AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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平成23年10月20日木曜

平成23年10月20日木曜

日本人でもこちらの話を理解してくれない患者はいるものだが・・外国人患者を診ていてこちらがどんなにゆっくり何度も説明しても、のれんに腕押しみたいで途中でタオルを投げたくなるときもある。タイ人女性患者、もう10年近く診ているだろうか、いつもはソラナックスという安定剤とフルカムという鎮痛剤を処方している。ところがこのソラナックスを欧米人のだんなさんが飲んでしまうそうで、どのように処方している薬を内服しているのかがまったくわからない。だんなさんが職場の欧米人の女性と浮気をしているのではないかという思いと娘さんが日本人と同棲しているのと亡くなった父親の財産をめぐってタイにいる異母姉妹で争っているなどつねに悩みを抱えている。だんなさんも患者としてやってきたことがあるが、どうも浮気というのは彼女の妄想のような気がしている。彼女との会話は英語とタイ語のちゃんぽんで、日本語はうーん、意思疎通が難しく、英語もあまり上手じゃない。おとといはタイ語の通訳がやってくる火曜日だったので当然のことながら診察のときに通訳に入ってもらった。この彼女、8月に胃が痛いとやってきたので、即日、胃の内視鏡検査を施行してみた。前庭部大彎に二個の胃潰瘍があった。ピロリ菌は陰性。胃潰瘍の薬を処方するとともにフルカム内服を止めた経緯がある。タイ語の通訳の通訳能力はほぼ完ぺきだ。もちろん僕も通訳が誤訳しないようにゆっくりと確認しながら話した。胃潰瘍はそろそろ治癒しているかなと思うが、本当に治癒しているかどうか、判定のために胃の内視鏡検査をすることにどうしても同意してくれない。おまけに胃の痛みがないから潰瘍の薬はもういらないという。そして肩の痛みどめとして使っていたフルカム、これを朝飲むと気持ちがいいのでどうしても処方してほしいとせがむ。もし今回の胃潰瘍がフルカムの副作用だとするとフルカム内服を再開すると再び胃潰瘍ができて胃の痛みに襲われる可能性は大だ。何度も話しても全く聞いてくれない。胃潰瘍という病名があるのにフルカムを処方したら・・・まちがいなくレセプトチェックでフルカムは切られて、要するにお金は保険から支払われず、クリニックの損失につながってしまう。困り果てたあげくに僕は8月に付けた「胃潰瘍」という病名をレセプトから抜くように事務に指示をしてフルカムを処方した。僕としてはあれだけ説明してわかってもらえず、胃の薬はやめてフルカムは欲しいというのなら、あとはもう患者個人で責任を取ってもらうしかないというつもりだった。そして処方箋を書いた。それから15分ぐらいして、近くの調剤薬局から電話が入った。「○○さんがフルカムはいらないと言っているのですが、どうしましょう?」と言うではないか。あれだけ通訳を入れて話した結果で僕としては不承不承処方したのにこりゃどういうわけかとさすがにむっとした。急いで通訳に調剤薬局に行ってもらった。最初に書いたが、こういう???ということは日本人患者でもある。それが言葉があやふやで意志の疎通もあやふやな外国人患者でこういうことがあったら、それが外国人患者に慣れていない医療機関なら「外国人は診たくない」いう結論に達してしまうこともあるだろうなと思わず、思った。
  • 2011/10/20 8:55
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