AMDA国際医療情報センター
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小林米幸: AMDA国際医療情報センター理事長

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アメリカ人女性57歳、精神疾患を抱えている。この一週間ほど、便が出にくく、ときどき水っぽいものが出ると来院。酸化マグネシウムはすでに内服しているし、いつもは水様便だと訴えることの方が多いので、悩んだ挙句にレシカルボン座薬を処方した。すごくやせている方なのでもしかしたら腹筋が弱くていきめないのだろうかと思ったからだ。お菓子を持ってきてくれているというので何事かと思ったら「よく効いていることを報告したい」とのことで、お菓子を置いて帰って行った。心配した分、ほっとした。こういうときは診察に来たわけではないので医療費の請求はしない。フィリピン人女性49歳、高熱と咳とのどの痛み。インフルエンザの可能性も捨てがたく、検査をしてみたが、陰性だった。カンボジア人女性42歳、一週間後に久しぶりにカンボジアへ帰るが、薬がほしいとやってきた。1週間ほど前から右の臀部から足の先まで痛みとびりびりする感じがあるという。以前に同じことがあったときにボルタレン座薬を処方したことがあり、それがよく効いたから同じものを欲しいとのことだった。鎮痛剤を長期に処方することは少し怖い。短めに処方した。
  • 2019/3/21 9:50
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南西アジアの某国からの日本語学校生23歳、昨年の11月に初診、左の胸背部に痛みがあり、来日して間がない一カ月ほど前に手の指に傷があって、あやまってそこにごきぶりスプレーをかけてしまった、それからめまいがしたり、関係があるのではないかと心配していた。通常の血液検査では何の異常もなく、胸腹部のCTスキャンでもとくに異常所見はなかった。以後、何回かやってきては心配を訴えるのだが、昨日はめまいのほかに動悸、ときどき血圧が140ぐらいまであがると言う。血圧を測定してみたが、120/60でまったくの正常。体の中に毒が入っているのではないか、もし体から出て行ったとしても将来、がんになる可能性があるのではないかとやっと聞き取れるかどうかという英語で質問してくる。「大きな」病院でなければ、血中にそのような物質があるかないかについての検査はできないと話して、某医療センターに情報提供書を書きながら、行くときにはそのスプレーを持って行ったほうがいいと話した。するとそのスプレーはもうないと言うので、スーパーで同じものを買って行くか、成分を書き留めて行ったら?とアドバイスしたところ、日本に来たばかりで覚えていないし、本当にごきぶりを殺すスプレーだったかどうかもわからないと言う。ちょうど診察が終わる時間だったが、診察を終えても窓口でフィリピン人スタッフを相手に話が止まらず、困った。精神的なものと一笑に付すのは簡単だが、まずは彼が話してくれたことを化学的に分析しなくてはいけない。情報提供書を受け取る医師もとまどうことだろうと申し訳なく思った。
  • 2019/3/19 9:27
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インドネシア人女性28歳、花粉症で目が腫れ上がっている。こちらも拝見した後にいつものバセドー氏病の採血を行おうとしたら・・・けっこういやがる。注射は苦手だと言ってはいたが、いつも 大きな声が出る、針が刺さったときに手を引き抜こうとする。もうわかっているのでスタッフが後ろからやさしく手を支えている。今回もようやく採血が終わった。フィリピン人女性24歳、横浜市から初めて来院。日本に来て間がないそうで、健康保険には加入する資格があるが、まだ手元にもらっていないという。おしりに何かが数個できていると話すので、見せてもらったところ、数個の毛嚢炎があり、うっすらと膿がほんの少したまっているようにもみえる。表面のことなので、抗生物質の処方にとどめた。フィリピン人の一家4人、丹沢の近くから来院。83歳の女性の息子、その嫁、そして一番若い40歳の男性は娘の婿だそうで、すでに高血圧、そして1週間前に採血した中性脂肪の値が300を超えている。食事療法は本人にだけ話してもあまり意味がないので、全員診察室に入ってもらい、ひとりひとりについて食事指導を行った。3月もすでに後半。桜ももうすぐ。
  • 2019/3/18 9:05
