AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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平成29年2月28日火曜

平成29年2月28日火曜

午後になってフィリピン人男性62歳、診察室の入り口から中を除いて、だれもいないとわかるとにこにこしながら入ってきた。後を追いかけるように職員がカルテを持ってきた。「今日、来る気はなかったけど、近くに来たので、この前の血液検査の結果を聞いていこうと思って」と言う。なるほど、結果を聞きにきたので受付を通さずに診察室の僕のところにやってきたのだなとわかった。カルテに貼ってある結果を話すと、ああよかったと出て行った。その後、職員がカルテに記載がないと再度持ってきたが、記録も必要ないし、お金も必要ないと話して、カルテをもとに戻した。フィリピン人女性32歳、5年も前から甲状腺機能亢進症で受診しているのだが・・甲状腺機能を抑える薬をはじめに大量投与し、漸減していき、維持量でフォローアップする、この簡単なことが何度話してもできない。動悸がすると訴える。前回の日付をみると2月10日となっている。しかし・・・よく見ると平成28年の2月10日だ。いつもお子さんの診察に小児科にやってきて待合室にいるのを見ているので、こんなに時間がたっているとは思わなかった。たぶん・・いやまちがいなく、甲状腺機能の亢進がまたおこっているのだろう。たしかに脈拍も早い。人にいやがられるのはこちらもごめんだけど、病気にならぬよう、病気が進まぬよう、言わなければならないことは言わなければならない。「あれほど、ちゃんと内服しないといけないと話したでしょ」「はい」と微笑む彼女、ため息をつきながら甲状腺機能の採血を行って、とりあえずまた、機能を抑える薬を一週間だけ処方した。結果をみてその後を考えるつもり。眼球の突出もさらに進んでいるように思える。怒ってはいけないと思いながら・・・でも笑顔がなかなかつくれない。よくよく考えてみたら、この5年間、こんなことの繰り返しだった。それでもなにかあったらやってくるということは信用はしてくれているのだろう。
  • 2017/2/28 9:00
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