AMDA国際医療情報センター
ブログ カレンダー
« « 2017 12月 » »
26 27 28 29 30 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 1 2 3 4 5 6
プロフィール

小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

続きを読む
supporter
login

平成29年8月16日水曜

平成29年8月16日水曜

初診のラオス人男性21歳、会社の健診の結果を持って、同僚のラオス人男性と現れた。結果を見ると、3年分の健診の結果が記載されていて、いずれの年も若い男性にしては血色素量が11台で相当低い。訊ねてみると、毎年ラオスに里帰りしているそうで、昔、インドシナ難民定住促進センターに入所してくるラオス人難民の人たちを診察していたときのことを思い出した。あのころの彼らはラオスから直接やってくるのではなく、逃げたタイの難民キャンプからやってきていた。難民キャンプの衛生状況はあまりよくなく、ほとんどの人が寄生虫疾患を持っていた。同じタイの別の難民キャンプからやってきたカンボジア難民の人たちも高率に寄生虫疾患を持っていた。便検査をしてみると、ラオス人の人たちにはタイ肝吸虫など、今になって考えてみると、彼らのもともとの食生活に起因していると考えられる寄生虫が多かった。川の魚を生で食べたり、沢がにを叩き潰して発酵させて何かと混ぜて吸ったり、ソムタムに沢がにを入れたりと、そんなところだろうか。ところがカンボジア難民の人たちに鉤虫などのほかに名前も聞いたことがないような原虫が多かった記憶がある。長くなってしまったが、このラオス人男性に関しても寄生虫疾患を否定すべきと考えて、検査を組んだ。ところで、この男性、21歳で3年も日本に生活しているというのに、ほとんど日本語が話せない。少なくともインドシナ難民としてやってきた人たちの二世とは思えないし、難民としてやってきた人たちが後年、故国にいる家族を呼び寄せた、いわゆる「呼び寄せ」でやってきた人にしても日本語が話せなさすぎる。呼び寄せ事業はとうの昔に終了しているからだ。健康保険を所持しているということは合法滞在の可能性が極めて高いということになる。どうして日本にいるのか、興味津々だったが、訊ねるはやめた。カンボジア人女性62歳、頭痛と胸の苦しさ。昨日、難民出身で横浜市に住んでいる親族のもとにカンボジアからやってきたとのことだった。3か月滞在するとのことで、もちろん日本の公的保険には加入していない。保険外診療でもいいという付き添いの親族の話だったので、診療開始。血圧が180/110、これじゃ頭も痛くなるだろうし、胸の苦しさも説明できないことはない。心電図では狭心症も否定はできなかったので、ジェネリックの降圧剤と念のためにニトロの貼薬を処方した。これでよくなってくれるといいのだが・・こうして書いてみると約30年前にインドシナ難民として日本にやってきたラオス人、カンボジア人とのおつきあいが、いまだに続いていることがよくわかる。
  • 2017/8/16 9:00
  • トラックバック (0)
  • 閲覧 (200)

トラックバック

トラックバックpingアドレス http://amda-imic.com/modules/blog/tb.php/1559