AMDA国際医療情報センター
supporter
login
トップ  >  NO.66 任意での子ども予防接種

  赤ちゃんにポリオの不活化ワクチンを接種してくれるところを探してほしいという相談を受けました。生ワクチンからの副作用を心配してのことでしょうか。


日本では一般的に、生後3ヶ月から18ヶ月の間に、6週間以上の間隔をあけて2回生ワクチンの接種を受けます。生ワクチンでは100万件に1件程度の割合で大きな事故が起こります。事故の半数は接種を受けた人がポリオ様の症状を起こし、残りは接種を受けた人から排出されたものから、家族等が感染します。生ワクチンであれば小児期に2度シロップのような液状のワクチンをのんでおけば、一生の間免疫は持続すると考えられています[1]。(2度の接種では不十分と考え、3度接種している国もあります。)


 一方不活化ワクチンは、副作用が生じる確率は生ワクチンに比べてかなり少なくなりますが、経口感染して腸管で繁殖するポリオに対しての免疫は不十分となりやすいというデメリットもあります。日本でも何件かは接種を受けることが出来る医療機関がありますが、輸入した在庫を持っているところは少なく、首都圏を離れると頼めば輸入してくれるところが散見される程度です。このケースでもあちらこちらに問い合わせ、ようやく関西で数件見つけることが出来ました。


 外国人だけでなく、日本はポリオの流行地ではないこともあって、日本人でも不活化ワクチンの接種を希望される方もいらっしゃいます。ただし、不活化ワクチンは生ワクチンほど効果や安全性に関するデータがそろっていないという事ですし、不活化ワクチンだと任意接種となるため、費用は自己負担ですし、受けたことが原因で障害が残るなどの健康被害が生じても、予防接種法に基づく補償を受けることが出来ないことを伝えるのを忘れてはいけないと考えています。


 また、071月に承認されていたものの、生産に手間取り発売が遅れていたインフルエンザ菌b型(Hib-ヒブ-)ワクチンが、国内でも今年12月から発売される見通しになりました。乳幼児に重い髄膜炎を起こすことがあるということで、子どもの予防接種スケジュールに組み込んでいる国がすでに100ヶ国以上あるのですが、日本ではまだ任意接種ということです。標準では生後3ヶ月から3種混合ワクチンと同時に接種可能であるということで、2008101日付けの朝日新聞によると、価格はまだ発表されていないようですが、17000円程度の自己負担になる見通しだそうです。相談があれば、どこで接種が受けられるのか答えられるように、調べておきたいものです。


参考ウェブサイト


独立行政法人 労働者健康福祉機構 海外勤務健康管理センター

http://www.johac.rofuku.go.jp/infection/drugs/vac-poli.html



国立感染症研究所 感染症情報センター

http://idsc.nih.go.jp/disease/polio/index.html







[1] 昭和50年から昭和52年に生まれて、日本で接種を受けた人が流行地へ行く場合は生ワクチンの追加接種が望ましいとされている



プリンタ用画面
友達に伝える
前
NO.66 法と相談者の狭間で
カテゴリートップ
NEWSLETTER 案内
次
NO.67