センター東京では現在試験的に、英語、中国語、韓国語、タイ語、スペイン語に限って毎日夜8時まで対応時間を延長しています。延長して感じることは、やはり夜は長いということです。夕方6時くらいまでは通常受付している診療所がたくさんありますが、その後どんどん減っていきます。夜7時を過ぎてかかってくる電話を取るときは、「急病だろうか?医療機関は見つかるだろうか?」とドキドキします。


救急外来に患者さんがあふれ、医療スタッフが対応に追われていることは十分承知していますので、急ぎの受診が必要な状況かどうか、まずセンターでも丁寧に聞き取りをします。その上で、やはり心配な状況だとなった場合は救急外来に受入が可能かどうか問い合わせることになるのですが、なかなかOKが出ません。スタッフ総出で次々電話をかけ続けて、ようやくOKをいただくとホッと安堵します。普段の相談電話ではお尋ねしない患者さんの氏名や生年月日などもヒアリングし、医療機関にお伝えします。患者さんには「医師が待っているので、必ず受診してくださいね」と説明して電話を切ります。


先日、消防士さんたちの講習で、「外国人住民の医療問題と情報提供の方法」という切り口からセンターでの経験をお話しする機会をいただきました。センターでは、救急という厳しい現場で文化や社会背景の違いがトラブルの種にならないように、外国人の方に日本の救急システムを説明しながら医療機関を探すわけですが、時には、「説明」と言うより「説得」と言った方がいいような展開になることもあります。仕事の都合で夜しか受診する時間がない、自分のプライベート保険が救急外来しかカバーしない、などのケースでは、急患であふれている救急外来の状況を説明し、薬や検査も限定される事を話して平日昼間の受診を勧めています。急を要する症状で受入医療機関を探す場合も、外国語対応はまず無理であることを理解していただかざるを得ません。センターから医療機関へは、電話通訳サービスを無料でしていることの案内や、患者さんの訴えをあらかじめお伝えするなどのフォローをします。


消防士さんたちからは、救急出動しても症状を把握しきれないため受入先を探すのが難しいこと、受診時にも通訳がいないと受入を断られる例がある事などの体験談をお聞きしました。センターが開いているのは夜8時までですが、それでもありがたいと言っていただきました。今のところ、24時間電話通訳で対応されているのは民間しかないのが実情です。通訳費用が制度の中で確保されない以上、様々なボランティアが差し伸べる手をつないで、セーフティネットの隙間を埋める努力を重ねているのが現状です。(センター東京 S)