AMDA国際医療情報センター
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トップ  >  NO.74 外国人を受け入れるという事
 ある日本人が家族として、あるいは職場の同僚や留学生として外国人を迎えたとしよう。すると迎えた外国人が医療の問題を抱えた場合、周囲からは、その日本人が自分達と外国人の橋渡しをして当たり前と思われがちである。では本当にこの日本人はキーパーソンとして、外国人が医療に関わる事ができるのだろうか。今回はそのようなことを考えさせられたケースを2件紹介したいと思う。
 1件目は、結婚するために日本に来て数週間になる婚約者についての相談。すでに同居を始めていた部屋で暴れたり、奇声をあげたりするようになり、周辺住民から苦情も来ている。婚約者を外に出すことはできたが、何度も戻ってきてベルを鳴らして騒ぐ。警察や保健センターに相談したが、被害届けを出させてもらえなかった。精神的な病気からの行動だとしても、結婚する意思はなくなったので、とにかく国に帰ってもらいたい。自分もここを出て行きたいが、出て行った後婚約者が騒いで近所に迷惑をかけるかもしれないと思うと、出て行くことが出来ない。どうしようもないと途方にくれていた。
 最初は婚約者が治療を受けられるところを探していると思ったが、そうではなく自分が助けを求めている事がわかったので、婚約者や近所の人、部屋の管理会社がどうするかは彼らが決める事なので、自分がどうすればよいかを第一に考えるよう伝えた。また、被害届けを受理してもらえるよう、弁護士に相談することを勧め、行政の無料法律相談窓口などを紹介した。
 地元の法律相談窓口を探すのに時間をもらったので、その間相談者はかなり落ち着いていたが、センターとしては、外国人の婚約者が精神疾患であったのであれば受診につなげなくてよかったのかと、逡巡し続けている。

 2件目はある会社から入った相談で、遠方の病院から社員が混乱状態で入院中だが、言葉の問題からコミュニケーションが取れないでいるため、サポートしてくれる人をよこしてほしいと連絡を受けた。ついては誰か紹介してほしいとのこと。パート職員として数日前まで働いていたが、連絡もなく遠方へ行ったようだ。領事館に連絡したが、検討すると言われた。たくさんの営業所を持ち、直接本人とは面識がない様子で、保険に加入しているかどうかや、自国の連絡先、仲の良い同僚がいるかどうかもわからないし、こちらへ送り返されても、面倒はみられないと、会社の方針を口にはしているが、心配している様子は伝わってくる。
 緊急事態ということで、対応してくれるところを探したがなかなかみつからなかった。しかし、幸いにも領事館が間に入って病院と交渉し、病院の宗教家がサポートしてくださる事になったとしばらくして会社から連絡が入った。
 毎年4万件近いカップルが国際結婚をしている。2008年より減少傾向にあるものの、外国人労働者や留学生の受け入れは今後も続いていくであろう。受け入れる側も準備をして、しすぎるということはないので、問題が生じる前に、予防策を講じる必要性を忘れてはならないと思う。
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