« « 2018 1月 » »
31 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 1 2 3
プロフィール

小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

続きを読む
supporter
login

平成30年1月6日土曜

平成30年1月6日土曜

北アフリカ某国からの留学生が大学の保健室からの紹介状を持ってやってきた。いきばむと上腹部が腫れると本人が訴えているが、筋肉ではないかとのことだった。ジムでトレーニングをよくしているという。たしかに普通の状態と比較するといきばんだ状態ではわずかに腫脹しているように見受けられた。エコーで見ても異状なく、幸いにして空腹でやってきたので、そのまま内視鏡でも拝見してしまったが、それも異状なかった。しばらく経過を見るということにした。少なくともなにか重大疾患が隠れているというような印象ではなかった。カンボジア人女性67歳、血圧の測定をし、降圧剤の処方などしていると「せんせい、お正月、カンボジア行ったあ?」と話しかけてきた。カンボジアは行かなかったけど、タイのほうからカンボジア国境の遺跡まで行ったと答えて写真を見せてあげた。すると、カンボジアの平原とも見えるところを指さして、「こういうところを逃げてきた。あのころ、あかちゃんがいたけど、泣くとポルポト兵士に見つかって殺されてしまうので、夜にジャングルの中をあかちゃんの口を押えながら必死で逃げた」と教えてくれた。「お金や宝石なんか持っていると盗賊に取られて殺されるので、ふとももにダイヤを入れて逃げた。難民として日本に来てから入れたところが痛くなり、大きな病院で取ってもらった、今でも持ってる」と言うではないか。おやおやおや、それって摘出の手術を大和市立病院で行ったのは僕だよと話すと目がまんまるになり、顔中笑顔になって僕の手を握り締めてきた。プノンペンの自宅に医師を呼んでふとももを切開してダイヤを入れてきたが、日本の難民定住センターに入所してからその部位が痛くなり、摘出を希望している女性がいると同センターの通訳から言われて、摘出したことがあった。僕が難民定住センターの無料の嘱託医を兼任していたからなのだが・・・たしか2個入っていたよねと言うと「そうです」と。僕の顔は忘れていたらしい。僕も彼女の顔や名前は忘れていたが、30年も経ってから出会うとは思ってもいなかった。あのとき、難民がダイヤを隠し持っていたなんてことになったら、大変なことになると判断し、取り出したダイヤを売ってはいけないとセンターから言われていたはずだよねと話すと、「そう、だからまだ持ってる」とのことだった。
  • 2018/1/6 9:00
  • トラックバック (0)
  • 閲覧 (306)

トラックバック

トラックバックpingアドレス http://amda-imic.com/modules/blog/tb.php/1645