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トップ  >  NO.68 通訳とHIV研修に参加して
先月2日間にわたって行われたエイズ予防財団主催「平成20年度通訳とHIV研修会」に参加してきた。初日、まずは専門医による「HIVの疫学と医療」という講義を同時に開催されている「NGO指導者研修会」の参加者と一緒に受け、最新のHIVに関する情報を得る事が出来た。ケース紹介、病気について、感染者数の推移、薬や服用の仕方などだ。以前に受けたときから、病気や治療名が変わっていて驚く。例えばカリニ肺炎はニューモシスチス肺炎に、カクテル療法はHAART(多剤併用抗ウイルス療法)になっていた。そして拠点病院のソーシャルワーカーによる「陽性者が利用できる社会保障制度」では具体的な治療費、薬代から、種々の制度について詳しい説明を受けた。参加型ワークショップ「社会保障制度へのアクセスを左右する在留資格」では、在留資格によって使える制度がどのように違うのか、グループに分かれてディスカッションし、振り返りとまとめで一喜一憂。同じグループにはNGOの通訳者、病院の通訳者、保健師等多様なメンバーがおり、在留資格の違いによる制度の適用経験をシェアした。

2日目の午前中は「通訳経験者たちに聞くHIV通訳の広さと深さ」で、ポルトガル語、スペイン語、タイ語の通訳から実際に通訳した際に生じた問題と、それをどのように通訳したかを聞いた。午後からは「HIV通訳者の倫理と役割」で午前の実践を踏まえたうえで、通訳者としての倫理を守りながら、いかにして役割を果たしていくかについて、参加者からもいくつかの意見が述べられた。最後に五地域のブロック拠点病院でエイズ予防財団から派遣されているリサーチレジデントより各地域の現状を聞くことが出来た。

以前に感染者から、定期健診が受けられる医療機関を紹介してほしいとの相談があり、その方の近辺の拠点病院に問い合わせたところ、いくつもの拠点病院から現在はHIV感染者を受け入れていないと回答されたことがあったため、拠点病院の役割がどうなっているのかと疑問に思っていた。せっかくのチャンスと質問させて頂いたところ、かなりの拠点病院は1人拠点病院、もしくはゼロ拠点病院といって専門医が1人もしくはゼロとなっていること、ブロック拠点病院か中核拠点病院に問い合わせてみるとよいとの回答を頂いた。

平成19年度のセンター関西へのエイズに関する相談は20件で、検査を希望するものが12件、感染不安を訴えるものが3件、陽性者からのものが5件であった。平成20年度のエイズに関する相談は18件で、検査希望が12件、病気についての知識を求めるものが5件、陽性者からは1件であった。ここ数年、少しずつ相談件数は減ってきているが、エイズに関する相談は20件前後を維持している。検査を希望する相談者も、定期健診の中に含めている方と、感染の不安を感じている方に分けられる。これは予防へとつながる大切な習慣だと思うので、できるだけ行きやすい場所で紹介できるよう、情報収集にさらに励んでいきたい。研修で配布された多言語のパンフレットをはじめとする、HIV/エイズ関連の資料を早速ボランティア通訳さんたちに紹介したところ、皆さん一生懸命読んで下さっている。せっかく研修を受けるチャンスを頂く事が出来たので、内容は皆でシェアしていきたい。
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