AMDA国際医療情報センター
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トップ  >  NO.70 万全のチームワークを目指して

 現在多くのNPO、NGO団体が在日外国人をサポートするため活動していることは目的こそ異なれ海外から来日した人々にとって心強いことであり、また私たち活動団体同士の連絡と協力は誰にとって住みやすい国を目指す上で欠かせない。その中で、AMDA国際医療情報センターの活動を最も特徴づけるのは「電話通訳サービス」であろう。  建物の外観や雰囲気から医療機関と気付き、突然現れる外国人に戸惑う受付の方々、何とか患者を助けたいと努力される医師、看護師、技師、薬剤師など医療現場のスタッフにとって外国人患者の求めや訴えをその場で把握することができるのは大きなメリットである。もちろん、診療科目によっては電話通訳を利用しての診察が不可能な場合もあるが、センターの仕事はそこまでではなく、極力患者本人の言語、交通の便を考慮して他の医療機関を紹介する。これらの通訳はプライバシーに万全の配慮をして記録される。医療通訳には時に生命に関わる大きな責任が伴うからである。  ここに4ヶ月間に渡る長い通訳記録がある。通常、脳外科のような高度に専門的な分野では電話通訳の依頼を受けることはほとんどない。電話での通訳はその場に待機する派遣通訳とは異なる種類のリスクも生じる。しかし、この外国人患者は故あって特定の医師の診察を受ける必要があったようだ。この困難な仕事をセンターの通訳相談員たちは見事な連繋でやり遂げてくれた。患者は「脳血管攣縮」という困難な病気で、治療には周到な準備と大きな覚悟が必要な状況であった。主治医は丁寧に病状を説明し、隠さずに危険性についても述べる。  次々に飛び出す専門用語にも着実に対応する相談員、患者の心情を十分に慮った医師の態度に、本人は「先生のにこやかなお顔を見るだけで大変安心できる」と感謝した。もちろんその言葉も忠実に通訳して医師に伝えると、医師からはよろこんで担当医になること、時間をかけて診るために時間外の診察まで約束された。この、途上国のエリートとは察せられたが大家族を抱える若者はどんなに感激したことか。それから定期的な診察が始まった。予約日がその都度決められたのであらかじめ通訳相談員は記録を読み、センターの資料を調べ、準備に余念がなかった。そして、四ヶ月後、新たな赴任地への転任を告げる患者は医師の誠実な態度と懇切な診察に感激し、着任後手紙を書きたいと語った。もちろん、長く困難な通訳を完璧に遂行したセンターの通訳相談員にも心からの謝辞を述べるのを忘れなかった。相談員たちには気の張る4ヶ月間であったと思うが、それぞれに貴重な経験を積むことができ、またセンターの電話通訳サービスの意義と評価を高めることができたと思う。今後も相談員、事務局、それぞれの立場でますます研鑽を重ね、「在日外国人に日本人と変わらない医療を」というセンターの使命を全うしていきたい。

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