エボラ出血熱が西アフリカで猛威を振るっている。現時点で感染者数の増加が続いており、西アフリカ以外でも感染者が確認され、世界各国は更なる感染の拡大を防ぐため対応に追われている。これまでに日本でもエボラ出血熱の感染を否定しなければならない患者が何度か発生したが、多くの日本人がその都度患者の検査結果が公表されるのを待ち、いずれも陰性とわかると安堵したのではないだろうか。


 過去最悪と言われるまでに感染が拡大した要因の一つとして、葬式の際に死者に触れる西アフリカ地域の風習が挙げられている。死亡して間もない遺体にはウイルスが潜んでいるため、遺体に接触した会葬者が感染するという。現地の混乱している状況ではエボラ出血熱に対する知識を住民に周知させることは遅々として進まないのだろうか。また、救援に駆けつけた海外からの医療スタッフがこの病気を持ち込んだと、住民が医療スタッフに投石したという報道もあった。緊急事態に際して、正しい知識や適切な情報を広く伝える重要性を思い知った。

情報について言えば、たくさんの情報の中から正しい情報を取捨選択することは日頃からも重要だ。先日、センターにレモンを1日に20個飲めば、HIVが治るとインターネットに載っていたが、本当なのかという相談があった。友人がHIVに感染しているかもしれないので、もし本当なら教えてあげたいのだという。インターネット上には誤った情報や疑わしい情報もあるので常に注意しなければならない。

 センターに相談してくる相談者は、事前にインターネットで自身の症状や病気について調べていることが多い。そう言う自分も少しでも体調不良になると、調べずにはいられないし、自分自身の健康状態や症状、病気について詳しく知ろうとすることは良いことだと思う。ただ、中にはインターネットの情報から自分の病気を頭から決めてかかり、その病気を診てもらえる病院を教えてほしいという相談やインターネットで調べれば調べるほど自分の症状と一致することから不安を自ら煽っていると思われる相談がある。インターネットの情報を鵜呑みにして独自で判断するのではなく、病院に受診するきっかけとして、まずは医師に相談することが必要なのではないか。件の友人がHIVに感染しているかもしれない相談者にも、感染が心配なら検査を受けること、検査結果がもし陽性だった場合は、病院を受診し、医師に相談しながら治療法を決めるよう伝えている。

 エボラ出血熱の話に戻ると、現在、センターでは発熱がある相談者に対して、1か月以内にエボラ出血熱の流行国へ滞在したか聞いている。滞在歴がある相談者については保健所と連絡を取りながら、感染症指定医療機関の受診へとつなげていくことになっている。センターでエボラ出血熱への対応を準備しながら、世界的に早期に終息することを心から願っている。(センター東京 Y)