AMDA国際医療情報センター
supporter
login
トップ  >  NO.75 平成22年度第2回センター内研修
ケースより(センター東京):平成22年度第2回センター内研修

去る10月30日、センター東京にて、医療通訳をテーマとして第2回センター内研修を行いました。折しも台風14号が関東地方に接近する中でしたが、30名近くの多くの相談員が参加いたしました。

日々ニーズの高まる医療通訳についての研修となった今回は、ワークショップと事例研究の二部構成という形で行いました。アドバイザーに小林理事長を迎え、医療現場に日々携わる身から忌憚のない意見を交換しました。
医療通訳は、日頃から電話を通して行っていることとはいえ、いざ研修となると相談員も少し緊張ぎみでした。
そこで第1部のワークショップでは、各言語のグループに分かれ、気さくに意見を言い合える環境づくりに努めました。血液検査の結果を患者に伝えるという場面を想定し、医師が言うであろう検査結果の数値や、食生活のアドバイスなどを事務局が読み上げ、それを訳していくという形で行いました。
普段耳慣れない医療用語や難しい表現もある医師の説明を、患者が理解することが医療通訳の基本です。また医療現場における通訳の難しさは、正確さとともに迅速さも求められるところです。しかし、今回のワークショップでは、英語、中国語、スペイン語、韓国語、タイ語、ポルトガル語という6カ国語の相談員が出席したため、通訳に対して正解を設けませんでした。言語ごとの相談員のあいだで例文を訳したものを見せ合い、お互いに意見を出し合って、細かいニュアンスや表現を考えていきました。
第2部の事例研究では、相談員が電話通訳をしている際に経験したトラブルや困りごとなどを挙げ、話し合いました。例えば、ある相談者が「これは医師には伝えないでくれ」と言って家族の状況についての不安を通訳者に訴えたため、医師からは「話がずいぶん長かったのに、私への説明は短かった。ちゃんと通訳してくれているのか?」と言われた、といったケースや、通訳する側からの立場では、通訳が入ると時間がかかることで、いつも申し訳ないと思い気が急くのだが、患者が理解できるよう何度も繰り返してしまう、といったケースにどう対応するか検討しました。
電話通訳という性質上、通訳をするとき、患者や医療機関側のスタッフの顔は見えません。そのため、それぞれとの信頼関係がより大切ということは言うまでもありません。しかしそういった信頼関係を築こうとしてつまずいてしまったり、電話通訳というシステムに理解を得られなかったりしたことがあるのは事実です。また、医療通訳は基本的に医師と患者の会話を通訳しますが、患者の方は言葉が通じるということで通訳者に心を許し、プライベートなことを話すこともあります。また医師の立場に立ってみれば、電話の向こうの顔もわからない人間に通訳をまかせるのには不安を感じるということも、理解のできることです。トラブルとは言えないほどの小さな軋轢でも、そのような立場に置かれた場合、通訳者は常に患者と医療機関側のあいだに立ち、双方の利益のために理解を求め、双方にとって最善の着地点を探りたいと考えています。
医療現場における通訳の普及には、まだまだ課題があると言わざるを得ません。また、現場での通訳と電話通訳、どちらにも長短があり、それを共に補い合いながら、在日外国人患者に日本の医療へのスムーズな道筋を引けるよう、今後も精進する気持ちを改めた研修でした。
(センター東京 M)
プリンタ用画面
友達に伝える
前
NO.75 医療機関の紹介
カテゴリートップ
NEWSLETTER 案内
次
NO.76