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ペルー人女性51歳、とにかく底抜けに明るい人、診療終了直前に「ごめんね」を連発しながら息せき切って笑顔で飛び込んできた。先週末に足が脹れていると友人のペル―人女性に連れられてやってきたのだが・・・一週間の利尿剤の内服で足の浮腫は明らかに軽減している。先週は足が重そうで歩きづらそうだったのが、「息せき切って飛び込める」までになっている。採血をして電解質、クレアチニン、アルブミンや貧血の有無など直接浮腫に係るような項目のほかに申し訳ないがビア樽に足がついたような彼女の体を心配し、コレステロールや中性脂肪、肝機能、糖尿病関係などもチェックをしておいた。そのデータでは電解質、クレアチニン、アルブミンとすべて正常、肝機能と血糖値も正常、LDLコレステロール、中性脂肪はわずかに正常範囲より高いというもので、僕の想像をいい方に裏切ってくれた。血圧も120台。逆にどうしてこの程度なのだろうと不思議に思ってしまう。心肥大もなさそうなので、利尿剤でしばらくようすをみることにした。フィリピン人女性63歳、プライベートな問題を抱えているし、僕はその内容を知っている。いつになっても全く話せない日本語、付き添ってくる妹が妙なことを考えなければいいのだがとつい思ってしまう。
  • 2019/3/16 13:10
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パキスタン人女性、CTの結果、膵臓の周囲の脂肪組織が脹れているという診断なので、アミラーゼを血液と尿でチェック、すでに10日ぐらい経過しているのでアミラーゼが上昇しているかどうか、こういうときの診断はむずかしい。彼女にパキスタンではこどもは太っている方が健康的と考えるかどうか、質問してみた。そういう人たちも多いが、私や家族はそう思ってはいないという返事だった。だからこどもにジャンク フードもあまり食べさせてはいないと。同じAMDAに所属するバングラデシュの友人が都内の大学病院に留学していたころ、当時、3歳ぐらいの息子がバナナしか食べなくてやせている、バングラデシュの留学仲間に「息子がやせているのは両親が食べてしまい、息子はバナナしか食べるものがないからだ」と言われていると苦笑いしながら話してくれたことがある。この話をしたところ、「そうそう、親が食べ物を食べてしまうから、こどもはバナナしか食べるものがない。それでやせていると思われる」と目をキラキラさせて教えてくれた。バングラデシュの友人の話はバングラデシュやパキスタンではわりとありふれた話で、食べ物に困っていないはずの富裕層にとってはジョークなのだと初めて気がついた。8月の地域看護学会に依頼されていた教育講演の抄録を1時間ほどで書き終えた。インターネットですぐに提出、ひとつ仕事が片付くとほっとする。
  • 2019/3/15 9:27
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ナイジェリア人男性44歳、排便時に出血すると来院。肛門鏡で診てみたが、痔はあるが、出血はなし。ポリープ状に変化もあるが、明らかな出血源がわからないので大腸の検査も必要になると考え、近くの専門医に診察をお願いした。ベル―人女性19歳、風邪症状、発熱、体の痛みで来院。明日から飲食店で働くというので、インフルエンザの検査もしておくべきと考えて、話をしたら・・・いやがる。誰でもいやなものだが、顔つきを見ていると「本気で」いやがっているのがわかる。鼻腔に入れる綿棒を取り出すとそれは頂点に・・・ここまでいやがられると、やる方としてもやめてしまおうかなあと思いたくもなる。でももしインフルエンザなら周りに広めてしまうだろうし・・と心を鬼にして施行。結果は陰性。疲れてしまった。タイ人女性59歳、めまいがするとやってきた。降圧剤のせいかとも思い、血圧を測定するもよくコントロールされていて低いというわけじゃない。よく聞くと耳鳴り、吐き気、頭痛もあり。メニエール氏病を疑って処方した。同じくタイ人女性55歳、前回の採血の結果、中性脂肪が300を超えていた。カルビが大好きだそうで、「どうする?」と言われても、すでにベザフィブラートを最大量内服しており、やはり食生活を変えるしかないのだが・・ビールとカルビが大好きというのは変えられそうもなさそうだ。イスラム教徒なので、豚肉は食べられないし。フィリピン人女性59歳、目が真っ赤。花粉症と自分で言っていると受付から連絡があった。その通りだった。
  • 2019/3/14 14:39
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昨日は午前中、診療して午後から厚労省の訪日外国人医療に係る関係者会議へ。午前中にベル―人、フィリピン人、フィリピン人と来院。きょうの朝、机の上を見るとオーストラリア人患者のカルテが置いてあった。ほかに日本人患者のカルテが数冊、午後休診にすることはホームページにアップはしておくのだが、やはり見ないで来てしまう人がいる。会議も大切だが、申し訳ない気持ちでいっぱい。昨日の会議は今までのまとめに近いような印象があった。ワンストップ窓口を厚労省が提案しているように、地方自治体で本当に行うことができるのか、医療そのものや医療制度さらには外国人患者の考え方、宗教的な問題など、専門的知識が必要になること、場合によっては外国語での対応も必要になるかもしれず、個人的には都道府県など地方自治体が行うのは不可能に近いと思う。