AMDA国際医療情報センター
ブログ カレンダー
« « 2017 11月 » »
29 30 31 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 1 2
プロフィール

小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

続きを読む
supporter
login

平成23年9月22日木曜

平成23年9月22日木曜

数日前にAMDA国際医療情報センターのタイ語通訳から聞いた話ということを前提で書かせてもらいたい。彼女が抱えているエイズ患者が貧血で倒れて救急車で某病院に搬送された。搬送先の病院で最初に問診を受けたときに「エイズである病院で薬を内服している」と医師に話した。その後、彼女自身はぼーつとして一時的に意識が下がってしまったらしい。そこで医師は待合室に行き、付き添ってきたアフリカ系アメリカ人の男性を夫と勘違いし、エイズの薬は何を飲んでいるのかと尋ねたとのことだ。その男性は彼女の「いい人」だったらしいが、病気のことなど知る由もない。大層驚いたそうだ。また救急外来に待っている人たちすべてに聞こえるような声だったらしい。後日、この「いい人」を通じて彼女の職場のすべての人が知る事態になったとのことだ。病院側は数人の医師が出てきて謝罪したそうだが、彼女は訴訟をすべきかどうか考えている。お金のことではないと彼女ははっきり言っているそうだ。すべてを失って死にたいとも言っているそうだが、そうだろう、人間は一人では生きていけない。自分をとりまくすべての人が突然離れて行ったらそんな気持ちにもなるだろう。問題はどうしてこういうことがおこってしまったかということだ。僕はエイズ拠点病院政策の「副作用」だと思う。エイズ拠点病院政策そのものはまちがっていないと思うが、一般病院や診療所の中にエイズなど関係ない、拠点病院に送ればいいという雰囲気はないだろうか。だからこそプライバシィーを守るといういろはのいの字もわからず、まちがってしまうのだろう。僕はこの10年近く、大和市医師会の年一回のエイズ研修会を担当してきた。この研修会は厚労省から年一回開催するように郡市医師会に義務付けられているものだが、外部から講師を呼んでも出席者はせいぜい15人程度のように程度である。要するに拠点病院に勤務している医師以外は関心がないということだ。それじゃ困る。エイズの治療は拠点病院で行ったとしても、風邪をひいたり、先ほどの彼女のように貧血になると一般の医療機関にやってくるはずだ。そのときに彼らがエイズの治療についてきちんと打ち明けてくれるかどうか、それは医療機関が彼らのプライバシイーを守れるかどうかにかかっている。
  • 2011/9/22 15:49
  • トラックバック (0)
  • 閲覧 (1583)

トラックバック

トラックバックpingアドレス http://amda-imic.com/modules/blog/tb.php/107