AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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平成23年9月30日金曜

平成23年9月30日金曜

きょう、僕は怒っている、本当に怒っている。こんなことがあっていいのか・・10か月前に保健所からある国の人の結核の治療を依頼された。それまで某国立系の病院に入院していたが、退院可能となり、外国語での対応が可能なところを保健所経由で探していたが、僕のクリニックに行きついたというわけだ。そのとき確かに「HIVはありません」ということだった。外国人だけではないが、結核と聞けばHIVの日和見感染ではないかと疑って検査を勧めるのが常識だろうし、その結果陰性だというのだから結核の治療を専門医に指示された通りに行えばよいのだろうと思って引き受けた。きょう、患者がやってきた。一目で先月に比較してずいぶん痩せたという気がした。ごはんを食べているかと尋ねたら舌が痛くて食べられないと言う。あーんと口をあけてもらったら白いものが口腔内に付着している。おやっ、ガンジダ症かと思ったが、まさかとも思った。うがいをしてもらって再度口の中を覗いてもやっぱり白いものがたくさん付着している。まちがいなくカンジダだろう。結核がよくなってきているのにカンジダがあるわけは・・・僕は本人に軽く話してHIVの即日検査を行った。長い経験で擬陽性はすぐにわかるようになっているが、この患者の結果は擬陽性ではなくはっきりとした陽性だった。要するにエイズがあって日和見感染で結核があったということだ。でも10か月前に某国立系病院でHIVの検査をして陰性というなら今回、陽性はありえない、初期感染ではないから。某国立病院の担当医に電話して再確認してみると・・「HIV検査は当院ではしていません」という返事、この病院に紹介した大学病院でもしていないとのこと。結核や呼吸器の専門医ならエイズの日和見感染に結核があることぐらい知っているはず。それを尋ねたら「患者さんから要望がなければHIV検査はしていません、患者さんの同意が必要ですから」と答えた。はっきり言ってばかじゃないか。同じ医師として恥ずかしい。専門医としては勉強不足、あやしければこちらから検査を勧めなくては。自分からエイズ検査をはしてくださいと患者が言うわけはないだろう。それに保健所が問題だ。僕には保健所の担当者は「エイズ検査は陰性だから受け入れてくれ」とはっきり言った。すぐに連絡したら僕の記憶は正しかった。当時の記録を先方が調べたところ、某国立病院でから保健所への連絡には「エイズ検査は陰性」ではなく、エイズ検査に関する記載は「ない」ということだった。おかげで僕はエイズの患者を10カ月もエイズの治療をしないまま、放置状態で診さされていた。いまさら保健所に謝られても困る。1年前に治療を開始したら治癒したかもしれないが、ここまで来てしまったら治癒はむずかしいということもあるかもしれない。さきほどの結核の専門医には言う言葉がない。ばかやろう、もっと勉強しろ。専門医なんて恥ずかしくて言えないだろう。かわいそうなのは患者だ。来週にはエイズ拠点病院に紹介状を書かねばならない。
  • 2011/9/30 17:01
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