また、ワンストップ窓口とは聞こえはいいが、内容が不明瞭、本当に外国人医療のさまざまなトラブルや相談がそこで完結するとはどうしても思えない。以前から思っていた通り、僕はこういう窓口はノーハウの蓄積のある民間団体に委託し、各都道府県にひとつではなく、全国に1つあればそれで事足りると思う。そして、日本側からの相談だけではなく、外国人の側からの相談も受けるべきと思う。外国人患者が医療機関の窓口で医療に関する各種相談やトラブルについての不満を直接、述べるようであれば、その外国語対応に追われて医療機関では本来の仕事ができなくなりかねないと心配するからだ。こう書いてくると、これすなわちAMDA国際医療情報センターが28年にわたり、行ってきたことにほかならない。
  • 2019/3/12 10:42
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ペルー人女性51歳、川崎市から初めて来院。クリニックに通院しているペルー人女性が付き添ってきた。歩きにくいというのだが、靴下を脱いでもらうと下腿、とくに足首のあたりにひどい浮腫。そして巨体を支えている膝が悲鳴をあげそう。こうなると運動療法では膝が壊れそうだし、体重をなんとかしないといけないだろう。浮腫のほうは採血と検尿。フィリピン女性36歳、憎めないのだが、困ってしまう。子供さんの予防接種は接種後、1時間だったか、ようすを見ることが厚労省から義務付けられているので、クリニックの終わる時間の1時間前には絶対に来院していてもらわないと医師と看護師、そして事務職員まで残っていなければならないのだが・・クリニックの診察終了の20分前にやってきた。配偶者が日本人で、配偶者がついてきたので、彼女のせいばかりではないのだが、何と言ったらわかってもらえるのか、悩んでしまう。そして花粉症のフィリピン人が6人。今や、花粉症は世界の共通語になりつつある。
  • 2019/3/11 9:15
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韓国人女性54歳、いつもの診察の後、どうしても寝られないので睡眠剤がほしいとのこと。ハルシオンがいいと続ける。たしか、心療内科を受診していたような気がしたので、お薬手帳を見せてほしいと話した。すると・・10日前に心療内科でハルシオン0.25mgが一か月分処方されていた。だぶって処方すると査定されてしまうので、次に来院するまでの足りない分をまずは処方した。こういうことは日本の公的保険のルールなので、きちんと理由を説明しなければわかってもらいにくい。フィリピン人女性、一時帰国するのでと3カ月分の処方をしたのが4カ月前。久しぶりにやってきた。血圧は160を超えていて、足りない分1カ月はどうしていたの?と訊ねると、内服していなかったとのこと。何度も何度も薬はきらさないようにしてねと話しているのに・・どうしてこういうことになるのか?がっかりしてしまう。
  • 2019/3/11 9:09
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タイ人女性51歳、昨日から悪寒があると来院。熱はないというのだが、おでこに手をおいてみると少し熱い。電子体温計をわきの下に挟んでもらうが、何度挟んでもらってもエラーになってしまう。覗き込んだ看護師がしっかり挟んでいないと言い、ぐっと抑えると鰓―にはならなかった。36.7度。微熱だろう。咳も痰も下痢もなく、頻尿もない。念のために白血球数、CRPを計測したが、正常範囲内。ウィルス感染、たぶん風邪かと考え、よく話したうえで何も処方しなかった。中国人女性35歳、受付からHIVの検査にやってきた外国人がいて、心配なことがあってから3週間らしいと連絡があった。その後、何も話がなかったので、受ける方へのマニュアルを読んで帰ったのかと思った頃に、彼女のカルテが並んだ。診察室に入ってもらい、まずは何語が話せるのかと訊ねたら、英語はだめで北京語と日本語ができると答えた。ただし、日本語は相当にあやふやで、緊張のためか、顔が引きつっているように見えた。HIVの検査で正確な結果が出るにはこれだけの日数がかかり、3週間では正確な結果は出ない、たとえ陰性と出ても安心は全くできない、それでも受けますか?と図を書いて説明しながら訊ねた。「はい」と答えるのだが、その「はい」がYESとは受け取れないようなイントネーションで何度も聞き返した。そのうちに、「○○ごろにまた受ける」と言った。今日も受けるけど、○○ごろまた受けるという意味ですか?と訊ねると、「はい」とまた答える。そういうことなんだな、たぶん医学的には意味がないとわかっていても精神的に耐えられない状態なのだろうと判断し、検査を行った。もちろん結果は陰性だった。
  • 2019/3/8 10:20
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