AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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平成29年3月16日木曜

平成29年3月16日木曜

いやはや、開業して27年目にしてこんなトラブルに遭ったのは初めて・・・・高血圧と橋本病で長期に受診しているフィリピン人女性54歳、日本に長くいるが、日本語はあまりできない。普段から思い込みが激しく少し粘着気質で、フィリピン人スタッフがいてくれて助かるのだが。たまたまその時間帯はフィリピン人スタッフがいなかった。受付からの話ではどうやら診察ではなくやってきたらしく、どうしますか?と言われたが、あまり混んでいなかったこともあり、診察室に入ってもらった。手に白い袋を持っていて、中には先月の終わりに2か月分処方した薬の残りが入っていた。ドク、話してもいいですか?と言うので、いいよと答えると彼女の口から出てきたのは・・先月もらった薬は使用期限が切れたものだったと言い出した。ええ、そんなことはないはずだよと言ってもすでに顔が笑っていない。だから使用期限の切れていない薬に交換してほしいと強く迫ってきた。あまりの話の展開に頭が白くなりそうだったが、少し冷静に考えてみると、どのようにして彼女が薬の有効期限を知ることができたのか、不思議に思った。というのも薬の有効期限は薬の箱にしか印字されていない。箱から出した状態で患者に手渡すことになるので、患者自身が箱の有効期限を確認することなどできるわけがない。どうして有効期限がわかったの?と尋ねると、薬のシートを出してきて、「シートの一番上に数字が書いてある、だからわかった」と言う。うーん、どこに書いてあるの?と聞き返した。シートの一番上には薬の名前しか書いてない。すると、「ここに数字がある。15○○と書いてある」と言う。虫眼鏡でみると、なんとそこに確かにシートに打ち付けたように数字が見える。薄い紙をあてて、上から鉛筆でなぞってみると、浮かびあがってくる。これってシートのナンバーであって有効期限じゃない。そう、彼女に話しても、こちらの説明はまるで聞く気がないというか、理解しないそぶりというか、「だから交換してほしい」の一点張りだ。処方した近くの調剤薬局に電話して、交換してほしい旨、伝えたが、すでに処方して3週間近く経過しているので、それもむずかしいという。その通りだろう。彼女のほうはというと、てこでも動かないような雰囲気、それを調剤薬局に伝えると「それじゃ、1か月分ぐらいなら手持ちがあるので交換しましょう」と言ってくれたが。そこで気がついた。もしここで単に交換することで済ませたら、彼女はきっと自分が正しかった、この調剤薬局は期限切れの薬を出したのだと思い込むだろう。それは決定的にまずい。そこで再度、調剤薬局に電話して、彼女の目の前で開封していない薬の箱に印字された使用期限を見せて、その後、開封して中のシートに打ちつけた数字と見比べて、それが使用期限ではないということを確認させてほしいと話した。交換するのはいいとしても、彼女の考えがまちがっているということをはっきりと気付かさせてあげないといけない。看護師が事情の説明に調剤薬局まで行ってくれたが、自分がまちがっていたことに気がついたようだと報告を受けた。いやはや、こんなことがあるなんて。しかし、よくよく考えてみると、今のやり方では患者が薬を受け取るとき、その使用期限がいつまでなのかということがわからないという事実はまちがいがない。有効期限が切れた薬など使わないだろうという性善説に立つのもいいが、しかしここはそれがまちがいないということを理論的に説明しておく必要がある。調剤薬局に薬を手渡す時に薬の箱に印字された有効期限を患者に示して確認してもらうことが必要と話すつもりだ。
  • 2017/3/16 9:00
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